奇想庵@goo

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NFL第17週に向けて

2006年12月31日 02時15分30秒 | アメリカンフットボール
いよいよレギュラーシーズン最終週となってしまった。
今シーズンも波乱に次ぐ波乱で、かなり予想外の出来事もあったが、プレイオフ出場チームは比較的予想の範囲内な感じ。ただ最終週での残る椅子の争いは、全く予断の許さない熾烈なものとなった。もうここまでくると有利不利というよりも、まずは目先の勝利を確実にものにできるかだけだしね。

ジャイアンツは、一足早く土曜日に試合。最近7試合を1勝6敗と惨憺たる内容のジャイアンツだが、勝てばかなりプレイオフに近付く。相手は既に圏外に脱落したワシントン。QBキャンベルを起用しているが結果は出ていない。ジャイアンツにとっては与しやすい相手だが、イーライの力では勝利が確実とはとても言えないだろう。

カロライナはQBデロームが復帰し、一縷の望みに掛ける。ジャイアンツの敗戦が条件だが、開幕前の優勝候補の面目を保ちたいところだ。対するニューオーリンズは既に第2シードが確定。モチベーションは維持しにくい状況だが、プレイオフにモメンタムを持ち込むためには実は大事な試合と言える。1週空くだけに、主力の温存は裏目に出る可能性も高い。

ダラスは地区優勝を目指してデトロイトと対戦。まず負けることはないと思うが、勝ってなおかつフィラデルフィアの敗戦待ちとなる。TOが相変わらずチーム内に不協和音を奏でているのが心配だ。

セントルイスは圏外のミネソタとの対戦。条件的に最も厳しいチームの一つだが、勝たないとチャンスはない。土曜日の結果にもよるが、モチベーションで上回るセントルイスの有利は動かない。

連敗して崖っぷちに立たされたジャクソンヴィルと、首の皮一枚で繋がっているカンサスシティが直接対決。ともに勝っただけではダメで、他の複数のチームの敗戦を待たねばならない立場。それでも勝利しなければチャンスも訪れないだけに、死闘となるのは間違いないだろう。ジャクソンヴィルの課題はQB。レフトウィッチのあとを受けたギャラードだが、安定感は低い。ランニングアタックが強いだけにパスが安定すればプレイオフコンテンダーになれるだけに残念。カンサスシティはそれなりに安定した力は発揮している。ボルチモア、サンディエゴと好調なチームに連敗したものの、攻守のバランスもかなり取れてきた。ただ攻撃の爆発力が影を潜めているのが心配だ。試合はホームの利をもってKCの勝利を予測する。

脅威の快進撃を続けるタイタンズは最終戦までプレイオフの圏内にとどまった。破竹の6連勝はもうひとつ白星を積み上げるだろう。QBヤングは決してパサーとしては優れていると言い難いが、状況判断に優れ、何よりランの能力に秀でている。ヴィックが出てきた頃とよく似た状況だ。ただし、勝利してもプレイオフは非常に難しい立場だ。もしプレイオフ進出となれば、奇跡の名に値する。ミュージックシティにまたミラクルは起きるのだろうか。
対戦相手のニューイングランドは、プレイオフ進出が決まり、勝敗が意味のない立場となっている。次週からプレイオフの戦いが始まるだけに主力は温存させておきたいだろう。

勝てばプレイオフ進出が決まるジェッツは地元でわずか2勝どまりのオークランドを迎える。攻守にわたって課題の山積するジェッツだが、QBペニントンが初めてフルシーズンスターターということでシーズンをいい形で乗り切れそうな気配だ。スタッツは決して褒められたものではないが、チームを勝利に導く働きという意味ではもっと高く評価すべきQBだ。彼が負傷退場でもしない限りまず勝利は手に出来るだろう。

デンバーに敗戦し苦しくなったシンシナティ。勝てばまだチャンスは大きいが、自力のみでは出られないところまで追い詰められた。守備でビッグプレイが生まれなくなったことに加え、最大の武器であるオフェンスの不振はかなり深刻だ。QBパーマーの出来があまり良くないことが原因だが、それでも彼でいくしかない。いかに彼にリズムよくパスを投げさせるかが課題だろう。対戦相手は圏外となったピッツバーグ。チームがバラバラな様相を呈している昨シーズンの王者相手に自分たちの戦いができるかどうかが鍵となる。シンシナティが常にリードをする展開に持ち込めるかどうかが注目だ。

続いて夕方のゲーム。

サンディエゴはアリゾナ相手のホームゲーム。バイウィークは決まっているが、第1シードを取るためには勝ちたい試合だ。モメンタムという意味では必ずしも勝たなければならないということはないが、このところQBリヴァースのパスの調子が悪いので、この試合でリズムを掴んでおきたいところ。また、HCショッテンハイマーはプレイオフに弱いというジンクスがあるので、なるべく自然な形でプレイオフに突入したい。主力温存作はプレイオフに黄信号だ。

ボルチモアはまだ第1シードの可能性もあり、また最低でもバイウィークは欲しいため、どうしても勝ちたい試合だ。ただ圏外とはいえバッファローは侮れない相手。接戦になれば、足元をすくわれる可能性も高い。ベテランが多いため、怪我や疲労の蓄積が心配だが、プレイオフでの経験も豊富なので非常に怖い存在でもある。

インディアナポリスはマイアミ戦。シンシナティに勝ち、勢いを取り戻すかと思われたが、ヒューストンにまさかの敗戦でチーム状況が相当ひどいことが窺える。できればバイウィークを取って建て直しを図りたいところだが、マイアミ相手にも決して余裕は持てないだろう。

4連敗でプレイオフ戦線から脱落したと思われたが、アリゾナに続いてシンシナティを撃破し自力でのプレイオフ進出の権利を手に入れた。QBカトラーがいいとは言い難いが、堅い守備とランアタックで活路を見出している。対戦相手はサンフランシスコ。圏外となったが、予想以上の活躍を見せたチームだ。デンバーにとっても簡単に勝てる相手ではない。地の利を生かしてミスを少なくすることが勝利の条件となるだろう。

カロライナ相手に何も出来ずに終わってしまったアトランタ。まだプレイオフのわずかな可能性を残しているが、攻守に課題が多い。対するフィラデルフィアはここに来てモメンタムを掴んでいる。いまNFCでは最も勢いがあるチームだ。フィラデルフィアにとっては勝てば地区優勝となる。ホームフィールドアドバンテージを考えれば、是非とも勝ちたい試合だ。好調の要因はQBガルシア。昨年の経験を生かして頼りになるバックアップQBを獲得していたフロントの勝利でもある。アトランタが勝つためには、攻撃陣の健闘が必要。QBヴィックが怪我もあって調子を落としているだけに、周りのサポートが必要なのだがイージーな落球が目立つなどチーム全体の士気が低いのが心配だ。

サンデーナイトはグリーンベイ対シカゴ。シカゴは第1シードが確定。グリーンベイはQBファーヴのラストゲームの可能性がある。
この試合の開始までにグリーンベイのプレイオフの可能性の有無ははっきりしているだろう。できることなら、勝てばプレイオフ進出という状況でファーヴが試合をして欲しいところだ。勝敗に関係ないシカゴだが、おそらくあまり気持ちを緩めずに戦ってくるだろう。守備やスペシャルチーム主導で勝ち抜いたチームだけに、彼らの気持ちを切らさないようにコーチたちは努力しているはずだ。NFL最強の守備を相手に、プレイオフを賭けて、ファーヴが戦うことになれば、後々まで語り継がれるような試合になるかもしれない。
忘れもしない、冬のソルジャーフィールドで、スクランブルに出たファーヴがゴールゾーンを目指してバイロンに頭から飛び込んだ姿は今も目に焼きついている。闘志、気迫を前面に出し、無骨だがとてつもなくタフなプレイヤー。満身創痍になりながらも、フィールドで戦い続ける姿は本当にかっこいい。
弱小チームを強豪に甦らせ、スーパーボウルにも勝利した。そして、再び弱小チームに堕ちていく中であがき、もがき、苦しんでいる。もう一度プレイオフの舞台に彼を立たせたいという思いは、私だけではないはずだ。フットボールの神様に夢を託したい。