綿虫の顔に真つ直ぐ飛んできぬ
アブラムシ科のうち、綿油虫類の総称。
体長三~四ミリ。
晩秋から初冬にかけて、白い綿のような分泌物をつけて、ゆるやかに浮遊する。
「大綿」「雪蛍」「雪婆(ゆきばんば)」「雪虫」などとも呼ばれる。
<綿虫やそこは屍の出でゆく門 石田波郷>
<いつも来る綿虫のころ深大寺 同>
十一月二十一日は石田波郷の忌日。
いつもこの頃に綿虫が飛んでいる。
川堤を歩いていると、前方から綿虫が真っ直ぐに顔を目がけて飛んできた。
だが、あっという間に消えてしまった。
夕日差すなか美しや雪蛍