ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

世界最古の洞窟壁画 忘れられた夢の記憶 などなど

2012年02月16日 22時21分48秒 | 雑記
どたばたと昨日、今日の報告を。

昨日は夕方から原宿で、石川直樹君とヴェルナー・ヘルツォーク監督の映画「世界最古の洞窟壁画 忘れられた夢の記憶」について対談した。この映画は1994年、フランスのショーヴェ洞窟で発見された三万年前の人類最古の洞窟壁画を、3Dで表現したものである。高松塚古墳でも問題になったが、こうした壁画遺跡は観光客などを入れると呼気などでカビが生えて保存環境が悪化するため、シューヴェでは政府が徹底した立ち入り禁止措置を取っている。フランス政府から洞窟内撮影を許可されたのは、この映画が初めてとのこと。

映像は素晴らしいの一言に尽きる。壁画に関してはずぶの素人だが、三万年前にこの場所に、この壁画を描いた人が生きていたのだ、と今まで感じたことのない、変な感動を覚えた。3D映画はアバター以来だが、洞窟という光と影が織りなす特殊な閉鎖空間が立体的に浮かび上がって来て、リアルな迫力がある。

映画は3月3日から、TOHOシネマズ日劇ほか、3週間限定で公開です。私も広告用の一言を書かせていただきました。
公式サイト http://www.hekiga3d.com/

対談の内容はそのうち、OPENERSというウェブマガジンで公開される予定なので、そちらを読んでほしい。私の場合、対談の依頼というのはほとんど来たことがなくて、これが四回目。一回目石川直樹、二回目高野秀行、三回目高野秀行、四回目石川直樹、と高野さんと石川君としか対談したことない。いいかげん、本谷有希子とか、優香とか、石原さとみあたりと対談したいのだが……。やっぱり無理なのだろうか。話がかみ合わないのだろうか……。

今日は水戸に行き、先週亡くなられた芳野満彦さんのご自宅に伺い、お線香を上げさせていただいた。芳野さんはかつて日本のロッククライミング界を引っ張った伝説の登山家で、新田次郎『栄光の岩壁』のモデルである。日本人で初めてマッターホルン北壁を登頂した。私は2008年に、芳野さんがダウラギリ4峰で見たという雪男の話を聞きに、ご自宅に伺ったことがある。その話の詳細は『雪男は向こうからやって来た』の中の第四章「登山家芳野満彦の見た雪男」の中にまとめさせていただいた。ニコニコと優しい笑顔で、昔話をいろいろと聞かせてもらいました。

月曜の葬儀に参列するつもりでいたが、実は唐沢岳幕岩の下山が遅れ、帰京が間に合わず、ご自宅に伺った次第である。謹んでご冥福をお祈りいたします。

水戸から成田空港へ直行。北極点へ向けた旅立つ荻田くんの見送りである。3月の早い時期にワードハント島から出発の予定だという。今年は去年に比べ氷の氷結状態がいいので、たぶん大丈夫でしょう。






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