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世にも恐ろしい病気・・2

2015-06-12 05:42:53 | ハンセン病
らい病は漢字で書くと「籟」と書きます。
本当はヤマイダレが付くのですが・・・

ヤマイダレの下には「頼る」という字があります。
らい病患者は、自力で生きる事は出来ません。
全て他人に頼らなければ生きては行けないのです。

らい病にかかった家族(主に若い人)を、
家族は土蔵に閉じ込めて、食事だけを与えて生かしていたりもしました。
らい病にかかった身内が居ると近所の人に知られると、村八分になってしまうのですから。

らい病の恐ろしさは、皆が何となく分かっていて、
誰しもがそんな患者が居ようものなら近づかないし、何とか排除したかったのです。

家族から友人から見放されたらい病患者は、仕事に就く事などあり得なく、
四国八十八か所巡りのお遍路さんとなって、さ迷いながらやっとの事で生きていったりしました。
そうやっていれば、少なくとも世間の人は同情的で食べ物をくれたりしたのです。
まさに「人に頼って」・・頼らなければ生きられなかったのです。



らい病は洋の東西に係わらず、古くから存在し人類を悩まし続けた病気です。
まるで治療法が無く、その結果の恐ろしさに人々は恐れ慄くばかりだったのですから。

まことしやかに(人の尻の肉を食べると治る)などという噂があり、
その為に殺されて尻の肉を食べられてしまった事件など存在したのです。
そのくらい治らぬ病気、恐るべき病気だったのです。

古くは戦国武将の大谷刑部・吉継が、らい病患者だったといわれます。
作戦会議の席上で誓いを立てる意味で、皆で茶を回し呑みする場面があり、
皆、大谷吉継の呑んだ茶碗を、呑んだフリをして回避していたのを、
あの石田三成だけが飲み干したとの事で、
大谷吉継は終生、石田三成に忠誠を誓ったそうです。
そりゃそうだろうな~、彼の気持ち判るよな~。


日本では明治40年(1907年)から、らい病患者たちの隔離政策が始まります。
全国で一斉にらい病患者狩りが開始され、
各地に設けられた隔離施設に強制収容されていきます。
それから後のらい病患者たちは、ただ病気だというだけなのに、
まるで囚人扱いで、それは完全に治る病気だと分かってからも続けられ、
隔離政策である「らい予防法」が撤廃されたのは、実に1996年の事でした。

らい病の特効薬(プロミン)は、結核の治療薬でしたが、
試験的にらい病に試してみたら、劇的な効果を発揮したのです。
それは1943年、第二次世界大戦の最中でした。
それなのに、何故、国家は隔離政策を続けたのでしょうか?
53年間という無駄な時間に、どれだけの患者の人権・人生を奪ってしまったのでしょうか?
その責任は償っても償いきれるものではありません。


後編はまた次に、書いていきたいと思います。




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世にも恐ろしい病気

2015-06-11 13:49:52 | ハンセン病
「世にも恐ろしい病気」
さて、皆さんはそれは一体どんな病気だと思いますか?

答を言いましょう。

それは(らい病)今で言う(ハンセン病)です。
今でこそハンセン病とは言いますが、私が初めてそれを知った時は(らい病・籟病)でした。

最初にその病気を知ったのは、小学校低学年の時に母親から聞いたのです。

全身の毛が全て抜け、目玉が無くなり(つまり失明)手足を切断し、鼻がもげ、
指先は変形して曲がってしまい、顔は二目と見られないお化けみたいな顔になり、
要するに人間とは思えないお化けになってしまい、それでも生きているという病気。

世の中にそんな恐ろしい病気があるんだと思い、ゾッとしたのを記憶しています。



らい病(あえてハンセン病とは言わずに)は、
日本では遺伝による病気だと思われていました。
しかし、らい病は遺伝とは無関係の「伝染病」なのです。
しかし、あまりにも潜伏期間が長く(大体10年)なので、遺伝ではないかと
間違って思い込まれてしまったというのが、そもそもの悲劇の始まりでした。

それは、皮膚感染によって伝染します。
赤ちゃんや子供だった時に、親や祖母・祖父といった人から皮膚感染する様です。
それから10年、あるいはそれ以上経ってから、世にも恐ろしい病気はその姿を現わします。
その期間が長い為に、誰から感染したのかが分からないのです。
それが為に「遺伝」といった誤った考えが生まれてしまったのです。
現在でもらい病は日本でも年間10人以下が発病します。
ですが、現在は特効薬(プロミン)がありますから、心配はありません。

らい病は主に、南の熱い地方に存在します。
ですから北海道だとか北欧といった国には有りません。
日本でも、九州や沖縄などにしか発病しません。
ですが、世界中となると、まだまだその恐ろしい醜悪な後遺症に人間を奪われてしまう人はまだまだ居るのです。
インド・ブラジル・アフリカといった国では、まだ消滅した病気ではないのです。

らい病に効く薬としては、
以前は、長い間(大風子油)というのがありました。
しかし、それは気休め程度の特効薬とは程遠いものでした。

日本でも(らい菌)が人体にとり付いたとしても心配はありません。
らい菌は、体力的に弱った人でしか繁殖しないのです。
普通の体力の人、健康な人では繁殖しないのです。
例えば妊産婦とか、何かの病気を抱えている人とか子供とか。
そういった体力的弱者に繁殖するのです。
その繁殖力は極めて弱く、結核菌などの方がはるかに繁殖力は強いのです。

しかし、一旦感染したが最後、その恐ろしさは他の病気の比ではありません。
人間でありながら人間ではなくなってしまうという、とんでもない事態になるのです。
まず、親兄弟、親戚、といった血縁から見放され、時には戸籍さえ奪われてしまうのです。
要するに(遺伝)迷信があるが為に、血縁関係から切って捨てられてしまうのです。

何で、そこまで毛嫌いされるのでしょう?
それは、人間の残酷な一面を現わしています。
姿形が醜悪な物体は、人というのは耐えられないのです。
美しいものには手放しで感動しますが、その正反対のものは見たくないのです。
そんな人間を生んだ家系は世間から村八分になってしまうのです。
なので、親からも兄弟からも見捨てられてしまうのです。

病気にかかり皆に助けてもらいたい自分なのに、
逆に、親兄弟・親戚・友人など全ての知り合いから絶縁されてしまうのです。
病院も警察も、国さえも誰も助けてくれない所か、
アンタはもう人間じゃないんだよ、と見捨てられてしまい、
それは死んでも・・・死んだ後でさえ誰からの救いは無いのです。
つまり、遺骨の引き取りさえ拒否され、野に捨てられてしまうのです。
何処かのノラ犬やノラ猫が死んだのと変わらないのです。

これほど残酷で、恐ろしい病気など他にはありません。



この続きはまた書いていきたいと思います。

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