始まりに向かって

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「アースマインド」(1)・・この地球は わたしの体

2016-06-28 | 環境(ガイア)



「アースマインド・・地球は人類の廃棄を意図し始めた」という、ポール・デヴェロー、ジョン・スティール、デヴィッド・クブリンという3人の共著の本を読んでみました。

いわゆるガイア理論の本ですが、地球は人類を見捨てたりしない、という懐の深さを感じさせてくれるために書かれた本でもあるようです。

人間たちの社会は、日々騒動が絶えませんが、地球は50億年生き続けてきたのだ、もっと大きな目で世界を眺めてみないか?と語りかけています。

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           (引用ここから)


われわれの現代文明は、記憶喪失に悩む人に似ている。

奇妙な切れ切れのイメージは今も思い出すことがあるが、しかし何にもつながらない、というような。

考古学、人類学、歴史の記録は、部分的ながら、昔の人々の生活を垣間見せてくれる。

遠い古代の人たちが用いた物のなごりや遺跡を見る時、遊牧民族の果てしない放浪時代(旧石器時代・中石器時代)が6000年から10000年前に、いかに突然終わってしまったかを推定することができる。

この頃が、西洋文明の源であるユーラシアに、村落と農業と町が発展した時期なのである。


しかし、地球はその50億年の歴史に起きたすべてを目撃してきた。

そして、我々の祖先にとって、大地はその場所の長い記憶に満ち溢れていて、そこでは人間・霊魂・神と鉱物・植物・動物の三界のドラマが繰り広げられていた。

最近になって、鉱物が、エネルギーを転換したり、さまざまな方法で意識を貯える結晶体の力を持つことが改めて注目されはじめている。

大地に身を寄せて生きる、古代の伝統を守る人たちにとっては、今でも、普通の岩も記憶を記録し、意識に反応するのであるという。


ホピ・インディアンのクロード・クワニフワは、

             ・・・

人間だけが記憶を持っているのではない。

地球は記憶する。

石が記憶する。

聞き方さえわかれば、彼らは多くのことをあなたに話してくれるだろう

                ・・・

と述べている。


ニューヨーク州のセネカ・インデアンは「しゃべる石」の伝説を持っている。


                ・・・

ある日、孤児が森の中をさまよっていた

彼はおばあさんといっしょに住んでいた。

おばあさんの言いつけで、毎日食物を狩りに出た。

その日、彼は狩った鳥を背に背負っていた。

少年は弓矢が得意だった。

川に出た時、彼は疲れきって地面に座り込んで、あぶったトウモロコシの包みを取り出した。

それを食べながら目の前にある大きな岩をみつめていた。

岩は声をきいた。

「昔の話を聞きたいか?」

少年はあたりを見回した。

誰も見えなかった。

再び声が聞こえた。

今度は他の崖の方を見た。

その声はどうも目の前の岩からきているようだった。

三度目の声がした。

「過ぎ去った日々の伝説を話そうか?」

少年は立ち上がった。

崖の頂上に登り、しゃべりかけてくる声に向かった。

そして岩霊がしゃべり始めた時、彼は驚異のうちに黙って座った。

「これは人間と動物が兄弟のように生き、お互いの言葉が理解できた時代に起きたことだ。

いいかね?」


次から次へと物語が語られ、最後には日が西の空を真っ赤に染めた。

その時、岩霊が言った。

「さあ、鳥を置いて帰り、明日戻って来るとよい」。

翌朝、同じことが起き、少年は更に森の奥へとは入っていき、そのまま夜になっても村には戻ってこなかった。

しかし少年は毎日話を聞きに、岩霊の元に行った。

岩霊の話には終わりがないようで、そのつど少年は感謝の供え物を残した。


ある日、岩霊が言った。

「私の話は終わった。忘れないように、みんなの所に戻り、話してやりなさい。

少年は少年時代を過ごした村に戻った。

その夜、たき火の周りに村民が集まった時、少年はみんなの前に立ち、話し始めた。

どんどん彼は話し続けた。

「しゃべる岩」から聞いたとおりに、物語を次から次へと語った。

村民は耳を傾け、真剣に聞き入った。

そして誰も眠らなかった。

その時から、少年の口によって、過去の知識のすべてが伝えられた。


              ・・・


岩霊は命、感情を有し、記憶を持ち、人間と交信できるのだ。

こうして我々の最も初期の祖先たちは、「意識のある、相互に影響しあう環境」と言える場所に生きていたのである。




生物学者ライアル・ワトソンは、次のように述べている。

「我々の思考や欲望が我々の環境に影響するということを否定するのは、もはや不可能である。

最新の宇宙論は、意識というものを、現実を構成する能動的な要素に含めている。

世界の仕組みについての新しい解釈は、世界中の文字のない人たちの古くからの信仰に、不思議なほど似ている」。


エスキモーには、「魔法の言葉」という言い伝えがある。

            
              ・・・

とおいとおい昔、

人と動物がこの地球に住んでいたとき、

人は望むなら動物になれた。

そして動物も人間になれた。

時には人であり、時には動物であり、

そこにはなんの違いもなかった、

みんな同じ言葉をしゃべった、

言葉が魔法のようだった時代、

人の心は神秘的な力を持ち、

たまたま口にされた言葉が不思議な結果を引き起こすかもしれない、

それは突然生気に溢れ、

そして人が望む通りになった、

ただ口にしさえすればよかった、

誰も説明できない、

なるようになるとしか。


             ・・・

ニューメキシコ州のアパッチ族の英雄はこう言っている。


            ・・・


この地球はわたしの体。

空も同じ。

季節もわたしの体だ。

世界はわたしの体と同じ大きさである。

世界はわたしの言葉と同じ大きさで、

そして世界はわたしの祈りと変わりない大きさである


                 ・・・


古代人の大地との交信は、こうして現在とは完全に違った見方に基づいていると言えるだろう。


古代文化は「外の時間」である、と言ってもいいかもしれない。

それは〝外部の観察者として外の時間から物事を見る”ということではなく、〝それ自身の中でそれ自身の物事を感知する”ということなのである。

「ドリームタイム」の夢の面を創造するのは、〝外の時間にいる”というこの知覚である。

だから夢を見る能力は、生物と無生物、また人間とその他の種の間の交信能力でもある。

この意味で夢を見ることは交差した意識状態に入ることであり、夢を見ているうちにドリームタイムの出来事は、その源に逆戻りできた。




オーストラリアのアボリジニの伝統は、「ドリームタイム」の源を知る手がかりとなる。

アボリジニは4万年の歴史を受け継いでおり、彼らは世界で最も古い文化をもっている。


アボリジニの長老は述べている。

            ・・・


私たちの母なる地球、いとこの鷲、私たちの血の流れる樹木、成長する草、そして水。

それらすべてが、私たちも含めて一つなのだ

            ・・・

            ・・・


私たちの母なる地球。

アボリジニは自然のすべてと特別なつながりを持っている。

自然のものすべて、われわれの一部と見ている。

地球上のすべてのものが人間の部分なのだ。


              ・・・

エリアーデは、

「アボリジニはその土地を歩くことで彼らの先祖のトーテム信仰の生きた記憶を経験する」と記している。

というのも、彼らが大地を憶えていると、大地は彼らを思い出し、こうして彼らはアイデンティティを与えられるからである。


エリアーデは言う。

「古代の人々は、自分達は大地から生まれたという感覚から、その地と宇宙的にかかわっているという感覚を持った。

おそらくその時代には、人間は、自分が人類の一員であるというよりは、むしろ自分の周りの命に宇宙的な意識参加をしていると感じていたと言える。

もちろん彼らは自分の近くに直接の自分の母親がいることは知っているが、同時に自分がどこか遠くから来たことを・・コウノトリか、カエルによって彼女の元に連れてこられたことを・・知っていたのである」。


            (引用ここまで・写真(中)(下)は我が家のユリ)

         
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