昨年の冬の新聞記事ですが、割と典型的な「地球温暖化が起きている説」です。
福島の原発事故が起き、温暖化を避けるためにも化石燃料にたよらないエネルギーとしての原子力を、という説の位置はますます微妙になりつつあります。
最近は、以前に比べて「地球温暖化」が起きているという声は聴かなくなっているように思いますが、実際はどうなっているのかという問題は興味深いです。
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「温暖化すぐそばに 強い台風増加予測」 2013年1月9日朝日新聞
長野県の中央に位置する諏訪湖に古くから伝わる厳冬期の神事がある。
御神渡りだ。
気温が零下10度まで冷え込んだ日が通日続くと、湖面が全面凍結する。
その氷が昼夜の気温の差で膨張と収縮を繰り返した結果、大きな音と共に高さ30~60センチの割れ目が、筋となって湖面を走る。
昔の人たちはこの筋を、諏訪大社上社の男神が下社の女神のもとに通った道筋として「御神渡り」と名付けた。
筋の方向から、農作物の作柄を占うなど、五指の御神渡り亘理の廃刊は矢剣神社の神事となっている。
諏訪市博物館によると、最初の公式記録は1397年。
しかし、近年その記録に異変が現れている。
高度経済成長が始まった1950年代から出現が減り始め、地球温暖化が注目され始めた90年代からの23年では7年しか観測されていない。
八釼神社では「17世紀は御神渡りができなかった年は1年しかないほど、かつては毎年繰り返されてきた。
今でも寒い年は御神渡りは出現するが、減っているのは温暖化のためだと思う。どうやって神事を守っていけばいいのだろうか」と語る。
岩手間花巻市の山中では、滝が凍って、高さ13メートルの巨大な氷柱が出現する。
たろし滝だ。
昔から氷柱の太さで作柄を占ってきたといわれる。
しかしここにも温暖化の影がしのびよっている。
温暖、暖冬で氷柱が育たずに崩落し、測地できない年が増えているのだ。
近年の気象上昇について、「国連の気候変動に関する政府間パネル」は、人間活動による温室効果ガスの増加によってもたらされた可能性が非常に高いとしてきしている。
世界気象機関によると、2012年は観測史上9番目に暑い年だった。
気温を下げる効果があるラニーニャ現象が起きていたが、世界各地で更新を記録、WMOは温暖化などの気候変動が要因とみる。
人間の活動による気温上昇は、自然現象をしのぐまでになりつつある。
WMOが1~10月のデータを分析し、同年11月に発表した。
12年の10か月の地球表面の平均気温は1961~90年までの平均気温より約0.45度高かった。
北極の氷は過去最少の341万平方キロまで減少。
これまで最小だった2007年より2割近く小さかった。
12年は世界各地で極端な気象が頻発した。
ロシアでは、10年に次ぐ観測史上2番目に暑い夏となった。
米国は干ばつや記録的な熱波に襲われた。
ニジェールやチャドなど西アフリカでは洪水、中国では豪雨で苦しんだ。
温暖化だけではない。
ロシア東部ではマイナス45~50度、東欧や北欧でもマイナス数十度の猛烈な寒波に見舞われた。
日本の海洋研究機構などの研究で、北極海の氷が夏に大きく減ることは、日本やこれらの地域が冬に寒くなる一因だと分かってきた。
温度上昇による海水面上昇も深刻だ。
国連の「気候変動に関する政府間パネル」の第4次報告によると、1993~2003年には熱膨張で年間約1.6ミリずつ海水面が上がった。
氷河や氷床が溶けたことなどに加え、人間が汲み上げた地下水の流入の影響が大きいことも判明した。
海水面の上昇は、標高の低い海辺の地域や国に深刻な影響を与える。
イタリアやオランダなどの先進国は、堤防や運河をつくることなどで高潮や洪水による被害を防げても、途上国やちいさな島国では、避難や移住を余技なくされる。
IPCCは気候変動が進行すると、強い台風が増える可能性を予測している。
農作物や畜産への、深刻な被害が出る恐れがある。
9月に九州などをおそった台風16号は、フィリピンや朝鮮半島でも洪水や土砂崩れを引き起こした。
気候変動の影響を抑えるには気温上昇を2度以内にすることが必要だとされる。
しかしWMOによると、11年の地球の温室効果ガスの濃度が過去最高値を更新した。
地球規模での速やかな対応が、強く求められている。
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