前回の続きで、フランク・ウォーターズ著「ホピ・宇宙からの聖書」から、蛇とカモシカの祭りの紹介を続けます。
リンクは張っておりませんが、アマゾンなどでご購入になれます。
*****
(引用ここから)
こうしてあたりが暗くなる中、踊りは一種の催眠的魅力の中で続けられる。
蛇を口にくわえて踊るこの男たちには、何一つ興奮した様子は見られない。
ただ神秘に深く閉ざされたていることを暗示する不思議な威厳と、彼らを包んでいるように見える謎めいた力が感じられるのみである。
聴きなれない音をかすかに立てる貝殻は、母なる水が来て地を満たしてくれるよう訴えている。
カモシカ族の歌は、雲が四方から集まり、雨を降らせることを歌っている。
この踊りは二つの宇宙的な極の結合であり、体の心霊中枢全体を充電しなおし、人と地球両方の生命エネルギーを一新する、あの神秘な雨を解放する儀式なのである。
黄昏になる。
天の闘いは終わりを告げ、空は低くたれこめた雲で覆われている。
そこからわずかばかりの雨滴が落ちてくる。
それで十分である。
蛇は解き放たれ、祝福され、地の四方に「全生命を一新せよ」とのメッセージを携えて行く。
蛇・カモシカ祭りはウウチムに始まり、笛祭りへと続く一年の周期の中でも、最後の中心的な祭りである。
それは盛大であると同時に、微妙な意味を担っている。
というのも、最初の3つの祭りが“創造の3つの面”を象徴し、次の2つの祭りが“生命の道の上での進化発展”を象徴するものであるとすれば、
「蛇・カモシカ祭り」は、“過去を通り越して永遠に向けた今から”が、そのテーマであり、
客体化された宇宙ではなく、人間自身のたましいという空間宇宙が、その舞台になっているからである。
その意味は見る人によって違ったものに映るかもしれないが、人間に内在する宇宙的な力がいかに制御され、この物質世界に現れうるものかを示すものである。
(引用ここまで・終)
*****
蛇祭り、スネークダンスを見たことはないですが、どこかで見たことがあるような気がしてしまいます。
それは古今東西の蛇に関する習俗への混同した印象なのだと思いますが、ヘビと人類がどのような関わりがあるのか、大変心ひかれる思いがします。
おそらく、“ヘビを統御する”ということには、人類共通の意味があるに違いなく、ヘビと人には相当深い関わりがあるのではないでしょうか。
ホピにおいては、ヘビを統御する「ヘビ使い」は、“カモシカ”として表現されているということだろうと思います。
カモシカは、二本の大きな角のある動物ですが、それが人間の宇宙的なマジカルパワーの源泉であるとされます。
毒ヘビの「破壊的な力」と、それをを統御する二本角のカモシカの「叡智」。
このどちらの力をも持っているのが、生きている人間であり、人間であることの神秘を味わうことが世界とグレートスピリットへの敬意である、ということなのでしょうか。
この本の著者フランク・ウォーターズは別の個所で、「ホピはおそらく宗教団体だったと思われる」と述べています。
マヤ族と同祖の、とある宗教団体だったのだろうか、などと思ったりします。
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蛇を口にくわえて踊るこの男たちには、何一つ興奮した様子は見られない。
ただ神秘に深く閉ざされたていることを暗示する不思議な威厳と、彼らを包んでいるように見える謎めいた力が感じられるのみである。
聴きなれない音をかすかに立てる貝殻は、母なる水が来て地を満たしてくれるよう訴えている。
カモシカ族の歌は、雲が四方から集まり、雨を降らせることを歌っている。
この踊りは二つの宇宙的な極の結合であり、体の心霊中枢全体を充電しなおし、人と地球両方の生命エネルギーを一新する、あの神秘な雨を解放する儀式なのである。
黄昏になる。
天の闘いは終わりを告げ、空は低くたれこめた雲で覆われている。
そこからわずかばかりの雨滴が落ちてくる。
それで十分である。
蛇は解き放たれ、祝福され、地の四方に「全生命を一新せよ」とのメッセージを携えて行く。
蛇・カモシカ祭りはウウチムに始まり、笛祭りへと続く一年の周期の中でも、最後の中心的な祭りである。
それは盛大であると同時に、微妙な意味を担っている。
というのも、最初の3つの祭りが“創造の3つの面”を象徴し、次の2つの祭りが“生命の道の上での進化発展”を象徴するものであるとすれば、
「蛇・カモシカ祭り」は、“過去を通り越して永遠に向けた今から”が、そのテーマであり、
客体化された宇宙ではなく、人間自身のたましいという空間宇宙が、その舞台になっているからである。
その意味は見る人によって違ったものに映るかもしれないが、人間に内在する宇宙的な力がいかに制御され、この物質世界に現れうるものかを示すものである。
(引用ここまで・終)
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それは古今東西の蛇に関する習俗への混同した印象なのだと思いますが、ヘビと人類がどのような関わりがあるのか、大変心ひかれる思いがします。
おそらく、“ヘビを統御する”ということには、人類共通の意味があるに違いなく、ヘビと人には相当深い関わりがあるのではないでしょうか。
ホピにおいては、ヘビを統御する「ヘビ使い」は、“カモシカ”として表現されているということだろうと思います。
カモシカは、二本の大きな角のある動物ですが、それが人間の宇宙的なマジカルパワーの源泉であるとされます。
毒ヘビの「破壊的な力」と、それをを統御する二本角のカモシカの「叡智」。
このどちらの力をも持っているのが、生きている人間であり、人間であることの神秘を味わうことが世界とグレートスピリットへの敬意である、ということなのでしょうか。
この本の著者フランク・ウォーターズは別の個所で、「ホピはおそらく宗教団体だったと思われる」と述べています。
マヤ族と同祖の、とある宗教団体だったのだろうか、などと思ったりします。
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