ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

違いの分からない男

2010年08月03日 23時42分32秒 | 雑記
探検部の先輩で作家の高野秀行さん、および本の雑誌の営業部長杉江由次さんと飲んだ。開高賞受賞のお祝いに、新宿三丁目の居酒屋でごちそうにあずからせていただいた。

酔っぱらっている今現在、わたしたち三人が何を話したのかは、今やアルコールの霞の中にぼやけてしまっている。たしか、わたしは高野さんとは路線の異なる原理主義者で、いろいろな意味でなにやらあぶない路線に一歩踏み出そうとしているのだが、それはそれでなかなか今の社会における価値がたぶんあるであろうから、君はその方向で突き進むべきだと言われたような気がする。

一言でいえば、わたしは違いの分からない男であるらしい。あと町田康と、辺見庸の「反逆する風景」の中にある、フィリピンの赤い服を着たおっさんの話はすごいよねということと、ならびに服部文祥の文章はとても上手であるという点では意見の一致をみた。しかし、コ―マック・マッカーシーの世界観にはすごく共感するというわたしの個人的な意見は、いまいち共感をえられなかった。

感受性は人それぞれで違うのであるから、万人受けすることを目指すのではなく、独自路線を突っ走ってくれた方が、見ている外野としては面白いということなのだろう。先輩からいただいた貴重なアドバイスである。
コメント (1)
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