私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

歯の根あはず

2011-07-12 11:07:44 | Weblog

 六日の夜になり「こよひもよべのごとく垣根に露宿」とありますから、まだ、その余震が恐ろしくて、家の中に入っては寝てはいなかったのでしょう。垣根の傍に作った露を凌ぐ程度の所に寝起きしていたのでしょうか。暁方になって、今夜も「よべよりすこし大なるが一震ふりつ」。驚いて飛び起き「胸とどろき身ふるはれて歯の根あはず」

 地震発生後五日です。食糧や水などは、ここでは、まだ、賄えていたのでしょうか、その欠乏の有無は書いていない所を見ると、そんなぬ飢えて困っている云う状態でななかったことが、この文章からは伺われます。それだけ被害が少なかったのかもしれませんが。水に関しては、井戸が方々に掘られていてあったのでしょうから、現代の水道設備とは異なって、自給できたのでしょう。丁度この日は仙果先生の伯母さんの命日だったのでしょうか、法要はできなかったようですが、「もなかまんじゅう少し奉る」とありますから、何処かのお店から買って来たのではないと思えますから、家に残っていたわずかなお供えぐらいはできる余裕があったのでしょうか。
 場所によっては、深川付近では、押し込みがあったのですが、ここではそんな騒動は起きていはいなかったようです。


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