始まりに向かって

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大洪水の記憶・・ナバホ族の神話(終)

2013-09-11 | 北米インディアン


ナバホ族の神話のご紹介を続けます。

リンクは張っておりませんが、アマゾンなどでご購入になれます。

「聖なる人々」の援助を得て、第四の世界の、初めての人々は、襲い来る危機に立ち向かいます。


               *****


             (引用ここから)


次の瞬間、入口が閉まるか閉まらないかのうちに、外の水が押し寄せる激しい音が聞こえてきた。

水は勢いを増して高くなった。

しかしアシの方がそれよりも早く伸びた。

あんまり高く伸びたので、自分たちの体の重みでアシが破裂するのではないかと皆が心配したほどだった。

幸いにも「聖なる人々」も一緒だった。

アシはまだ伸びていった。

暗闇が迫る頃には、アシは空の頂上までグーンと伸びていた。

あんまり傾いでゆらゆらするので、一番上の方にいた「黒い身体」が自分の頭飾りから一本の羽毛を抜き取り、アシと空のてっぺんとを結んだ。

今もアシに羽毛のような穂があるのはこのためだと言われている。

皆はアシの中に一晩中いた。


次の日、空が白くなると、外を見たが、空への出口をみつけることはできなかった。

セミが空のトンネル掘りに行かされた。

彼は空の向こう側にある、上の世界まで穴を掘った。

そしてそこから大きな湖の真ん中にある小さな島に出た。

足を地面につけた瞬間、鳥が二羽近づいてきた。

そしてセミが勇気試しに勝ったので、鳥たちはいなくなった。

セミが作った空の出口はあまりにも小さくて、大人には通り抜けられなかった。

そこでタヌキが、穴を広げるために送られた。

仕事を終えて帰ってきたタヌキは「第四世界」を被う空のドームの内側の泥で足をドロドロにして帰っ
てきた。

それ以来タヌキは黒い足になったと言われている。


やっと「最初の男」と「最初の女」は、空の出口から皆を連れ出すことができた。

こうして皆無事に「第五世界」の表面に辿り着くことができた。

しかしこれらのことはみな、遠い遠い昔に起きたことだという話だ。


「第五世界」

島があり、それを取り巻く湖があった。

そして湖の縁を高い崖が囲んでいた。

岸の頂上からは広い平原が四方に広がっていた。

最初人々は、島からどうやって湖を渡って岸へ行くか分からなかった。

それで「青い身体」 を呼んで助けてもらった。

彼は湖の底が見えるくらいに、水を減らしてくれた。

それで島から向こう岸へ行く道が出来た。


            (引用ここまで)


             *****


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