トケィヤー氏の「ユダヤと日本・謎の古代史」のご紹介を続けます。
40年前に書かれた本です。
リンクは張っておりませんが、アマゾンなどでご購入になれます。
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(引用ここから)
サミュエル・グリンパーバーグというラビはヨーロッパ系のユダヤ人で、現在イスラエルに住んでいる。
このグリンバーグの個人的な学説によれば、ユダヤ人と日本人は同じ起源を持つ民族であるという。
彼は過去10年以上、このための資料を広く各地に求めているのである。
彼は、多くの日本側の文献をヘブライ語に翻訳している。
また古代日本の歴史も研究し、それを古代ユダヤの歴史と比較している。
このラビ・グリンバーグは、基本的には伝説を一般的な形で述べることをしている作家である。
彼は「ユダヤの失われた10種族」は、シルクロードを経てアジアに渡り、日本人の祖先になったと信じている。
だから、現在の日本文化にはユダヤ起源のものがあると信じているのである。
しかし日本人は自分の文化の中に含まれるユダヤ的特徴についてあまり注意をはらっていない。
それは、日本人が古代ユダヤ文化に関する理解が少ないからであると彼は信じている。
グリンバーグの説によれば、「神道」という言葉自体、ヘブライ語の起源から由来するものであるという。
「神道」という日本語は、古代ヘブライ語の「種族」という意味だと彼は説明する。
オリジナルとなったヘブライ語は「シフト」であるというのである。
グリンバーグもまた、「ユダヤの失われた10種族」のうちのガド族が日本に辿り着いたと考えている。
これは日本の佐伯好郎教授(景教の研究者)が指摘した「ミカド」が「ミ・ガド」から由来するという説と一致するわけである。
ヘブライ語で「ミカド」の「ミ」は「~から」という意味で、英語で言えば「フローム」である。
つまり「ミカド」がもしヘブライ語であるとすれば、「ガド族の子孫」という意味になるわけである。
また彼の説によれば、古代ユダヤ民族たちは各地で多くの迫害にあった。
当時の一般民衆は、自分達と風俗習慣の違う少数民族の存在を非常に嫌ったのである。
この関係は現在も同じことである。
そのために、古代から、ユダヤ民族ははるかかなたの地まで、住みよい土地を求めて移住したのである。
こうした放浪のユダヤの一種族が日本列島に棲みついたのであろうと、グリンバーグは述べている。
また彼は、日本の皇大神宮に納められている「八咫鏡」についても注目している。
その理由は、古代ユダヤ民族においても鏡は神聖視されていたからである。
それは清浄さの印であり、神に対する信仰心の証でもあった。
鏡によって示されたシンボルは、日本の神道においてのシンボルのもつ意味と全く同じであるからである。
また彼は、古代日本民族の「弓月の民」は、「旧約聖書」に述べられた「アイザック」の別名であろうとも考えた。
そして日本語でいう「お札(おふだ)」は古代ヘブライ語の「エフォッド」から由来していると考えた。
これは山伏が胸につけているような一つの胸当てであって、古代ユダヤの僧侶たちが常に付けていたものの名称であろうとも述べている。
さらに面白いのは、彼の説によれば、日本の古代の都である「平安京」という名は、「エルサレム(イエルサレム)」というユダヤ語の意味から名づけられたのではないかとも推測している。
古代ヘブライ語で、エルサレムの「イエル」は「都市」の意味であり、「サレム」は現在の「シャローム」つまり「平安・平和」という意味である。
だからエルサレムは「平安の都」である。
グリンバーグは、日本人の性格とユダヤ人の性格との共通点についても指摘している。
親への尊敬の念、がんこさ、献身を忠実に守る点、集団の中における適応力など、共通な性格的特徴であるとも指摘している。
神道に偶像が存在しないという点も、古代ユダヤにおいて偶像が存在しなかったことと同じだと指摘している。
また祭の様態、死に対するタブーがあること、みそぎ、塩を使う習慣、菊の紋を用いていること、などの共通点を列記している。
更に長い歴史の経過を経ても、日本人は日本人としての主体性を保存しているし、ユダヤ人は歴史的な迫害にも関わらずユダヤ民族の主体性を保存し続けている。
このような特徴もまた、両者の共通点と考えてられている。
他の民族はすべて他の文化に飲み込まれ、民族としての独自性を失ってしまったが、日本人とユダヤ人だけは違っていた。
これらが彼の論文の内容である。
(引用ここまで)
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2007年に、同じ著者トケィヤー氏が、中丸薫氏と対談している本が出ています。
タイトルは「日本とユダヤ・魂の隠された絆・・日本人の霊力を呼び覚ますユダヤ人の叡智」
冒頭部分は次のように始まっています。
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(以下引用)
「古の日本にかつて起こったこと、それは「歴史喪失」である」
○中丸
私は、最近京都に行きました。
松尾大社などを見てきたのですが、その時、説明してくださったおじいさんがいたのです。
「ここは石の庭園で中国式です」などといろいろ教えてくださいました。
そのあと私は、
「ここは秦氏一族は関係ないんですか?」と聞いてみたんです。
すると「ええ、関係ありますよ」と答えるんですね。
また私が、
「秦氏はシルクロードを通って、中国にやってきて、さらに朝鮮半島を通って日本にやってきましたが、もとはユダヤの人々じゃないでしょうか?」と聞きますと、
「そうなんです」と。
そこから話が進みまして、
「松尾大社はお酒の神社、お酒の神様を祭っているんです」といった話になりました。
そこは水もいいので、いいお酒ができるんだそうです。
秦氏はユダヤの人々なので、ビジネスもよくおできになる。また、
「お酒とか、京都の西陣織などの織物も、秦氏が作ったものなんです」と説明してくれました。
さらに、「米どころ・・お米の生産なども秦氏が発展させたんです」ということでした。
「すると彼らはものすごい財力をもっていたわけですね?
「結果的には、法隆寺も、広隆寺も、下鴨神社も、上鴨神社も、また京都の太秦一帯なども、みな秦氏の財力や宗教、文化に関係がある」
と、そんな話をしました。
「とくに日本の神社はユダヤと深い関係があるようですね。
おそらくイスラエルの12部族の中の失われた10部族が、まず日本に入ってきて、物部氏とか日本神話の中心的氏族になっていったに違いない。
さらに秦氏も、何派にも分かれて日本に入ってきたようですね」。
そうしたことが、私も最近非常に分かってきました。
ところが日本では、ある勢力がそうした事実をねじ伏せてきたわけです。
たとえば蘇我氏一族。
彼らは自分達も朝鮮半島の百済からやってきましたが、どうも過去を消したかったようです。
仏教派の彼らは、「古事記」・「日本書紀」の成立以前から日本に存在していた歴史書を、焼き払ってしまったのです。
蘇我蝦夷は、自殺する前に朝廷図書館に火をつけてしまいました。(645)
そのために、日本の歴史があたかも「古事記」・「日本書紀」から始まっているみたいになってしまいました。
それで、つじつまが合わないところがたくさんあります。
隠された部分がずいぶんある、と思うのです。
やはりシルクロードを通って渡来人がたくさん日本に入ってきていますから、日本人は決して単一民族ではないわけです。
様々な血が混ざり合っている。
今日の2人の話から、本当の日本の歴史というものを少しでもお知らせしていければと願っています」。
(引用ここまで)
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トケィヤー氏の本は非常に読みづらいのですが、こちらは、中丸氏がバッサバッサとまとめて進行してゆくので、たいへん分かりやすくなっています。
しかし書かれていることはやはり、難しいです。
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