私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

「吾輩は猫である」と岡山

2009-08-12 12:45:26 | Weblog
 不折の絵葉書はこれで終わりにします。
 でも、ついでですので、不折が挿絵を描いた夏目漱石の「吾輩は猫である」のついて、もう少しばかり気になっている部分がありますので書いてみます。

 というのは、皆さんはと言っても、岡山に住む人にとってはと言う意味ですが、既に、十分にご承知だとは思いますが、「吾輩は猫である」の中に。次のような文章があります。

 「・・・この間は岡山の名産吉備団子(きびだんご)をわざわざ吾輩の名宛で届けてくれた人がある。だんだん人間から同情を寄せらるるに従って、己(おのれ)が猫である事はようやく忘却してくる。・・・・・」「吾輩は猫である(三)」

 岡山(吉備地方)と漱石の猫様とのわずかな関係です。
 
 この猫様にと、わざわざ送って貰った「吉備団子」も、
 「・・・・主人が吾輩に一言の挨拶もなく、吉備団子をわが物顔に喰ひ尽したのは残念の次第である。・・・・」
 
 たったこれだけの関係です。

 なぜ、ここに漱石は全国に多々ある銘菓から岡山の「吉備団子」を挙げたのでしょうか?

 今朝の朝日新聞によりますと、今、お土産と言うと北海道の六花亭の「マルセイバターサンド」だそうです。「吉備団子」など十位にも入っていません。あまりおいしいお菓子だとは、私自身も岡山に住んでいるのですが、思いません。
 それなのに、何故、漱石は、わざわざ「吉備団子」と言う名前をあげたのでしょうか。

 その辺りを、不折の挿絵と一緒に、明日にでも、少し深く掘り下げてみたいと思います。

 なお、此処でちょっと不折先生の自画像をご覧に頂きます。
 「猫である」より5年後の明治43年「ホトトギス」に、不折先生は「画書雑談」と言う文を寄稿なさっておられます。その挿絵に自画像を載せておられます。

          

 どうです。不敵な面構えではありませんか。「正月前」と題が賦してあります。

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