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始まりに向かって

ホピ・インディアンの思想を中心に、宗教・心理・超心理・民俗・精神世界あれこれ探索しています。ご訪問ありがとうございます。

土壇場にいる、地球というわたしたち・・「アースマインド」(2)

2016-07-02 | 環境(ガイア)


「アースマインド・・地球は人類の廃棄を意図し始めた」という、ポール・デヴェロー、ジョン・スティール、デヴィッド・クブリンという3人の共著の本のご紹介を続けます。

リンクは張っておりませんが、アマゾンなどでご購入になれます。


                *****


              (引用ここから)



アイルランドでは、特定の日になると太陽光線が塚の内部の岩の彫刻にレーザーのような光線を投げかけたり、塚を取り巻く彫刻の上に影を伸ばす、新石器時代の遺跡が発見された。

ニューメキシコ州・チャコ・キャニオンにある石板の割れ目からは、太陽光線が、石に刻まれたらせんデザインに作用して、夏至・冬至・春分・秋分を正確に記録することが知られている。

この遺跡は、1000年以上前に滅亡したアナサジ族が残した。

古い土台の上に建っているが、現存するナバホ族の伝説によれば、それは本物の道ではなく、アナサジ族が「目に見えない者と一緒に旅をする」トンネルなのだという。

カリフォルニアの山脈や、他の南西部の州にはインディアンが謎の直線を残している。

これらの線のいくつかは、山頂から山頂まで、ずれもなく続いている。

なぜこれらが作られたのか、誰にも分からない。


メキシコでは、ユカタン半島や、さらに南下した地域に、マヤ族の直線の儀式用道路がある。


南米では、ペルーとボリビアのアンデス山脈に何キロも続く完全にまっすぐな道がある。

いわゆるナスカ・ラインだ。

これらのラインに沿って、寺院遺跡が点在している。


クスコから発するラインは、皇帝の儀式に用いられ、ラインに沿って聖地の遺跡が並んだ。

これらは、研究者が赤外線写真を撮るまで、直線であることがわからなかった。




年代的にも地理的にも大きく離れた数々の伝統社会に、なぜこれらふしぎな直線が築かれたのか、今日誰も本当のことがわからない。

これらはなんらかの魔力を持つラインで、「魂のライン」であると考えられる。


古代遺跡の位置で重要な特徴は、それがある種の地理的特徴、特に断層、地殻内の割れ目に近いことである。

たとえばアイスランドでは10世紀の国家の遺跡が、北米とユーラシアの構造プレートの間にできた断層の上に建てられている。

アメリカのオハイオ州では、2000年前のサーペントマウンドという400メートルに及ぶ説明のつかない土の建造物が建てられている。


これらの場所は、火山活動や流星の衝撃のために、断層の多い、非常に圧縮された地域なのだ。


存在そのものが、断層によってできている遺跡もある。

イギリスのバースでは、新石器時代初期からローマ・イギリス時代まで神聖であるとみなされていた温泉が、断層の上にある。

ギリシアにあるデルフォイの神託所は、断層から立ち昇る〝精神に影響を与える煙″に依存していた。

アリゾナ州のアナサジは、24時間周期で空気を吹き出したり、吸い込んだりする、断層に関係した空気穴の周囲にある。


昔の人々が地理を知っていたのは確かである。

彼らは石器時代には、石器にするためのフリントとその他の石を探して掘ることができたし、青銅器時代や鉄器時代には、鉱脈の位置を知ることができたのである。


しかし、なぜ断層をみつけて、その上や付近に聖地を建てるのか?

おそらく断層付近でおこる、特殊なエネルギー効果に関連している。

断層とは、地殻の中で巨大な力が働く場所なので、比較的上面近くに様々な鉱脈が多数混在していることが多い。

これが局地的な電磁異常や、地下水レベルの変化や、時には重力の変化を引き起こすのだ。


また断層は、地形の弱点もあらわす。

構造の圧力やひずみによって、起きやすいのである。

これが結果として、時折、地震となる。


段切面は収縮したり弛緩したりしている。

これによって、電磁場が移動する。

多量の岩が互いに衝突すると、時に圧電気を生む。

これはクオーツやクオーツを帯びた岩にかかる圧力によって生まれる電気である。


こうした構造の活動は、このような地域に湧き出る温泉に、放射性ラドンガスやその他の化学物質やガスを放出する時がある。

したがって断層ゾーンは特別なエネルギー地域なのである。



こうした地域は別のエネルギー現象、すなわち〝奇妙な光”を生じる傾向もある。


18世紀には、銅の鉱脈をみつける一つの手段として、採掘者が何百年にも亘って、地面から現れる〝光の玉”を利用していたと記録されたものもある。

ウェールズでは、今でも丘から時折現れる〝青い光”が鉱脈の存在を知らせるという言い伝えがある。

昨今では、これらを「UFO」と解釈する人々も多い。

しかし少数の研究者は、このようなエネルギー現象は、電磁気か未知のエネルギーの変わった形態であろうと考えている。

これら地球の光は、常に存在していたに違いなく、今日の一般的見方で「UFO」とされているように、過去の伝統社会でも、これらを自らの世界観に組み込んで、「霊魂」、「妖精」、「別世界への入り口」、「予言に用いる現象」などとみなしていた。

これらの〝光”に対する現代の我々の態度・・すなわち地球外のものはそもそも存在しないという態度・・は、我々の精神が地球や自然の、より精妙なプロセスから疎外されている証拠かもしれない。

この〝光”は、知覚をもった生きた惑星の性質を理解する上で重要な手がかりになるかもしれない。



地球の各圏は、非常に微妙なレベルでも相互に関連しており、地球は1個の脈動し、共鳴する有機体なのだ。

こうした見方をすると、我々は〝地球の上”ではなく、〝地球の中”に生きているのがわかる。

夜、星を見上げる時でも、地球の密度の薄い圏を通して見ているのである。

我々自身が、地球の「顔」の一部であり、つまり一つの現れなのである。


1854年、シアトル酋長はインディアンの伝統的知識をこう表現した。


            ・・・

我々は知っている。

地球が人間に属しているのではない。

人間が地球に属しているのだ。

我々は知っている。

あらゆるものが、家族をつなぐ血のように、つながっている。

あらゆるものが関連しているのだ。

            ・・・


地球との関連についての、このような伝統的な感じ方は、地球から消えていこうとしている。

しかし土壇場にきて、我々は過去の文化の中から、古代の知識を再び集めようとしている。


現代人の魂の内部で、回想のスピードは急激に早まっている。

皮肉なことに、地球から離れられるほどに技術の進歩が加速したおかげで、これまでにないスピードとスケールで互いにやりとりする手段が手に入ったのである。

これは情報テクノロジーと呼ばれるが、これ自体は手段にすぎない。

これをどう使うかが、肝心なのだ。


古代の知恵を完全に取り戻し、現代人に分かるように翻訳するには、物理的エコロジーも大切だが、それ以上のものを含めなければならない。

より深い面、精神や魂のレベルを除外してはならない。

これらも我らの遺産の一部、われわれの意識体験の一部だからだ。


           (引用ここまで・写真(中)(下)は我が家のユリ)


              *****

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「アースマインド」(1)・・この地球は わたしの体

2016-06-28 | 環境(ガイア)



「アースマインド・・地球は人類の廃棄を意図し始めた」という、ポール・デヴェロー、ジョン・スティール、デヴィッド・クブリンという3人の共著の本を読んでみました。

いわゆるガイア理論の本ですが、地球は人類を見捨てたりしない、という懐の深さを感じさせてくれるために書かれた本でもあるようです。

人間たちの社会は、日々騒動が絶えませんが、地球は50億年生き続けてきたのだ、もっと大きな目で世界を眺めてみないか?と語りかけています。

リンクは張っておりませんが、アマゾンなどでご購入になれます。

             
              *****


           (引用ここから)


われわれの現代文明は、記憶喪失に悩む人に似ている。

奇妙な切れ切れのイメージは今も思い出すことがあるが、しかし何にもつながらない、というような。

考古学、人類学、歴史の記録は、部分的ながら、昔の人々の生活を垣間見せてくれる。

遠い古代の人たちが用いた物のなごりや遺跡を見る時、遊牧民族の果てしない放浪時代(旧石器時代・中石器時代)が6000年から10000年前に、いかに突然終わってしまったかを推定することができる。

この頃が、西洋文明の源であるユーラシアに、村落と農業と町が発展した時期なのである。


しかし、地球はその50億年の歴史に起きたすべてを目撃してきた。

そして、我々の祖先にとって、大地はその場所の長い記憶に満ち溢れていて、そこでは人間・霊魂・神と鉱物・植物・動物の三界のドラマが繰り広げられていた。

最近になって、鉱物が、エネルギーを転換したり、さまざまな方法で意識を貯える結晶体の力を持つことが改めて注目されはじめている。

大地に身を寄せて生きる、古代の伝統を守る人たちにとっては、今でも、普通の岩も記憶を記録し、意識に反応するのであるという。


ホピ・インディアンのクロード・クワニフワは、

             ・・・

人間だけが記憶を持っているのではない。

地球は記憶する。

石が記憶する。

聞き方さえわかれば、彼らは多くのことをあなたに話してくれるだろう

                ・・・

と述べている。


ニューヨーク州のセネカ・インデアンは「しゃべる石」の伝説を持っている。


                ・・・

ある日、孤児が森の中をさまよっていた

彼はおばあさんといっしょに住んでいた。

おばあさんの言いつけで、毎日食物を狩りに出た。

その日、彼は狩った鳥を背に背負っていた。

少年は弓矢が得意だった。

川に出た時、彼は疲れきって地面に座り込んで、あぶったトウモロコシの包みを取り出した。

それを食べながら目の前にある大きな岩をみつめていた。

岩は声をきいた。

「昔の話を聞きたいか?」

少年はあたりを見回した。

誰も見えなかった。

再び声が聞こえた。

今度は他の崖の方を見た。

その声はどうも目の前の岩からきているようだった。

三度目の声がした。

「過ぎ去った日々の伝説を話そうか?」

少年は立ち上がった。

崖の頂上に登り、しゃべりかけてくる声に向かった。

そして岩霊がしゃべり始めた時、彼は驚異のうちに黙って座った。

「これは人間と動物が兄弟のように生き、お互いの言葉が理解できた時代に起きたことだ。

いいかね?」


次から次へと物語が語られ、最後には日が西の空を真っ赤に染めた。

その時、岩霊が言った。

「さあ、鳥を置いて帰り、明日戻って来るとよい」。

翌朝、同じことが起き、少年は更に森の奥へとは入っていき、そのまま夜になっても村には戻ってこなかった。

しかし少年は毎日話を聞きに、岩霊の元に行った。

岩霊の話には終わりがないようで、そのつど少年は感謝の供え物を残した。


ある日、岩霊が言った。

「私の話は終わった。忘れないように、みんなの所に戻り、話してやりなさい。

少年は少年時代を過ごした村に戻った。

その夜、たき火の周りに村民が集まった時、少年はみんなの前に立ち、話し始めた。

どんどん彼は話し続けた。

「しゃべる岩」から聞いたとおりに、物語を次から次へと語った。

村民は耳を傾け、真剣に聞き入った。

そして誰も眠らなかった。

その時から、少年の口によって、過去の知識のすべてが伝えられた。


              ・・・


岩霊は命、感情を有し、記憶を持ち、人間と交信できるのだ。

こうして我々の最も初期の祖先たちは、「意識のある、相互に影響しあう環境」と言える場所に生きていたのである。




生物学者ライアル・ワトソンは、次のように述べている。

「我々の思考や欲望が我々の環境に影響するということを否定するのは、もはや不可能である。

最新の宇宙論は、意識というものを、現実を構成する能動的な要素に含めている。

世界の仕組みについての新しい解釈は、世界中の文字のない人たちの古くからの信仰に、不思議なほど似ている」。


エスキモーには、「魔法の言葉」という言い伝えがある。

            
              ・・・

とおいとおい昔、

人と動物がこの地球に住んでいたとき、

人は望むなら動物になれた。

そして動物も人間になれた。

時には人であり、時には動物であり、

そこにはなんの違いもなかった、

みんな同じ言葉をしゃべった、

言葉が魔法のようだった時代、

人の心は神秘的な力を持ち、

たまたま口にされた言葉が不思議な結果を引き起こすかもしれない、

それは突然生気に溢れ、

そして人が望む通りになった、

ただ口にしさえすればよかった、

誰も説明できない、

なるようになるとしか。


             ・・・

ニューメキシコ州のアパッチ族の英雄はこう言っている。


            ・・・


この地球はわたしの体。

空も同じ。

季節もわたしの体だ。

世界はわたしの体と同じ大きさである。

世界はわたしの言葉と同じ大きさで、

そして世界はわたしの祈りと変わりない大きさである


                 ・・・


古代人の大地との交信は、こうして現在とは完全に違った見方に基づいていると言えるだろう。


古代文化は「外の時間」である、と言ってもいいかもしれない。

それは〝外部の観察者として外の時間から物事を見る”ということではなく、〝それ自身の中でそれ自身の物事を感知する”ということなのである。

「ドリームタイム」の夢の面を創造するのは、〝外の時間にいる”というこの知覚である。

だから夢を見る能力は、生物と無生物、また人間とその他の種の間の交信能力でもある。

この意味で夢を見ることは交差した意識状態に入ることであり、夢を見ているうちにドリームタイムの出来事は、その源に逆戻りできた。




オーストラリアのアボリジニの伝統は、「ドリームタイム」の源を知る手がかりとなる。

アボリジニは4万年の歴史を受け継いでおり、彼らは世界で最も古い文化をもっている。


アボリジニの長老は述べている。

            ・・・


私たちの母なる地球、いとこの鷲、私たちの血の流れる樹木、成長する草、そして水。

それらすべてが、私たちも含めて一つなのだ

            ・・・

            ・・・


私たちの母なる地球。

アボリジニは自然のすべてと特別なつながりを持っている。

自然のものすべて、われわれの一部と見ている。

地球上のすべてのものが人間の部分なのだ。


              ・・・

エリアーデは、

「アボリジニはその土地を歩くことで彼らの先祖のトーテム信仰の生きた記憶を経験する」と記している。

というのも、彼らが大地を憶えていると、大地は彼らを思い出し、こうして彼らはアイデンティティを与えられるからである。


エリアーデは言う。

「古代の人々は、自分達は大地から生まれたという感覚から、その地と宇宙的にかかわっているという感覚を持った。

おそらくその時代には、人間は、自分が人類の一員であるというよりは、むしろ自分の周りの命に宇宙的な意識参加をしていると感じていたと言える。

もちろん彼らは自分の近くに直接の自分の母親がいることは知っているが、同時に自分がどこか遠くから来たことを・・コウノトリか、カエルによって彼女の元に連れてこられたことを・・知っていたのである」。


            (引用ここまで・写真(中)(下)は我が家のユリ)

         
              *****


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「人類は生命の岐路に直面している・・ホピ・インディアン帝国のアメリカ合衆国への返書(1949年)」

「チンパンジーより平和なボノボ・・殺人する猿、しない猿。。」

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野生動物の肉料理、広がる・・「昆虫食」展も盛況

2015-06-27 | 環境(ガイア)


                 ・・・・・

「ジビエの味、広がる?・・害獣対策で生産増、生食はNG」

                朝日新聞2015・04・06


イノシシやシカなどの野生動物の肉「ジビエ」を調理して食べる動きが広がりつつある。

農作物の食害対策をかね、国や自治体が流通を後押ししているからだ。

飲食店の他、店頭やネット販売で手に入るが、生で食べず充分加熱するなどの注意も必要だ。

東京・JR神田駅そばに2年前に開店した「焼ジビエ罠(わな) 神田」。

エゾシカ、ニホンシカ、イノシシ、カモなどの肉を網に載せて焼く。

真夏には最高の味になるというシカ肉の赤みをいただくと、ジビエ特有の臭さがまったくなかった。

店長の中尾健児さんによると、秘密は仕入れにあるという。

狩猟後に内臓の処理と血抜きをすばやく終わらせることで、臭味を抑えられる。

原則1時間以内に処理できる狩猟家と契約して仕入れている。



「味付けはシンプル。
気軽に焼いて、肉本来の味を楽しめます」

おいしく、かつ安全に食べるため、客にはまず、店員が焼いてみせる。

ステーキの「レア」のように、中が赤いのはNGだ。

肉の中心部までしっかりと火を通す。

野生動物による農作物の被害は各地で問題になっている。

5月には、捕獲事業の認定制度導入などで対策を促す改正鳥獣保護法が施行される。

その肉を地域振興にいかす取り組みも進む。

三重県は、解体から加工、販売まで、ジビエを扱う業者の登録制度を独自に作り、肉は「三重ジビエ」と名付けて商標登録した

県が自ら市場調査や営業活動を実施し、販路拡大を目指す。
イノシシとシカ肉の生産量は3年で3倍に増え、年間計6~8トンに上るという。

農林水産省は、処理加工施設の整備や商品開発、流通経路の確立を支援。

食肉利用のマニュアルを作成し、研修も実施している。

同省の調査では、野生動物の処理加工施設は2008年は42か所だったが、昨年6月現在は少なくとも146か所ある。

とはいえ、売る先がなく苦戦する自治体も多い。

農水省によると、30市町村が対象の限られた調査だが、食用に利用されるのは約1割。

中尾さんは「ジビエが日本の食文化に育てばいい。販路が拡大して消費量が増えれば、地域の農作物の保護につながるし、猟師の生活も守れる」と話す。

ジビエは家庭でも入手できるが、食中毒への注意も必要だ。

家畜に比べて健康状態がつかみにくく、病原菌や寄生虫、ウイルスなどを持っている可能性がある。

代表例がE型肝炎で、感染すると発熱や黄疸などの症状が出て、場合によっては劇症化して死亡することもある。

2003年には、鳥取県で野生イノシシの肝臓を生で食べた2人が感染、うち1人が死亡した。

厚生労働省は昨年11月、衛生管理の指針を全国の都道府県に通知した。

狩猟、加工、運搬、調理、販売での注意点を定め、食べる際には「75度で1分以上」加熱するなどの注意点をあげている。

同省監視安全課は「法改正で捕獲量が増えると予想され、ウェブページも含め、一般にもわかりやすく周知したい」という。


             ・・・・・

 

「昆虫食展、意外な人気・・伊丹で17000人来館」
                  朝日新聞2015・04・21

コオロギの素揚げ、蜂の子のつくだ煮、、昆虫食をテーマに、兵庫県の「伊丹市昆虫館」が開いた企画展が好評だ。

2か月で予想を上回る約17000人が来館。

会期は3週間延長されて、今月27日までに。

タイトルは「昆虫食・・とる・つくる・たべる」。

国内を含む世界各地で食べられている約40種類の昆虫料理を、タイ・カンボジアの露店などで買い付けた。

実物やそのレシピ、写真などで紹介する。

企画したのは副館長の坂本さん。

タガメの飼育を担当していた16年前、タイでタガメの素揚げを食べ、柑橘系のさわやかな味に感動。

東南アジアを中心に、昆虫を食べ歩いた。

国連食糧農業機関によると、世界の約20億人が約1900種の昆虫を食べている。

昆虫は高タンパクで、カルシウムも鉄分も豊富。

企画展でこれまでに開いた試食会では、カイコのさなぎの素揚げなどをふるまい、盛況だった。

                ・・・・・

ブログ内関連記事

「マタギの世界(1)・・北方の山の神と山人(やまうど)の生活」(4)まであり

「最後の狩人たち マタギの狩りの掟(1)」(2)あり

「河合隼雄の「ナバホへの旅」(1)・・逃げ惑うインディアンの残像」(5)まであり

中沢新一と脱原発の展望(1)・・日本の野性はがんばれるか?」(2)あり

「結城庄司・アイヌ宣言(1)・・自然主義者は戦う」(4)まであり


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チンパンジーより平和な「ボノボ」・・殺人する猿、しない猿。。

2015-02-23 | 環境(ガイア)


チンパンジーは、群の仲間でも、敵の群のメンバーでも、殺すことがあるのだそうです。

でも、遺伝的にごく近い「ボノボ」という猿は、敵を殺すことはないそうです。

人間たちが、際限のない殺し合いの連鎖の中にいる今、猿の知恵も学びたいと思いました。


               ・・・・・


「チンパンジーとボノボ・・似ているのに性格は正反対」
                     朝日新聞2015・01・19

アフリカの熱帯雨林で、人間に最も近い類人猿の研究が進んでいる。

チンパンジーと「ボノボ」。

見た目はそっくりだが、片やオスを中心とした集団で、強い攻撃性が見られ、片やオスとメスが対等な平和な営みを築く。

進化の過程で何がおきたのか?

東アフリカ・タンザニアの森で、2011年10月、研究者を驚かせる事件が起きた。

チンパンジーの集団で、順位が1位のオスが仲間に殺されたのだ。

このオスは2位のオスと喧嘩して負傷。

騒ぎで集まったオス4頭が取り囲んで攻撃した。

現地で研究していた日本大研究員は、「殺されたオスの力は圧倒的で、それまで明らかな対立関係はなかった。想定外だった」と振り返る。

相手が弱ったと見るや、ライバルを倒す好機と捉えたらしい。

アフリカの熱帯雨林などに住むチンパンジーの研究は、1960年代に始まった。

身振りや表情、音声を使った多用なコミュニケーションや、木の枝で蟻を釣るといった賢さが注目される一方で、強い攻撃性も明らかになってきた。

70年代に観察された例では、2つに分裂した集団のオス達がもう一方の縄張りに侵入してメンバーを次々に殺害。

片方の集団は消滅してしまった。

カリンズ(ウガンダ)でも2003年、隣の集団に殺されたと見られるオスの死骸が見つかった。

カリンズで約20年調査を続ける京都大学・霊長類研究所助教は、「これまでに確認された殺害事件は2件。決して頻繁に起きているわけではない」と言う。

ただ相手が死ぬまで積極的に攻撃する行為は、他のほ乳類ではほとんど見られない。

研究者は「戦争」と呼ぶ。



「違いは〝先天的″」

なぜ「戦争」が起きるのか?

20年ほど前から、2つの説が対立していた。

一つは食料や交尾の機会を得るため、「生まれつき」だとする説。

もう一つは、人間の開発に伴う生息地の破壊や研究者の餌付けなどが影響している、という説だ。

この論争は2014年9月米バンクーバー大などのグループが英科学雑誌「ネイチャー」に発表した論文で決着した。

京都大学など、各国の研究機関の記録を解析した結果、チンパンジーによる殺害が確認・推定できたのは、1960年以降99件。

発生率と人間の行為との間には関係性は見られず、攻撃側、殺害側の双方がオスばかりだったことなどから、「生まれつき」説が有力だと結論づけた。

一方チンパンジーの最も近縁な「ボノボ」による殺害は、疑わしい例が1件あるだけだった。

「ボノボ」が住むのはアフリカの中央部で、チンパンジーの生息域との間には広大なコンゴ川が流れる。

250万年~100万年ほど前に、チンパンジーとの共通の祖先から別れたと見られ、以前は「ピグミーチンパンジー」と呼ばれていた。

おとなの見た目はチンパンジーそっくりだが、攻撃性はほとんど見られず、「平和主義者」の異名を持つ。

何が両者の特徴を作り出したのか?



「交尾をめぐり競争」

京都大学・霊長類研教授は、性が深く関わっている、と見ている。

チンパンジーは、子育てに長い時間をかける。

メスは5~6年に一度しか出産をせず、妊娠中や子育て中はほとんど発情しない。

オスは、交尾の機会を巡って激しい競争にさらされる。

さらに、将来や離れた場所の利益まで考えられるような、高い知能も、オスの攻撃性につながった、と見る。

「競争相手を倒したり、食料条件の良い土地を手に入れたりした方が有利という判断ができるのではないか?」

「ボノボ」のメスも子育てに長い時間をかけるが、発情期間が長く、妊娠や子育て中も交尾する。

オスもメスも、互いの緊張を和らげるために、頻繁に性器をこすりあう「挨拶」をする。

攻撃をしかけても、帰り討ちの危険もある。

争う理由が少なければ、無駄に戦う必要はない」と教授は指摘する。

「ボノボ」の生息地はゴリラがいないため、チンパンジーと違って、ゴリラと食べ物を競合する必要がないことも影響しているだろう。

生き物は、体の特徴や性質を環境に適応するように変えながら、進化してきた。

人類学者の山際・京都大学総長は「非常に近い縁のチンパンジーと「ボノボ」で、これだけ攻撃性に違いがあるということは、そういった攻撃性は比較的短い期間で適応的(生まれつき)になるのかもしれない」と話している。


  写真(中)は「ボノボ」の群。からまった枝をみんなで外してあげている。
  写真(下)はチンパンジーの群。敵対する群の様子を観察している。


                    ・・・・・


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「「ホピ族と徴兵拒否の思想」をよむ」

「なぜ人を殺してはいけないのか?(1)・・殺すなかれ、の声を聴く」

「嵐山光三郎「死ぬための教養」・・ゆうゆうと死ぬために。。」

「利他的遺伝子・・「自分」と「自分達」は、どう違うのだろうか?」

「自殺は許されるべき選択肢・・ウィリアム・レーネンは語る」


「野生の思考・社会・脱原発」カテゴリー全般
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地の面の生き物はすべて拭い去られた・恐竜の化石は大洪水の証し・・飛鳥昭雄氏(2)

2014-08-30 | 環境(ガイア)


引き続き、、先日読んだ船井幸雄氏・飛鳥昭雄氏の対談集「2020年頃までに世の中は大転換する」という本の中の、恐竜に関する話題をご紹介させていただきます。

対談中の「koro」という人名は、物故された神坂新太郎氏の言葉を船井氏が書き加えたものです。
船井氏が、神坂氏ならこう言うだろうということで、登場させています。

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             *****


           (引用ここから)


そういう理屈になってくると、聖書は正しいことになる。

「地の面(おもて)にいた生き物はすべて、人をはじめ、家畜、這うもの、空の鳥に至るまでぬぐい去られた」(旧約聖書・創世記 第7章23節」

もっと面白いことに、ノアの方舟がアララト山に到着した後、実は日本語では「アララト山」となっていますけれど、英語だと「アララト」の後に「S」がついています。

これは複数形です。山系。

だから日本語訳は翻訳ミスが相当多いのです。


その後、大陸が分かれたことも載っているのです。

「パラグ」という言葉でね。

日本語の聖書では「土地を民族に分けた」というふうになっているんですけれど、全然違う。

ヘブライ語でいくと「大地が分かれた」という意味なのです。

大地がベキッ、ベキッっと分かれた、ということなのです。

「その時代に土地が分けられた(パラグ)」「旧約聖書・創世記第10章25節」


「大陸が動いた」ということは、日本の「古事記」、「日本書紀」にもバンバン書いてありますよ。

たとえば、「イザナギとイザナミが降臨する途中、地上を見下ろすと、陸地が泥の海にくらげのように漂っていた」というのがそれです。

あれは、泥の海から顔を出し始めた陸地の記述なんです。

「国若く、浮ける脂のごとくして、くらげなす、漂える」(「古事記・天地のはじめ」)

「イザナギ命、イザナミ命の二柱の神に、「この漂える国を修め、埋め、固め、成せ」(古事記・おのごろ島」。

他にも、出雲の伝承にある「国生み神話」の中に、「国引き」というのがあって、大国主命が島を引っぱったり寄せたりとか、いかにも昔の神話で、のどかじゃのう、と思っているけれど、違う。

あれはさっき言った分裂の仕方で、淡路島がまずバキッと分かれたのです。

次に四国がバキッと分かれて、次に九州がバキッ分かれた。

これは西日本側の話。

邪馬台国の連合国家は、バラバラになっちゃったんです」

○koro

「一つだったものが地割れして、分かれていっちゃったのですね?」

○飛鳥

「そういうことです。ある種の地割れですね。

いわゆるプレートが激しく動くことによって、ベルトコンベアーの上に乗っかった土の塊が動いちゃった、ということなんですけれどね。

佐渡島は日本海で一番大きな島ですけれど、あれはこうなっているでしょう(両手をずらせてみせる)。
あれはぶつかっていますから。

ぶつかったところで何ができたか?」

○koro

「金ですね?」

○飛鳥

「そうです。だから日本は金だらけなのです。

地震が多いのも金がある証拠です」




○飛鳥

「1996年に、中国で発見された「シノサウロプテリクス」の化石は、世界最初の羽毛を残した恐竜化石とされました。

2004年にはTレックスの羽毛の化石も発見されたとされていますが、現実は羽ではなく体毛です。

どれも羽根状ではなく、繊維組織が一本ずつだからです。

が、アカデミズムは恐竜から鳥類が進化したと思わせたいために詭弁を弄し、羽毛に捻じ曲げています。

しかし、これからは恐竜と分類されていた種が、じつは鳥だったというケースも出てくるでしょうから、それと混同されてしまう危険性があるでしょうね」


             (引用ここまで)

 
               *****

大洪水と邪馬台国が同時代なのか、ふしぎですが、飛鳥氏は対談中に、和歌にも、奈良の若草山の周辺は沼だと書かれている、と述べておられます。

イマジネーション的には、面白いと思います。

次に、同書の対談が別のテーマになるので、そちらをご紹介したいと思います。



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恐竜の化石は大洪水の証し、洪水の前の巨人の世界・・飛鳥昭雄氏(1)

2014-08-27 | 環境(ガイア)


恐竜といえば、先日読んだ船井幸雄氏・飛鳥昭雄氏の対談集「2020年頃までに世の中は大転換する」という面白い題名の本の中にも、恐竜に関する話題がありました。

対談中の「koro」という人名は、物故された神坂新太郎氏の言葉を船井氏が書き加えたものです。
船井氏が、神坂氏ならこう言うだろうということで、登場させています。

リンクは張っておりませんが、アマゾンなどでご購入になれます。


             *****


           (引用ここから)


○飛鳥

「実は、ぼくは聖書をよく研究するのです。

同時に、ぼくはいろいろなものを本当かどうかと確かめたい人間なので、徹底的にやると、その答えが聖書に全部書いてあるのです。

面白いことに、「天地創造」の中に「海の水は一つのところに集めよ」と書いてあるのです。

海の水、海という以上は陸があるから海なので、海の水を一つのところに集めたら陸は何個ですか?」

○koro

「1個ですね」

○飛鳥

「そうです。1個です。これはパンゲアのことです。


「神は言われた。天の下の水は一つ所に集まれ。乾いた所が現れよ」(旧約聖書・創世記 第1章9節」

おもしろいことに、ヘブライ語の聖書を見ますと、いろいろ動物を創っていく順番が書いてあるのですが、そのなかの最初に、日本では「クジラ」と翻訳されているのですけれども、ヘブライ語ですと、あれは〝首の長い生き物”〝首を延ばす生き物”と書いている。

何か分かるでしょう?〝巨大で首の長い生き物”を最初に創った・・」

○koro

「恐竜?」

○飛鳥

「そういうことです。

ヘブライ語では、そう書いてあるんです。

それを英語訳に変えるとまた変わって、日本語訳になるともっと変わってくるから、日本では「クジラ」になっている。

新共同訳聖書というものが出て、ようやく「巨大な怪物」と変わりました。

「神は水に群がるもの、すなわち大きな怪物・・」(旧約聖書・創世記第1章21節)

だから、恐竜は聖書に書いてある。

プレシオサウルスなどの海竜は恐竜ではないという学者もいるが、恐竜の規定自体が激変しています。

爬虫類と同じ「冷血動物」とする枠を超え、今ではもう恐竜(実際は体毛恐竜)に代表される温血動物に変わっていますし、竜脚類に胎生の証拠も出てきましたので、昔の常識は通用しません。


聖書には「一番最後に人間を創って、その後に文明があって」と。

そこなんですよ、「文明があった」と書いてある。(大洪水の前に)

ネフェリムという巨人もいたと書いてある。

「当時もその後も、地上にはネフィリムがいた」(旧約聖書・創世記 第6章4節)

実際いろいろ調査をしていくと、地球には今の理屈に合わないものがいっぱい出てくるんです。

たとえば歯車の、いわゆる〝アナログ式コンピュータ”と言わせてもらいますけど、ああいうものが化石になって出てくるんです。

精密な機械のボルトとか、そういうのが化石になって出てくる。

こういうのは「オーパーツ」(Out Of  Place Artifacts)と言って、学者たちは「オーパーツ」が出てくると、こうなんです(ポイと後ろに投げ捨てる身振り)。

こんな物が出てきたら困る。

それを認めちゃったら自分は大学での地位をなくすんですから。

だからそんなものは全部ポイポイポイです。


しかし、「そのあとに大洪水が起こった」とある記述が大問題になるのです。

恐竜の化石は世界中から出てきますね。

日本も含めてオーストラリア、アフリカ、世界中から恐竜の化石が出てきますが、これには根本的な問題があるんです。

化石というのは、水に沈んで泥に埋まらなかったら、絶対にできないんです。

灼熱の太陽のもとで、恐竜たちが水を求めて移動してばたばた倒れる・・それじゃ絶対に化石にはなりません。

それだと、風化するんです。

風化するというのは、酸化するということです。

さびと一緒で、最後はボロボロになっちゃう。

だから絶対に化石はできないのです。

化石というのは金属とか他の物質と入れ替わるのです。

そのためには絶対条件があって、無酸素状態でないとだめなんです。

酸素があると、酸化して、腐りますから。

無酸素状態はどこかといったら、泥の中です。

ですから、必ず泥に沈むんです。

水に沈んで泥に埋まらなかったら、化石は絶対に出来ません。

世界中から化石がみつかるということは、世界中が泥水と化した、水に沈んだということなんです」


               *****


             (引用ここまで)


wikipedia「パンゲア」より

パンゲア大陸(Pangea)は、ペルム紀から三畳紀にかけて存在した超大陸である。

大陸移動説

1912年にアルフレート・ヴェーゲナーは、自身の提唱する大陸移動説の中で、現在の諸大陸は分裂する前に一つであったとの仮説を考え、この仮説大陸をギリシャ語で「すべての陸地」を意味する「パンゲア大陸」と命名した。

当初、大陸を動かす原動力が説明されておらず、このような移動は物理的にありえないとされたが、ヴェーゲナーの死後、1950年以降次々に新事実が見つかり、プレートテクトニクス理論として再評価されている。

古生代ペルム紀の終わりである2億5000万年前頃に、ローレンシア大陸、、バルティカ大陸(ローレンシア・バルティカ両大陸は既にデボン紀には衝突し、ユーラメリカ大陸を形成していた)、ゴンドワナ大陸(ペルム紀初期にはユーラメリカと衝突)、シベリア大陸などすべての大陸が次々と衝突したことによって誕生し、中生代三畳紀の2億年前ごろから、再び分裂を始めた。

超大陸の完成時、地球内部からスーパープルームが上昇して世界各地の火山活動が活発になり、ペルム紀と三畳紀との境界(P-T境界)に当時生きていた古生代の海洋生物種のうち、実に95%以上が絶滅した。

当時の海水準は高かったため、大半の時代は、浅海によって幾つかの陸塊に分かれていた。


パンゲア大陸は、赤道をはさんで三日月型に広がっていた。

三日月内部の浅く広大な内海であるテチス海では、多くの海洋生物が繁殖した。

その一方、内陸部は海岸から遠いため乾燥した砂漠が荒涼と広がっていた。

ほぼ全ての大地が地続きで動植物の移動が促進されたため、生物多様性は現在よりも乏しく均質だった。

1億8000万年前のジュラ紀になると、南北に分裂し、北はローラシア大陸、南はゴンドワナ大陸となった。

両大陸は,更に分裂していった。

パンゲア大陸の形状については、三日月型ではなく、上記地図のユーラシア大陸の凹みとオーストラリア大陸の凸部とが丁度つながり、丸くなっていたという説もある。


Wikipedia「ネフィリム」より

ネフィリム (Nephilim)は、旧約聖書の『創世記』および『民数記』、旧約聖書外典(続編)の『ヨベル書』、『エノク書』などにあらわれる種族の名で、一般的には「巨人」とされる。

名前の意味は「(天から)落ちてきた者達」であるという。「ネピリム」とも表記される。

『創世記』第6章1~4節によれば、地上に人が増え始め、娘たちが生まれると、神の子らは人の娘たちが美しいのを見て、おのおの選んだ者を妻にした。

こうして神の子らと人間の娘たちの間に生まれたのがネフィリムであった。

彼らは大昔の名高い英雄たちであったという。

『民数記』第13章32~33節ではカナンを偵察したイスラエルの一隊が、「そこにすむ民は巨人であり、ネフィリムである。

彼らアナク人はネフィリムの出だ」とモーセに語る場面がある。

『ヨベル書』7:21~23によれば、巨人たちが人の娘をめとり、そこからネフィリムが生まれたとされる。

ネフィリムは「みな仲たがいをして共食いをし、お互いを殺しあった」という。

この箇所ではネフィリム以外にエルバハ、ネピル、エルヨという三種の名称があげられているが、それらも巨人をあらわしていると考えられる。

『第一エノク書』7章では地上に降りて人間の娘と交わった天使たち(グリゴリ)によって、巨人が生まれたという。

巨人の体長は3000キュビット(1350m ギリシア語の『エノク書』では3000ペーキュス)もあり、人間たちの食物を食べつくすと共食いを行ったという。



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羽毛のある恐竜、原始鳥、発見あいつぐ・・鳥と恐竜の境界あいまいに

2014-08-24 | 環境(ガイア)


恐竜とか、鳥とか、なぜか興味があります。

古い新聞記事ですみません。

塩漬け記事たちですが、爬虫類は人類の秘密を握っているような気がしてなりません。


                 *****


「大きなティラノサウルス類」の歯を発見・・大型化時期早まる可能性(兵庫・丹波」
                     読売新聞2012・06・21

兵庫県三田市の「県立・人と自然の博物館」は、同県丹波市の前期白亜紀の地層「篠山層群下部層(約1億4000万年前~1億2000万年前)から、肉食恐竜「ティラノサウルス類」の歯の化石が見つかったと発表した。

歯の大きさから,体長は約5メートルと推測される。

これまでみつかった「ティラノサウルス類」の前期白亜紀の体長は1~3メートルで、後期白亜紀(約9900万年~6500万年前)に大型化したと見られてきたが、今回の発見で大型化の時期が早まる可能性がでてきた。

見つかった歯は2本で、長さ18ミリ幅6ミリと、長さ8ミリ幅5ミリ。

今年3月、国内最大級の植物食恐竜「丹波竜」の発掘調査の過程で見つかった。

いずれも上あごの前歯と見られ、大型化が進んだ後の特徴である縦筋も見られる。

前期白亜紀では、今年4月、中国で約1億1200万年~9900万年前と見られる地層から、大型化が進み始めた「ティラノサウルス類」の頭や脚の化石が見つかっている。

今回は、それを数千万年さかのぼる発見という。

富田幸光・国立科学博物館研究主幹は「年代が確定されれば、世界的に一番古い部類に入ることになり、恐竜の進化パターンを書き換える可能性がある。

最近、中国などで同類の化石が発見されていることに続いて、同類のアジア起源説を一層裏付けるものになるかもしれない」

                  *****

「丹波竜.com(丹波市)」


中国で発見されたティラノサウルス類の記事もありました。


                  *****



「全長9メートル、ふさふさ恐竜・・中国に化石、ティラノの仲間」
                            朝日新聞2012・04・5


鳥のような羽毛をまとった全長9メートルの新種の大型恐竜の化石が中国でみつかった。

羽毛のある恐竜はこれまで、体長2メートル程度の種類しか確認されていなかった。
中国とカナダの研究チームが英科学雑誌「ネイチャー」に発表する。

化石は3体分で、中国遼寧省の白亜紀前期(1億2000万年前)の地層からみつかった。
化石の分析で、大型肉食恐竜ティラノサウルスの仲間で、最大の個体は全長9メートル、体重1・4トンと推定された。羽毛は15から20センチくらいで柔らかく、体温を保つのに役立ったようだ。



研究チームは、ラテン語と中国語で「美しい羽毛の王」を意味するユウティラヌス・ファリと名付けた。
羽毛恐竜はこれまで、全長2メートル程度の小型・中型の種類にしかみつかっていなかった。
大型恐竜は体内に熱を保ちやすく、羽があるとオーバーヒートして生存に不利になる可能性があるとして、大型種がいたか、専門家の間でも論争になっていた。

国立科学博物館の真鍋学研究主幹は「大型恐竜にも羽毛があったという物証がついに出た。羽は雌雄を見分けたり、求愛のディスプレーに使ったりした可能性がある」と話した。


              *****


さらに、始祖鳥より原始的な鳥が発見された、という記事もありました。

〝羽毛の生えた恐竜”というのは、恐竜と鳥の中間形態をあらわしていると思われますが、始祖鳥の前にも鳥がいたという発見により、始祖鳥は恐竜から進化したという単純な仮説が否定され、鳥類としての系統を精査する必要があるとうことではないかと思います。

              *****




「始祖鳥より原始的な鳥・・中国で化石発見」    読売新聞2013・05・10


鳥の祖先とされる「始祖鳥」よりも原始的な特徴をもつ新種の鳥の化石を発見したと、ベルギーや中国などの研究チームが30日付の英科学誌ネイチャーに発表する。

中国遼濘省の1億6500万~1億5300万年前(ジュラ紀中期から後期)の地層から見つかった。

研究チームは「あけぼのの鳥」を意味する「アウロニルス」と名付けた。

ほぼ全身の化石がみつかり、羽毛の痕跡も確認できた。

全長は約51センチ。

骨格を分析した結果、「始祖鳥」よりも恐竜に近いという。

これまでの鳥の化石の中で最も原始的であることが分かった。



鳥は恐竜から進化したと考えられている。

ここ数年で羽毛を持つ恐竜が多数見つかったことから、鳥と恐竜の境界が曖昧になり、「始祖鳥」を恐竜と位置付ける考え方も出てきた。

しかし「始祖鳥」よりも原始的な鳥がいたという今回の結果で、「始祖鳥」は鳥という説が改めて有力となった。


真鍋真・国立科学博物館研究主幹の話・・「鳥と恐竜の境目をどこにおくかは研究者によって見方が異なる。

今回の化石は“鳥に近い羽毛をもつ恐竜”と見ることもできる。

さらに議論が必要だ」。


                  *****

wikipedia「丹波竜」より

丹波竜は、兵庫県丹波市山南町加古川水系篠山川河床の篠山層群において2006年8月7日に初めて発見された、ティタノサウルス形類と推測される恐竜またはその化石。

2006年8月7日に丹波市在住の2人の男性によって篠山川において発見された小さな化石の一部は、その後専門家の鑑定により、中生代白亜紀に繁栄した竜脚類の一グループに属するティタノサウルス形類という恐竜である可能性が高まり、ほぼ全身に近い骨格が良好な保存状態で発掘される可能性が高く、この種の系統進化を解き明かす上で極めて貴重な資料となると考えられ、大きなニュースとして報道された。

発掘作業は現在は一旦終了した。

国内における前期白亜紀の哺乳類化石の発見例は、石川県白山市白峰、福井県勝山市北谷の2例あるが、世界的に見ても前期白亜紀の哺乳類化石の発見はわずか55例しかなく、篠山層群下層部の年代に相当するものとしてはさらに少なくわずか11例にとどまる。

(詳細:イギリスに8例、モロッコ、モンゴル、ポルトガルにそれぞれ1例あるのみ)。

このため、小型脊椎動物化石群集は希少でありさらに哺乳類の化石を含んでいことから、重要な発見であるとの見方がされている。

発見

2006年8月7日長年にわたり、独自に生痕化石の調査を続けてきたと丹波市在住の元高校教諭の足立洌(丹波市柏原在住・篠山層群を調べる会会員)とその旧友である男性が、山南町上滝の加古川水系篠山川、川代峡谷川床において地質調査を行っていたところ、重層的な篠山層群の赤茶けた泥岩層の表面付近に、1cmほどの灰色がかった石状の突き出した楕円形の物体を発見。

2人は、タガネとハンマーを使い、2本の切片を掘り出した。

当初、2人は石灰岩や生痕化石(主にサンドパイプ)を探しており、午前中は山側の沢を歩き回り、フズリナやサンゴの化石が見つかればよいと考え調査を行っていた。

昼食後、旧・上久下村営水力発電所付近の川床の岩盤の礫岩や泥岩の層でサンドパイプを探すつもりで、何気なく見回していた彼らの目に前述の物質が飛び込む。

さっそく、2人でハンマーを使用し、2時間がかりで約15cmの正体不明の2本の物体を摘出する。

元高校教諭の男性は、これまでの知識と経験から断面に年輪が見当たらないことで木ではないと直感する。

2人は動物の化石ではないかと推測したものの結論は出せず、持ち帰り図鑑や参考資料を調べるうちに「どう考えても恐竜以外に考えられない」という結論に達し、翌日以降も発掘を続ける決意をする。

2006年8月9日発見日の翌日から2日がかりで、7時間ほどかけ交代で掘り進み、60cmほどの棒状と、ひとかたまりの化石らしき岩石を「兵庫県立人と自然の博物館(愛称「ひとはく」)」へ持ち込む。

ひとはくの三枝主任研究員の鑑定の結果、恐竜の肋骨であることが判明する。

篠山層群

丹波竜が発見された篠山層群は、中生代白亜紀前期、1億4,000万年前~1億2,000万年前頃に平野部に土砂が堆積することによってできた地層で、当時の日本は大陸の一部であったため恐竜が生息していたことは考えられていたが、これまで恐竜の化石の産出の事例はなかった。

今回の発掘現場は、川岸・川底などにたまった小石、砂が固まってできた岩盤である礫岩、砂岩、泥岩の層と、河川の氾濫時に洪水で運ばれ堆積した泥が固化してできた泥岩層が繰り返し堆積しているが、恐竜の化石はこの泥岩層の中に埋まっていた。



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2億年前の隕石衝突の痕跡が、岐阜でみつかる

2014-07-18 | 環境(ガイア)


              ・・・・・


「2億年前 カナダの隕石衝突 岐阜の地層に痕跡」・・2012・11・06朝日新聞


今から約2億1500年前の三畳紀後期に巨大隕石が地球に衝突した痕跡を、鹿児島大などの研究チームが岐阜県坂祝町の木曽川沿いの地層でみつけた。

恐竜絶滅の原因になったとされる白亜紀末(約6500万年前)の天体衝突に近い規模と推定される。

米科学アカデミー電子版に論文を発表する。

この地層では三畳紀後期の深海底の岩石が地表に出ている。

尾上哲司鹿児島大助教授らは、削り取った岩石の約2億1500万年前の層から隕石衝突の痕跡のような細かい球状の粒を発見。

地球上に少ししかないイリジウムや白銀など6種類の元素が、いずれもこの層に限って通常の100~1000倍程度の濃度で含まれていた。

この濃度は舞い上がったチリが地球規模に広がり、恐竜絶滅につながったとされる白亜紀末の衝突で出来た層に匹敵するという。

年代は天体の衝突でできたカナダ東部のジュレーター(直径約100キロ)の時期とほぼ重なる。

この時の衝突の痕跡がこれほど離れた場所で見つかるのは初めて。

だが当時は恐竜時代の初期で、白亜紀ほどの大量絶滅が起きたとは考えられていない。

丸岡照雪筑波大准教授は「衝突の規模や様相によって、環境への影響の及ぼし方に違いがあることを示していると思う」と話す。

                
              ・・・・・

古い記事ですみません。
掲載しそびれて、うずもれていました。

隕石、恐竜、、なにかピンとくるものがあります。

非常に興味深いです。。


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日本にも氷河あった・・立山連峰で確認

2014-02-23 | 環境(ガイア)



これも過去の記事ですが。
日本に氷河があるなんて、嬉しいことですね。


                 *****


「日本にも氷河あった・・立山連峰で確認」2012年4月5日朝日新聞


富山県の北アルプス立山連峰の3つの氷体が、日本で初めて氷河であると確認された。

2009年から調査を続けてきた立山カルデラ砂防博物館が4日に発表した。

国立極地研究所によると、日本には現存する氷河はないとされてきた。

氷河とされたのは、立山連峰の剣岳北方稜線東側の三の窓雪渓と小窓雪渓、雄山東側の御前沢雪渓の3つの氷体だ。

三の窓と小窓の両雪渓下に氷体があり、昨秋の調査で1か月間に最大30センチ超の流動が確認された。

御前沢雪渓下の氷体でも1か月間に7センチ~9センチの流動があった。

氷河は長期間継続して動いている雪氷体。

日本雪氷学会の藤井前会長は、「危険な雪渓に機器を持ち込み、流動を確認した。偉大な発見」と話した。

                 *****


                 *****

2012年5月1日読売新聞

「国内初の氷河がみつかったそうね(ニュースがわからん)」



立山連峰の雪渓下にある。

月に最大30センチ動く。

現存する氷河としては国内初の発見なんだ。

約12000年前の氷河期には日本にも氷河があったと言われていたが、東アジアでは現在、ロシア・カムチャッカ半島より北にしかないとされてきたんだ。


☆氷河は、ヒマラヤやヨーロッパのアルプスが有名ですね?


冬季の降雪量が多く、夏の気候が寒冷な場所にできる。

山岳地帯や極地に見られ、全長数十キロにわたる大氷河もある。

赤道直下でも、標高5000メートルを超えるアフリカ大陸のキリマンジャロや南米エクアドルには氷河がある。

立山連峰は3000メートル級の山々が連なる日本有数の山岳地帯だ。

氷河とされた場所は夏場も雪が消えず、冬場の積雪は10メートルを超す。

最近になって、ポールをたて、全地球測位システムを使って氷の動きを測ったんだ。

すると氷が最も薄くなる秋に、1か月で最大30センチを超す動きが確認された。



☆地球は温暖化しているけど影響はないの?


見つかった氷河は全長1キロ前後、氷の厚さが30メートル程度。

規模が小さく、温暖化の影響が出やすい。

調査した立山砂防博物館は、「温暖化の研究材料にもなる」としている。


                *****


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温暖化はどうなっているのか?・・暑くなる世界、多発する干ばつ・水害

2014-02-05 | 環境(ガイア)


昨年の冬の新聞記事ですが、割と典型的な「地球温暖化が起きている説」です。

福島の原発事故が起き、温暖化を避けるためにも化石燃料にたよらないエネルギーとしての原子力を、という説の位置はますます微妙になりつつあります。

最近は、以前に比べて「地球温暖化」が起きているという声は聴かなくなっているように思いますが、実際はどうなっているのかという問題は興味深いです。


          *****


「温暖化すぐそばに 強い台風増加予測」 2013年1月9日朝日新聞


長野県の中央に位置する諏訪湖に古くから伝わる厳冬期の神事がある。

御神渡りだ。

気温が零下10度まで冷え込んだ日が通日続くと、湖面が全面凍結する。

その氷が昼夜の気温の差で膨張と収縮を繰り返した結果、大きな音と共に高さ30~60センチの割れ目が、筋となって湖面を走る。

昔の人たちはこの筋を、諏訪大社上社の男神が下社の女神のもとに通った道筋として「御神渡り」と名付けた。

筋の方向から、農作物の作柄を占うなど、五指の御神渡り亘理の廃刊は矢剣神社の神事となっている。

諏訪市博物館によると、最初の公式記録は1397年。

しかし、近年その記録に異変が現れている。

高度経済成長が始まった1950年代から出現が減り始め、地球温暖化が注目され始めた90年代からの23年では7年しか観測されていない。

八釼神社では「17世紀は御神渡りができなかった年は1年しかないほど、かつては毎年繰り返されてきた。

今でも寒い年は御神渡りは出現するが、減っているのは温暖化のためだと思う。どうやって神事を守っていけばいいのだろうか」と語る。

岩手間花巻市の山中では、滝が凍って、高さ13メートルの巨大な氷柱が出現する。
たろし滝だ。

昔から氷柱の太さで作柄を占ってきたといわれる。

しかしここにも温暖化の影がしのびよっている。

温暖、暖冬で氷柱が育たずに崩落し、測地できない年が増えているのだ。

近年の気象上昇について、「国連の気候変動に関する政府間パネル」は、人間活動による温室効果ガスの増加によってもたらされた可能性が非常に高いとしてきしている。

世界気象機関によると、2012年は観測史上9番目に暑い年だった。

気温を下げる効果があるラニーニャ現象が起きていたが、世界各地で更新を記録、WMOは温暖化などの気候変動が要因とみる。

人間の活動による気温上昇は、自然現象をしのぐまでになりつつある。

WMOが1~10月のデータを分析し、同年11月に発表した。

12年の10か月の地球表面の平均気温は1961~90年までの平均気温より約0.45度高かった。

北極の氷は過去最少の341万平方キロまで減少。

これまで最小だった2007年より2割近く小さかった。

12年は世界各地で極端な気象が頻発した。

ロシアでは、10年に次ぐ観測史上2番目に暑い夏となった。

米国は干ばつや記録的な熱波に襲われた。

ニジェールやチャドなど西アフリカでは洪水、中国では豪雨で苦しんだ。


温暖化だけではない。

ロシア東部ではマイナス45~50度、東欧や北欧でもマイナス数十度の猛烈な寒波に見舞われた。

日本の海洋研究機構などの研究で、北極海の氷が夏に大きく減ることは、日本やこれらの地域が冬に寒くなる一因だと分かってきた。

温度上昇による海水面上昇も深刻だ。

国連の「気候変動に関する政府間パネル」の第4次報告によると、1993~2003年には熱膨張で年間約1.6ミリずつ海水面が上がった。

氷河や氷床が溶けたことなどに加え、人間が汲み上げた地下水の流入の影響が大きいことも判明した。

海水面の上昇は、標高の低い海辺の地域や国に深刻な影響を与える。

イタリアやオランダなどの先進国は、堤防や運河をつくることなどで高潮や洪水による被害を防げても、途上国やちいさな島国では、避難や移住を余技なくされる。

IPCCは気候変動が進行すると、強い台風が増える可能性を予測している。

農作物や畜産への、深刻な被害が出る恐れがある。

9月に九州などをおそった台風16号は、フィリピンや朝鮮半島でも洪水や土砂崩れを引き起こした。

気候変動の影響を抑えるには気温上昇を2度以内にすることが必要だとされる。

しかしWMOによると、11年の地球の温室効果ガスの濃度が過去最高値を更新した。

地球規模での速やかな対応が、強く求められている。


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宇宙の穴・・暗黒星雲やブラックホールとは別

2014-01-18 | 環境(ガイア)


「宇宙の穴・・暗黒星雲やブラックホールとは別」読売新聞2010年5月17日

欧州宇宙機関(ESA)は、大量のちりやガスが集まって背後の天体の光を遮る「暗黒星雲」と考えられて黒い天体の一つが、実はからっぽの「宇宙の穴」だと分かったと発表した。

この天体は地球から1500光年離れた星雲「NGC1999」の一部。

写真の白っぽい星雲の中で真っ黒に見える部分で、ESAのハーシェル赤外線宇宙望遠鏡と地上の望遠鏡で詳しく観測したら、なにも無い領域と判明した。



ちりやガスは、誕生したばかりの付近の星が噴き出すジェットで吹き飛ばされたらしい。

この「穴」は、重力が強くなって光さえ抜け出せなくなった天体・「ブラックホール」 (黒い穴)とは別物。



ブラックホールは銀河の中心などにあることが分かっている。


          ・・・・・

   「ナショナルジオグラフィック」にも、記載がありました。

          ・・・・・

「ハーシェル望遠鏡が発見した宇宙の穴」



誕生後間もない星を探すハーシェル宇宙望遠鏡がこのほど意外なものを発見した。

宇宙空間にある完全に空っぽの穴である。


穴があるのはNGC 1999と呼ばれる星雲の中だ。

オリオン座にあるこの星雲はちりとガスで形成された明るい雲で、近接する恒星の光で輝いている。

1999年12月にハッブル宇宙望遠鏡がこの星雲を初めて撮影した際、星雲の中のこの黒い点は周囲より温度が低いガスとちりの塊で、密度が高いために可視光線を通さないと考えられていた。

しかし、欧州宇宙機関(ESA)のハーシェル宇宙望遠鏡が撮影した最新の画像によって、この黒い点が実はまったくの空洞であることが判明した。

ハーシェルは赤外線望遠鏡であるため、高密度のちりを透視して内部の物体を見ることができるはずだが、ハーシェルの画像で見てもこの点はただの黒い点だった。

 この穴は直径が0.2光年で、近くにある生まれたばかりの恒星V380 Oriの断続的な形成過程から生じたものと見られる。

この原始星の質量はすでに太陽の3.5倍に達している。

両極からガスを柱状に超高速で噴出して星の形成後に残った物質を吹き飛ばしており、これはこの星の成熟が近いことを示す前兆だと研究チームは考えている。

「あの星が秒速何百キロものスピードで両極からジェット噴流を放出し、周囲の雲に巨大な穴を開けているのでないかと思う。つまり、噴出したガスが周囲のガスやちりをすべて吹き飛ばしているのだろう」と、研究チームを率いるオハイオ州にあるトレド大学のトム・メギース氏は語る。

また同氏によると、穴を発見した望遠鏡は19世紀の天文学者ウィリアム・ハーシェルにちなんで命名されたが、このハーシェル自身が作成した夜空のカタログに数個の黒い点が記載されていたという。

ハーシェルはこれらの点を穴と考えていたが、いずれものちに暗黒星雲であることが判明した。

「それ以来、宇宙に黒い穴のようなものが発見されるたびに星雲だろうと考えられてきた。それから150年近くたった今、誰もが星雲だと思っていたものがハーシェル宇宙望遠鏡によって穴だと判明したとは、皮肉なものだ」。

               ・・・・・


元宇宙航空研究開発機構職員の中川人司氏の「宇宙授業」という本を読んでみました。

難解なことが、やさしい言葉ですっきりと書かれていました。

関係がありそうなところをご紹介します。

この本を読んでから、この記事を読むと、「宇宙の穴」というものは、宇宙の一部なのではないだろうか、と思いました。


              *****


             (引用ここから)


「宇宙の寿命」

始まりがあるものには終わりがあると言われます。

流行はいつか去り、建物はいつか崩れ、生き物はいつか死んでしまいます。

あの太陽にだって寿命があります。

現在、太陽は約46億才ですが、寿命は109億才。

あと63億年ほどで、燃え尽きてしまうと考えられています。

宇宙が生まれたのは、今から137億年前のことでした。

始まりは、「ビッグバン」とよばれる大爆発で、それから今日までずっと、宇宙は風船のようにふくらみ続けています。


宇宙には終わりがあるのでしょうか?

実は最近まで、いろいろな説がありました。

「宇宙は永遠に広がり続ける」という説がある一方で、「ある程度まで広がると、今度はどんどんちじみ、最後には点となって消える」という説もありました。

この疑問に一応答えが出たのは、2003年のことです。

NASAの宇宙マイクロ波観測衛星WMAPの観測結果によって宇宙の物質量が推定され、宇宙は永遠に広がっていくということが解明されました。

永遠だと言えるのは、宇宙しかない。。


「宇宙の始まり」

1926年、遠い銀河を観測していたアメリカの天文学者エドウィン・ハップルはすべての星や銀河が遠ざかっていることに気づき、宇宙がどんどん広がっていることが明らかになりました。

この宇宙が広がる速度から逆算すると、かつて宇宙はもっと小さかったことになります。

さらに逆算していくと、137億年前には宇宙は一つの点になります。

このときに「ビッグバン」とよばれる宇宙の始まりの大爆発(大膨張)が起きて、それ以来宇宙はゆるやかに膨張し続けています。

この「ビッグバン」が宇宙の始まりと言ってもよいのですが、最新の理論では「ビッグバン」の直前に宇宙は誕生しているとしています。

宇宙の誕生から10のマイナス44乗秒後、宇宙の大きさは10のマイナス34乗センチメートルほどでした。

そして一瞬のうちに1センチメートルほどまで急膨張しました。

この急膨張を「インフレーション」と呼んでいます。

このインフレーションが終わったのは、宇宙の誕生から10のマイナス33乗秒後です。

インフレーションの直後の火の玉のような状態を「ビッグバン」と呼んでいます。

「ビッグバン」は「インフレーション」によって引き起こされました。

10のマイナス34乗センチメートルという大きさは、原子や電子1こよりはるかに小さいものです。

この小さな点の中に、現在の宇宙に存在するすべての物質がぎゅっと押し込められていました。

超高密度の状態です。

宇宙の始まりはすべての物質の始まりであるとともに、空間の始まりでもあり、時間の始まりでもあります。

だから、「宇宙が始まる前にはなにがあったんですか?」という質問はナンセンスです。

時間が流れている中で宇宙が始まったのではなく、時間そのものがその時始まったからです。

時間が始まった時点より前の時間は、存在しません。


「宇宙の外側にあるもの」

空間の中に宇宙があるのではなく、宇宙自体が空間です。

もしもある空間の中に宇宙があると考えると、宇宙の外には何があるかという疑問が生じます。

でも空間とは宇宙そのものです。

「ビッグバン」で宇宙という空間が生まれ、それがどんどん拡大しています。

空間そのものが拡大しているのです。

「宇宙の外」という概念は、ないのです。


              (引用ここまで)


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グリーンランドの氷床、融解加速のおそれ

2014-01-10 | 環境(ガイア)


グリーンランド氷床、融解加速の恐れ・・微生物繁殖で黒色化
読売新聞2013・06・09

北極に近いグリーンランドの氷床で、夏に藻類などの微生物が繁殖し、黒っぽい色に覆われるようになっていると、現地調査した千葉大の竹内望教授らのチームが発表した。

表面が黒っぽいと太陽の光を吸収しやすくなり、氷床が溶ける速度が加速する恐れがある。

グリーンランド氷床には地球上の氷や雪の内、約9パーセントが存在する。

90%が存在する南極大陸は気温が氷点下50度と寒く、地球温暖化の影響が見えづらいのに対して、グリーンランドの氷床では近年、温暖化によって氷が溶けるのが進み、海面上昇の主な原因となっている。

また数年前からは人工衛星の観測で、特に西側の氷床表面が黒っぽく見えるようになったが、飛んできた土埃や煤が原因だと見られてきた。



竹内教授らは昨年7~8月、グリーンランド北西部のカナック氷河などを歩いて調査。

表面を顕微鏡で観察したところ、藍藻という糸状の微生物が大量に繁殖していた。

藍藻は周囲に有機物や鉱石などを毬のように絡めて、直径1ミリメートル前後の粒を形成する。

この粒が黒っぽく見える原因になっていたという。



これまで竹内教授らは、ヒマラヤなどアジアの氷河を調査し、同様に藍藻が繁殖して黒色化していることを明らかにしてきた。

だがアラスカや南米などの領域では藍藻は少なく、氷河方面の汚れは少ないと見られていた。

竹内教授は「温暖化に伴いグリーンランドなど北極区域でも夏の融解期が長くなり、微生物の繁殖が促される可能性がある。注意深く監視する必要がある」と話している。

北大杉山講師の話

氷河や氷床の融解は、気温や海水温の上昇との関係が注目されてきた。

微生物の影響はあまり考えられてこなかった。

グリーンランドの氷床の黒色化がどのような仕組みで進み、どのくらい影響しているか詳しく調べていくことが大事だ。


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地球は6度目の絶滅の時を迎えている・・温暖化のゆくえ

2013-12-12 | 環境(ガイア)
 

            *****

2010年9月24日読売新聞

「人類の繁栄、危機生む 6度目の大絶滅」


この半世紀たらずで世界のエネルギー消費量は3倍近くに増え、穀物需要も2倍になった。

地表の1割が農地になり、森林の減少は歯止めがかからない。

世界の人口は坂本竜馬が生きた150年前の約5倍に膨れ上がった。


≪ 6度目の大絶滅 ≫

地球はいま、6度目の大絶滅時代に入っている。

未知のものも含めると3000万種もの生き物がいると推定されるが、絶滅種は1年間に4万種にも及ぶとの説もある。
国際支援保護連合によると、世界の野生動植物約4800種のうち、17000種が危絶滅の危機にさらされている。

レッドリストは、哺乳類490種で全体の21パーセント、両生類9998種で全体の30%、爬虫類1677種で全体の28パーセントが絶滅危惧種に指定されている。

この生態系の危機は、人類の繁栄が引き起こしたようだ。

国連によると、2010年の世界の全人口は69億人、1970年の約2倍になった。

増加のスピードは衰えず、2050年には91億人に達するという。


人口増に伴い、食糧の需要も急増。

2010年の米、トウモロコシ、小麦などの穀物需要量は22億トンで、1970年の2倍の水準だ。

食糧増産のため灌漑が進んだ。

世界の灌漑耕地面積は1970年の約1億7000万ヘクタールから、2008年には約3億ヘクタールに増えた。

耕地面積全体で見ると、地表の12パーセントに及ぶ。


農業には大量の水が必要だ。

河川や湖沼などからの取水量は約4400立方キロリットルで、20世紀初頭の約8倍にまで増大している。


国連事務総長が「最悪の環境破壊」と呼んだ中央アジアのアラル海は、灌漑がひきがねとなり、干上がっている。

中国黄河では水を取りすぎ、河川の水が河口まで達しない断流も起きた。


食糧問題は海にも及ぶ。

蛋白質源として魚の需要が増大している。

タラやスズキなどの大型魚の漁獲量は、北太平洋だけでは半世紀で3分の1になったという。

世界の食用の漁獲量は、年間約6000万トン。

1980年代までは増え続けていたが、漁業資源の枯渇から現在は養殖が増えている。

東南アジアでは、エビの養殖場を作るためにサンゴ礁やマングローブが壊された。

それが津波被害を拡大する原因にもなっている、と指摘されている。


FAOによると2000年からの10年間に毎年520万平方メートルの森林が失われている。

農地への転用などで消失した森林は、年間1300万ヘクタール。

世界一の熱帯雨林アマゾンをっ帰る南米では年間400万ヘクタール、アフリカでは年間340万ヘクタールの森林が失われている。

いずれも生物種が豊かな地域、ホットスポットだ。


人口は都市部に集中していく。

国連によると2009年に初めて都市人口が農村人口を上回った。

2050年には、世界人口の3分の2が都市で暮らすと予想される。

エネルギーの消費の増大も目立つ。

BPの統計では1965年の世界のエネルギー消費は原油換算で約40億トンだったが、2008年には110億トンを超えた。

こうした化石燃料の大量消費により、大気中の二酸化炭素の濃度は上昇を続ける。

平均気温は上昇カーブを描き、高地や極地の氷河は年々減っている。

「気候変動に関する政府間パネル」の報告書によると、CO2の排出がこのまま増えれば、今世紀末までに地球の平均気温は最大6・4度上昇する可能性がある。

平均気温の上昇が1,5~2,5度を超えると動植物の2~3割で絶滅リスクが高まるとも予測されている。


動物や植物は地球の表面だけで生きている。

海の深さは最大で10キロほど。
地球を直系1メートルの球とすれば、1ミリ弱でしかない。

人類もその薄皮のような生物圏で生まれた。

長い間動物の一種として控えめに生きてきたが、最近になって大きな力を手に入れ、地球の表面を荒し始めた。

その結果として起きているのが温暖化、生態系の破壊、砂漠化、海の汚染。

今私たちの目の苗にある地球環境問題である。


人間の破壊パワーが一気に大きくなった時期は3回ある。

1回目は約1万年前に農耕牧畜生活に入った時だ。

生産力が上がり、古代文明が誕生した。

人口も増え森が農地に代わった。


2回目は18世紀後半からの産業革命。

化石燃料を手にして、産業活動が一気に拡大した。


3回目は20世紀だ。

産業革命の続きだが、特別な100年間と考えざるを得ない。

人間活動の規模が爆発的に膨張し、地球の浄化能力を超えて汚染が広がった。

人口は16億人から61億人に、穀物生産は約7倍、鉄の生産は約30倍になった。

海が埋められ、道路や巨大都市が建設される。

地球の表面は私たちの人生でも実感できる速さで変貌している。

それを支えるエネルギー消費がいかに激しいか。


石油は主にジュラ紀など恐竜時代にできた。

1億年もの間、地下に眠っていた資源を人類は2~300年という「一瞬」で使い切ろうとしている。

誰もがこんな時代が続くはずがないと思っていたが、問題への本格的な取り組みは1990年頃の冷戦の終焉を待たなければならなかった。

核戦争の恐怖が消えたことで、地球環境問題が世界共通の脅威として認識されるようになった。


1988年の秋の国連総会で、当時のソ連外相が、転換期を象徴する歴史的な演説をしている。

「我々は開発活動によって、ソビエトの生命の基盤である環境が破壊される現実に直面している。

この脅威の前では、軍事に基づく国家の安全保障は時代遅れだ。

生物圏として見れば、国境に意味はない。

すべての人たちは同一の気候システムを共有している。

軍事力に基づいた東西対立の安全保障観から、生態系に基づく地球規模での安全保障観への転換が必要だ」。


世界の動きは早かった。

1992年には「生物多様性条約」と「気候変動枠部位条約」ができた。

地球環境保護の、双子の条約である。

「持続可能な開発」を問う新しい環境哲学も産み出された。

乱開発を止めて生態系のバランスを守る。

化石燃料の使用を減らして温暖化を止める。

突き詰めれば、二つの条約には、住みよい地球を取り戻すためにしなければならないことが集約されている。


ただすでに、地上面積の1割が耕地になった。

灌漑に水を取られて川は細り、乱獲で漁獲量は減っている。

こうした人間活動を一気に止めて、遠い昔の地球に戻すことはできない。

まずは悪化にブレーキをかけ、回復が不可能になるぎりぎりの転換点を回避することを目指す。

二つの条約は人類の反省と知恵から出来た。

21世紀は条約に基づいた行動を強める時期だ。

地球を荒らすのも人間だが、直すのも人間だ。

                   *****


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温暖化で異常気象・干ばつや洪水が日常的に・スパコン駆使し結論・・IPCC報告書

2013-12-01 | 環境(ガイア)


                  ・・・・・

「温暖化で異常気象・干ばつや洪水が日常的に・スパコン駆使し結論・・IPCC報告書」
                            読売新聞2013年9月28日


世界各地で地球温暖化の影響が疑われる異常気象が続いている。

国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が公表した最新の報告書は、「温暖化」の原因を人間活動とほぼ断定する一方、「温暖化」による異常気象が一部ですでに実現化していることを示した。

「温暖化」と「異常気象」がどう関係するのだろうか?

報告書の公表を受け、環境省などが東京で開いた記者会見。

報告書の執筆者の一人でもある東京大大気海洋研究所の大本昌秀副所長は、「異常気象」の増加と「温暖化」の関連について「個別の極端な現象を「温暖化」と直接結びつけるのは難しいが、「温暖化」という背景がないと説明しにくい」と語った。

この夏日本では、高知県四万十市で8月に国内最高の41度を記録したのをはじめ、各地で最高気温が塗り替えられた。

6~8月の平均気温は西日本で平年より1・2度高く、1946年の統計開始以降最高となった。

東日本でも平年より1・1度高く、過去3番目の暑さだった。

木本副所長は、日本の記録的猛暑を振り返り「めったにないことが続けて起こっている。
気候が変わるとこういった現象が増える可能性があり、災害対策を講じてほしい」と話した。



IPCCは、今回アジア・欧州・豪州で熱波の頻度や期間が20世紀半ば以降、増加している可能性が高いと指摘。

その原因として人間が石油や石炭を使うことで起きる「温暖化」を挙げた。

今世紀末には世界中のほとんどの地域で、熱波や豪雨が増える可能性が非常に高いとも指摘している。

5月には米国オクラホマで大型の竜巻が発生。

8月には中国、欧州、カナダで、日本と同じように高温が続いた。

中国やパキスタンでは大規模洪水も起きた。

記者会見で「世界気象機関」のミシェル・ジャロー事務局長は「報告書で検証した多くの証拠が、気象パターンの変化や、熱波、干ばつ、洪水といった極端な気象現象の増加を示している。


この10年の極端な気象は過去にはみられない。

報告は、すでに日常的におきている極端な気象現象が将来どう増えていくか予測を示した」と語った。

気象庁の定義によると、「異常気象」とは、30年に1度程度しか起きない非常に暑い日や寒い日のこと。

「温暖化」がなくても、「異常気象」は一定頻度で起こる。

ある日の気温は、その月の平均気温に近い確率が高いが、平均より暑い日も寒い日もある。

ところが、「温暖化」で全体の気温分布が暑い方に移動すると、より暑い日が増え、記録的に暑い日も増えるようになる。

IPCCが指摘するのは、「異常気象」の強さや頻度が大きくなる長期的な傾向のことで、今年の夏の猛暑といった個別の現象を示しているわけではない。


「スパコン駆使し結論」

「温暖化」が人間の活動によるものかどうかは、温室効果ガス削減対策の必要性に直結する。

IPCCは、人間活動が「温暖化」をもたらした可能性は95%以上だと指摘した。

その基礎になったのは、過去の気温や降水量、温室効果ガスの濃度などのデータに基づき、スーパーコンピュータの中に実際の地球をそっくり再現する手法だ。

この手法でスパコンの中に,温室効果ガスが増える地球と増えない地球を再現する。

地球が過去に経験した気温上昇は、温室効果ガスを増やした地球でしか再現されない。

これが、人間活動が温暖化を招いている根拠だ。


現在よりさらに温室効果ガスを増やしていくと、将来の地球が再現される。

基本は日々の天気予報を導き出す手法と同じだが、遥かに長い期間の計算が必要なため、世界中の研究チームが開発した計算方法を比較して精度を高めている。

今回の報告書作成の過程では、IPCCの信頼回復にも重点が置かれた。

前回報告が「ヒマラヤの氷河が2035年までに消滅する」といった誤った内容を含んでいたことで、信頼を大きく失墜したためだ。

IPCCは、報告書原案の段階でより多くの研究者が査読できるようにした。

IPCCのラジェンドラ・パチャウリ議長は「今回の報告はより慎重な検討を重ねてまとめた」と語り、信頼が取り戻せたとの認識を示した。

                ・・・・・


平成25年9月27日に内閣府から発表された「IPCC第5次評価報告書の結論」は下記になります。

  
               ・・・・・


3.第5次評価報告書 第1作業部会報告書の主要な結論

観測事実

・ 気候システムの温暖化については疑う余地がない。

1880~2012年において、世界平均地上気温は0.85(0.65~1.06)℃上昇しており、最近30年の各10年間の世界平均地上気温は、1850年以降のどの10年間よりも高温である。

・ 世界平均地上気温は数十年にわたって明確な温暖化を示しているが、その中には、概ね十年程度の周期での変動や年々の変動もかなり含まれている。

過去15年(1998~2012年)の世界平均地上気温の上昇率は1951~2012年の上昇率より小さい。

・ 1971~2010年において、海洋の上部(0~700m)で水温が上昇していることはほぼ確実である。

・ 1992~2005年において、3000m以深の海洋深層で水温が上昇している可能性が高い。(新見解)

・ 海洋の温暖化は、気候システムに蓄えられたエネルギーの変化の大部分を占め、1971~2010年の期間ではその90%以上を占めている(高い確信度)。

・ 過去20年にわたり、グリーンランド及び南極の氷床の質量は減少しており、氷河はほぼ世界中で縮小し続けている。

また、北極の海氷面積及び北半球の春季の積雪面積は減少し続けている(高い確信度)。

・ 19世紀中頃以降の海面水位の上昇率は、それ以前の2千年間の平均的な上昇率より大きかった(高い確信度)。(新見解)


温暖化の要因

・ 人間活動が20世紀半ば以降に観測された温暖化の主な要因であった可能性が極めて高い。

・ 1750年以降の二酸化炭素の大気中濃度の増加は、地球のエネルギー収支の不均衡に最も大きく寄与している。

太陽放射は20世紀にわたるエネルギー収支の不均衡にほとんど寄与していない。

・ エーロゾルの排出や、エーロゾルと雲との相互作用による放射強制力は、地球のエネルギー収支の変化の見積もりやその解釈において、最も大きな不確実性をもたらしている。


将来予測

・ 1986~2005年を基準とした、2016~2035年の世界平均地上気温の変化は、0.3~0.7℃の間である可能性が高い(確信度が中程度)。

             ・・・・・


温暖化については、諸説ありますが、これは今年度発表のIPCC「真説・温暖化説」です。

私は、IPCCの将来予測を見ると、仮説を論証しているにすぎないような気もするのですが、とりあえず一つの人類への予言であると考えます。

現在、人間の活動により、地球は温暖化を進みつつあるが、現在は海底の温度により、急激な気温の上昇はおきていない。

しかし海底の深部では温度が上昇しており、しかるべき期間の後、地球の気温はさらに上昇するであろうということのようです。

そして、将来は、陸地の氷河の氷解により、水面が上昇して、地形が変動し、異常気候が頻発するということが予言されています。



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都会が暑い・植生に異変も・・「ヒートアイランド現象」に有効な対策ない

2013-11-27 | 環境(ガイア)

   

すっかり晩秋らしいこの頃ですが、今年の夏は暑かったことを思い出します。

シュロが茂る東京なんて、、全国で熱中症で救急搬送された人が6万人近いなんて、、ちょっとどうかと。。

      
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「都会が暑い・植生に異変も・・「ヒートアイランド現象」に有効な対策ない」読売新聞2013年10月14日


今年の夏は暑かった。

だが都会では気温を更に押し上げる要因がある。

絶海の孤島のように、周囲より気温がぽつんと高くなる「ヒートアイランド現象」だ。

大阪・名古屋両市では、この8月、過去5年間で最も大きな影響が現れた。

東京でも、ビルに囲まれた国立科学博物館付属自然教育園(港区)で植物生態に変化が起き始めている。

増えるシュロ



JR目黒駅から徒歩7分の自然教育園は、東京ドーム4つ分に相当する約20ヘクタールの敷地に手つかずの自然が残る。

だが園内の一面で、かつての武蔵野の面影が消えつつある。

ヤシ科の亜熱帯植物シュロが繁り、頭上を被うほどになっているのだ。

あえて南国情緒を漂わせているわけではない。

「1949年の開園当時にあったのは数本。
それがどんどん増えてしまって・・」。

同園の萩原伸介特任研究員は表情を曇らせる。

同園の2010年の調査によると、シュロの数は高さ1・7メートルに成長したものだけでも2324本ある。

80年代から急速に増え続け、今や園内で最も個体数の多い樹木になってしまった。

原因は都市化に伴う「ヒートアイランド現象」だ。

シュロの芽は土壌が凍結すると水分を吸えなくなり枯れてしまう。

だが85年以降、同園では1年を通じて土壌凍結は確認されていない。

このため中国南部からベトナムが原産地とされるシュロの芽が越冬できるようになったのだ。

増え続けるシュロをどうするか。

全域が国の天然記念物に指定されている同園では、植生は現状維持が基本だ。

その現状が「ヒートアイランド現象」でどんどん変わってきている。

このままでは本来生息していた植物にも悪影響が及ぶと判断した園は今年、100本以上のシュロを抜いた。

だが荻原研究員の悩みは深い。

「植物は適者が生存するしくみで、今の東京の気温はシュロに適している。

この現実を受け入れなくてはならないのでしょうね」。



都内で3度上昇

国連の「気候変動に関する政府間パネル」が9月に発表した報告書では、世界の年平均気温は1880年から2012年までに0・85度上昇。

だが東京都内では3・41度も上昇しており、この差の大部分が「ヒートアイランド現象」の影響だと考えられている。

「ヒートアイランド現象」はなぜ起きるのか?

その要因として水分を含む緑地の減少、ビルの増加、自動車やエアコンの室外機からの排熱などが挙げられる。

コンクリートのビル、アスファルトの道路は太陽光で加熱されやすく、日没後は地表から放射される赤外線を吸収して熱を保つ。
3大都市圏で熱帯夜が増えているのはこのためだ。

気象庁は5年前から、都市部でビルなどの人工物がなかった場合の気温をコンピュータで推測し、これと実際の気温とを比較することで「ヒートアイランド現象」による気温の上昇を調べている。

それによると今年8月の月平均気温は大阪で医2・3度、名古屋で2・2度高く、この五年で最も影響が大きかった。

東京都心でも1・6度高かった。

内陸部の埼玉県熊谷市などで猛暑になるのも、「ヒートアイランド現象」で温められた都心の空気が、涼しい海風を遮る影響も大きいという。

さらに言えば、注目すべきは冬だという。

大気が対流せず熱がこもるため、夏より影響が大きい。

同庁によると、都内の今年の1月の平均気温は、この100年で約4度も上昇した。

有効な対策はない。

建物を壊して森林には戻せないし、屋上緑化は太陽光パネルと競合する。

せめて熱中症にならないよう、私たち一人一人が気を付けるしかなさそうだ。

環境省は今夏、「熱中症予防情報サイト」の予測地点を昨年の約6倍にあたる841地点まで増やした。

サイトへのアクセス件数は1000万件を超えたという。


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国立自然教育園HP


熱中症の搬送者は58900人に上りました。
      
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「猛暑で熱中症5万8729人 過去最多搬送、死者は10年から大幅減 今年6~9月」
「msn産経ニュース」2013.10.16 00:01 http://sankei.jp.msn.com/life/news/131016/bdy13101600030000-n1.htm

国内観測史上最高の気温41.0度を観測した高知県四万十市。
3日連続で40度を超えた。

猛暑だった今年、熱中症で搬送された人は5万8729人(6~9月)で、同期間の集計を始めた平成22年以降、最多だったことが15日、総務省消防庁のまとめで分かった。

死者は88人で、最多だった22年の171人から大幅に減少、逆に軽症者は4千人以上増えた。

消防庁は「広報活動を通じ、早めに救急車を呼ぶなど熱中症への理解が深まった」とみている。

搬送者全体の年齢別では65歳以上の高齢者が全体の47・4%を占めた。

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wikipedia「植生」より

植生(しょくせい)とは、地球上の陸地において、ある場所に生育している植物の集団である。

地球上の陸地は、砂漠などの極端な乾燥地域や氷河地域を除いて、何らかの植物被覆で覆われている。

そこに見られる植物被覆のことを植生という。

この植生は、気候や土地条件の違い,あるいは人為的な作用の加わり方の違い、場所によりけりで森林や草原、耕作地、植物のごく少ない荒原などとなる。

このようにその場の植物のありようによって、その場その場の景観ははっきりと特色づけられる。

そのためこれを把握する場合、植生もしくは植被と呼んでいる。



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