ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

マラリア患者収容施設

2009年02月23日 02時17分49秒 | 雑記
 先日、親戚の見舞いのため都立駒込病院を訪れた。この病院に来たのは、えーと、6年ぶりである。僕はこの病院には散々お世話になった。実は東京で唯一、マラリアの治療をしてくれる病院なのだ。

 2001年にニューギニアに半年間くらい滞在した時、僕はすっかりマラリアのキャリアになってしまった。あまり知られていないかもしれないが、日本ではなぜかマラリアの治療薬や予防薬(同じであるが)は政府の認可を受けていない。患者数が少ない割に、副作用が激しいことが理由なのかもしれないが、それにしても僕らのような密林探検家以外にも、商社員や研究者、青年海外協力隊員などマラリアの薬を必要としている人は一定数いるだろう。それにり患したら、下手したら命を奪われかねない危険な熱帯病であることは間違いない。どうして認可してくれないの?

 薬はなぜか東京だと、2,3の医院や薬局で手に入る。あれヤミなのかな。あと、治療は駒込病院でしか受けられない。なぜ、駒込?治療といっても、入院させられて薬を飲まされるだけだ。僕はニューギニアから帰国してから数回、駒込病院で治療を受けたが、2回目からは「薬だけください」と言って入院は拒否していた。

 マラリア予防薬の副作用といえば、学生の時に一緒にミャンマーに行った探検部の先輩がウンコを漏らしていた。先輩は「マラリアより副作用の方が恐ろしい」と言って、結局、その後は予防薬を飲まなかった。あの薬は確かメフロキン。その先輩も今は結婚して子供ができて、立派な父親になった。メフロキン飲んでウンコを漏らしても、父親にはなれるのだ。
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