「歌のしるべ」には続いて、歌の詞に付いて、
「みやびてうつくしくをかしきをえらびとり、いひざまつヾくべきようも、さようにとふかく心してものにするぞ」
と。
この“みやびてうつくしく”詞は古今集の歌を見ればいいといております。“をかしき”というものについては、何がどうあればをかしきものになるのかまでは説明がありませんが。この先生はこの「をかし」を随分と好きこのんで使っているようです。
辞書では、「をかし」を、客観的に物事を見て、興味深くしみじみと心に感じる感動だと書いております。主観的ではない、誰が見てもそうだと共感できる心の働きだというのです。