奇想庵@goo

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プレイオフ ピクチャーNFC編

2006年12月10日 21時10分41秒 | アメリカンフットボール
続いてNFC編。こちらはAFC以上にワイルドカードレースが大混戦だ。

○ Chicago Bears 10-2
既に地区優勝を決めたシカゴ。ホームフィールドアドバンテージ争いでも有利で、今後のスケジュールも非常に楽。むしろモチベーションの持続の方が課題となりそうだ。問題はやはりQBグロスマン。攻撃が機能しないばかりか、ターンオーバー連発ではチームのモラルにまで響く。プレイオフではQBが勝敗の大きな要素となるので、彼では戦い抜くのは厳しいだろう。

○ Dallas Cowboys 8-4
現在NFCで最も勢いに乗っているチーム。その原動力は言わずと知れたQBロモ。ずば抜けたものはないが、安定感と落ち着きがあり、何より勝負運がある。プレッシャーを受けた時のプレイにやや難があるが、レシーバー陣が優秀なのでかなり助けてもらえそうだ。スケジュールは厳しいのでまだ地区優勝も安全圏ではないが、この勢いを持続できればプレイオフでも楽しみな存在になるだろう。

○ New Orleans Saints 8-4
今シーズンのシンデレラチーム。現在、少なくともNFCではナンバーワンのQBブリーズの存在が全てと言ってもいい。攻撃は決してタレント豊富とは言いがたいが、ルーキーRBブッシュがユニークな使われ方で相手を翻弄し攻撃のアクセントになっている。守備は決して強いとは言えないが、チームのモメンタムがプラスに作用して大崩れせずに戦っている。14週のダラス戦がプレイオフを見据えた試金石となりそうだ。

○ Seattle Seahawks 8-4
QBハッセルベックとRBアレキサンダーが復帰。苦しみぬいたシーズンだが、地区優勝はかなり見えてきた。ただ昨シーズンは対抗馬となるチーム不在のプレイオフだったのに対し、今シーズンは強力なライバルがひしめいている。スーパーボウルにたどり着くには、新たにモメンタムを手に入れる必要があるが…。

○ New York Giants 6-6
4連敗と完全に失速したジャイアンツ。怪我人が相次いでいることも原因だが、それ以上にQBイーライ・マニングの不調が大きい。スケジュールも厳しく、早急に立て直せるかが注目だ。イーライにそれを求めることは難しいそうだ。

○ Philadelphia Eagles 6-6
QBマクナブを失い、今シーズンも消えていくかと思われたが、カロライナを下してなんとか踏ん張った。QBガルシアは経験豊かでチームの戦術にも適している。彼のリーダーシップがチームにケミストリーを生み出せれば巻き返しも十分に可能だろう。

○ Atlanta Falcons 6-6
QBヴィックは相変わらず好不調の波が激しい。スクランブルは素晴らしいがパスは標準以下。ただハマれば相手がどこであろうと勝利する力があるだけに、まだまだプレイオフの目はある。攻撃スタイルを変えようという意思は感じるがそれが成功しているとは言いがたい。

○ Carolina Panthers 6-6
RBフォスターのケガはもう恒例行事。問題はQBデロームの不調だ。リーダーシップはあるが、パサーとしての能力はそれほど高くない。特に視野の狭さは彼の弱点だが、思い切りの良さが救ってきた。それが現在噛み合っていない感じだ。建て直しができるかどうかが鍵だろう。

○ Minnesota Vikings 5-7
いい開幕スタートを切りながら、QBジョンソンの不調もあって勝ち星が伸ばせなかった。器用さもあって優秀なQBなのだが、メンタルが弱い気がする。流れが悪くなると立て直すのが難しいQBだ。プレイオフの可能性はあるが、難しいだろう。

○ St.Louis Rams 5-7
アリゾナによもやの敗北でプレイオフ争いは厳しい状況となった。スケジュール的にはまだチャンスを感じるのだが、チームに勢いが感じられない。リーダーシップを発揮するプレイヤーが欲しい場面だが、それを担うべきQBバルジャーはいまひとつ頼れない。

○ San Francisco 49ers 5-7
どん底の状態から、QBスミスが成長し、RBゴアが出てきて、攻撃ではあとは頼れるWRが欲しいところ。守備に課題を残すものの、先が楽しみとなってきた。残り試合を3-1で乗り切れば、来シーズンに向けたモメンタムとなるだろう。

○ Washington Redskins 4-8
QBキャンベルの育成が残り試合の課題だろう。まだプレイを見たことがないので評価は不明。チームについてはつかみ所がない感じ。昨年のようなランと守備との噛み合わせがうまくいってないのだろう。

○ Green Bay Packers 4-8
偉大なるQBファーヴ。残念ながら今シーズンのプレイには衰えを感じずにはいられない。もちろんこの成績の責任はファーヴよりも周りのプレイヤーの力不足が大きい。もう一花咲かせてやりたいが、このチームの建て直しには時間が掛かりそうだ。

○ Tampa Bay Buccaneers 3-9
この低迷はQBシムズの負傷によるものではなく、チーム力の問題だろう。正直今のこのチームにHCグルーデンは合っていない。早急の課題は、攻撃以上に守備の世代交代だ。

○ Arizona Cardinals 3-9
ルーキーQBライナートの苦悩は続く。RBジェームズを獲得し、WRボールディンはリーグ屈指のレシーバーとなった。それでもOLの弱さが攻撃を作れなくしている。タレント的にはかなりいいものがあるだけに惜しいチームだ。守備もまだまだ補強が必要だろう。

○ Detroit Lions 2-10
QBキトナのスタッツはそう悪くないのに2勝止まり。攻撃も守備も課題は多いが、それ以上に歯車が噛み合っていない感じだ。数年前に将来性を感じさせるチームだったのに、結局伸ばしきれずに元の木阿弥になってしまった。

既に地区優勝を決めたシカゴを始め、現在地区首位のチームは2差あるためかなり高い確率で地区優勝となりそうだ。プレイオフ争いは、6勝勢4チームが潰し合う形のため、5勝のチームにもまだ可能性はある。8勝8敗でもプレイオフチームが出てきそうだ。
プレイオフの展望は、NOとダラスの一騎打ちと予想する。ともに勢いがあり、QBの質も高い。シカゴはQBが足を引っ張りそうだ。


プレイオフ ピクチャーAFC編

2006年12月10日 18時28分46秒 | アメリカンフットボール
NFLもいよいよ佳境に入った。12月、レギュラーシーズンも残り4週。昨年のピッツバーグのように、ここで勢いをつけることが、ポストシーズンを戦う上でも重要となる。
時間的に余裕がなく、週ごとの雑感が書けなかったので、ここで各チームの今後の展望をしてみる。第14週のサースディゲームは無視(笑)。13週までの結果をもとに見ていこう。

【AFC】
○ Indianapolis Colts 10-2
昨年同様、開幕から快進撃を続けていたが、ダラスに黒星を喫し、更に13週にはテネシーにまさかの逆転負け。ここにきてチームのモメンタムを失うことは昨年の二の舞を予感させる。ルーキーRBアダイの活躍は光明だが、QBマニングにやや精彩を欠く印象を持つ。この流れを変える何かは、チームの中から生み出していかなければならないだろう。

○ San Diego Chargers 10-2
チーム力は安定していたが、QBリヴァースがどんなパフォーマンスを見せられるかが鍵だった今シーズン。期待以上の彼の活躍でスーパーボウルも見え始めた。攻撃の原動力はもちろんLT。彼の記録的な活躍がチームにモメンタムを生み出している。この好調を維持していけるかが今後の注目だ。ポストシーズンに弱いジンクスを持つHCショッテンハイマーの悲願が叶うのか。

○ New England Patriots 9-3
寒くなるにつれ調子を上げてくるNE。戦力面では高い評価はされていないが、それでも勝てるチーム。残り対戦カードも楽で、ホームフィールドアドバンテージを巡る争いがポイントとなりそうだ。鍵を握るのはOL。まだ不安を残すユニットがQBブレイディをしっかり守りきれるか。

○ Baltimore Ravens 9-3
自慢の守備力がこれからの戦いに生きてくる。課題の攻撃も、QBマクネアは経験豊か。ポストシーズンを戦い抜ける実力はあるが、起爆剤が欲しいのも事実。不安材料は主力の高年齢化だけに、若手の台頭が求められている。

○ New York Jets 7-5
強さは感じないが、しぶとくプレイオフ戦線に残っている。これもひとえにQBペニントンがケガをせずに出場できていることが大きな理由となっている。RBではルーキーのワシントンがよく頑張っている。守備も決して強くはないが、よく健闘している。スケジュールが比較的楽なので、接戦をきちんと制していけばチャンスは十分にあるだろう。

○ Cincinnati Bengals 7-5
昨年のシンデレラチームで、今シーズンも注目されたシンシナティだが、苦しみに苦しんでなんとかプレイオフ戦線に生き残っている感じだ。昨シーズン守備でのビッグプレイがチームに勢いを与えたが、CBオニールの負傷などもあって今シーズンはターンオーバーを取れずにいる。爆発的な攻撃力もなりを潜めているが、ここに来てようやく少し明るい兆しが見えてきた。スケジュールは厳しいが本来の力を見せられれば、昨年のピッツバーグのような活躍も期待できる。

○ Jacksonville Jaguars 7-5
守備力の高さとランアタックの安定性でここ数年いい成績を残しているジャクソンヴィル。しかし、インディアナポリスと同地区ということもあり、その壁が常に大きく聳え立っている。QBギャラードはそこそこのパフォーマンスを見せているが、レフトウィッチ同様チームを化けさせるだけの力はない。スケジュールも厳しく、プレイオフ進出はかなり困難と言わざるをえない。

○ Denver Broncos 7-5
ついにプラマーを諦め、QBカトラーをスターターに据えたデンバー。1試合見ただけで評価はまだ下せないが、今シーズンこれ以上勝ち星を延ばすのは難しそうに思える出来だった。守備も強く、ランも非常にいいだけに、パッシングゲームさえ改善できれば頂点も目指せるチーム。しかし、問題は決してQBだけの責任ではなかった。

○ Kansas City Chiefs 7-5
QBグリーンの復帰がチームにモメンタムをもたらすことにならなかったのが辛いところ。RBジョンソンが復調し、攻撃の形はできてきたが、それが得点に結び付いていない印象だ。スケジュールも厳しいだけに、13週のクリーヴランド戦の敗北は非常に手痛いものとなった。

○ Buffalo Bills 5-7
攻守ともにそこそこ。攻撃ではRBマゲイヒーがいまひとつ。QBロスマンはそれなりのパフォーマンスだが、ブレイクするほどではない。守備も悪くないが、あと一歩物足りない感じがする。

○ Miami Dolphins 5-7
QBハリントンとなって長く苦しんだがようやく攻撃が噛み合ってきた。とはいえ、今シーズンのプレイオフ出場は絶望的で、来期以降に向けた戦いが必要となる。ハリントンで行くのか、カルペッパーか、それとも新たなQBの獲得なのか、チームの方向性が問われる時期だ。

○ Pittsburgh Steelers 5-7
昨年のスーパーボウル覇者の低迷。QBロスリスバーガーにその責を求める声が多いが、確かにキャンプの欠場などで呼吸が合わないという問題もある。しかし、それ以上にこのチームの低迷の原因ははっきりしている。それはモチベーションの低さだ。1ヤードに賭ける貪欲さが積もり積もって勝利へと繋がるスポーツなのに、昨年まで見られたそれが今シーズンは感じられない。最高のモチベーターであるHCカウアーをもってしてもそれは変えられないことをまざまざと示して見せたシーズンだった。

○ Tennessee Titans 5-7
オープンデート後4勝2敗。ボルチモア戦も1点差の惜敗で、フィラデルフィア戦ではマクナブを壊し、マニング兄弟相手に2試合連続のサヨナラFG勝利。現在AFCで最もモメンタムを持ったチームと言えるかもしれない。原動力はルーキーQBヤングとRBヘンリー。特にヴィンス・ヤングは初スターターの頃と見違えるほどで、かなり落ち着いたプレイができるようになった。パサーとしての評価は高くないが、ヴィック同様に窮地でのスクランブルが活路を切り開いている。このタイプはハマると活躍するが、脆さもあって安定した勝利が掴みにくい欠点を持つが…。少なくとも今はノりにノっているのは事実だ。

○ Cleveland Browns 4-8
KC相手にアップセットを演じてみせたものの、チーム力の低さは改善されていない。フライに代わるQBアンダーソンがどのようなパフォーマンスを見せられるか注目だ。守備の再建も含めて、クレネル就任2年で成果は見えていない。

○ Houston Texans 4-8
ドアマットチームで勝てない原因をQB一人に押し付けてもいつまで経っても改善しない。クリーヴランドのティム・カウチの姿が重なって見えてしまうQBカーだが、ランニングアタックが確立しないとHCキュービアックのオフェンスも機能しそうにないだけに、カーを変えても状況はよくはならないだろう。それでももう少し結果を残さないと来シーズンのQBの座が危ういのも事実。残り試合で、NEやコルツ相手に奇跡を起こせるか。

○ Oakland Raiders 2-10
QBブルックスがケガから復帰しても、チームの規律のなさはどうしようもない。まずは戦う集団へとメンタル面から立て直さなければ当分この位置から抜け出すことはできないだろう。

各地区トップの4チームはほぼ当確した感じ。残る二つの椅子を7勝のチーム5つが争っている。その中では、NYJとシンシナティが有利、対抗はKC、Jaxとデンバーはかなり不利だ。
プレイオフの展開はホームフィールドアドバンテージが鍵を握りそう。昨年のようにロードで勝ち続けるのはめったにあることではない。コルツ、ペイトン・マニングの意地も気になるが、現時点では本命SD、対抗NEと予想する。