ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

神保町×2

2012年02月01日 14時43分09秒 | 雑記
たとえば私は、次のようなことをしばしばしでかす。

今日は夕方に神保町で打ち合わせがある。それまで家で原稿書いてようと思っていたが、今書いているのは過去の原稿のリライトだし、たまには外で書くか、と素敵なことを思い立ち、かばんにパソコンをつっこんで、意気揚々と家を出る。天気もいい。

椎名町の定食屋で昼飯を食べ、西武線と丸ノ内線と半蔵門線を乗り継ぎ、目的地である神保町のドトールに到着。時刻は1時半。約束まで4時間はあるので、ブレンドのLサイズをたのむ。二階に上がり席に座るが、テーブルががたついていて仕事がしにくいので、別の席に移動してパソコンを開く。すると窓際のゆったりと座れる席が空き、そっちのほうが仕事がしやすそうなので、再び席を移る。

パソコンを起動させる。原稿の入っている、外付けHDのアイコンをダブルクリックする。開かない。あれ、どうして開かないんだろう、と思い、首をかしげる。しばらくして、ようやく気づく。あ、ここに外付けHDはない……。せっかく、パソコンを持ってきたのに、仕事ができないではないか!

約束まで4時間以上。くそ、おれは何をやっているんだ、そして約束まで何をしよう……。ついさっき、おれは今から仕事をするぜ、と誇示するかのように開いたばかりのパソコンを、隣の人に気づかれないように静かにしめて、かばんにしまう。今から家に帰って、また神保町に戻るのもアホくさい。しょうがないから、読書でもするか、と鞄の中から本を取り出す。

すると悪いことに持ってきたのは、山崎正和『世界文明史の試み』。意識がどうしたとか、身体がどうしたとか、言語がどうしたとか、難しいことばかり書いてある。隣の人は、なんでこの人、パソコン開いてすぐ閉じたんだろうなあ、とか思ってるんだろうな。今から帰ると、二時間は仕事ができるな。でもコーヒーはLサイズだし、こんなに残して席を立つと、隣の人に不振がられるだろうな、とかなんとか余計なことばかり考えて、全然落ち着かない。こんなに難しい本、さっぱり内容が頭に入らない。

という訳で、結局、10分ぐらいで、席を立ち、神保町を後にした。家に帰って来たのは14時半。さて、二時間仕事するぞとパソコンを開いたが、どういうわけか、ブログなんか書いている。

二時間後には、また神保町に行かなくてはならない。あー、もうやんなっちゃう。

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