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涼宮ハルヒの暴走?~『涼宮ハルヒの暴走』

2006年12月02日 17時45分50秒 | 本と雑誌
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『涼宮ハルヒの暴走』読了。夏、秋、冬の出来事を扱った短編集。

「エンドレスエイト」は、終わらない夏休みというまんま「ビューティフルドリーマー」(笑)。うる星やつらフォーマットを源流に持つ作品は、アニメ・コミック・小説問わず非常に多いが、雰囲気的に真っ当な後継って感じを受ける。

「射手座の日」は、このシリーズでは初となる、外部からハルヒに挑戦してくる形式の一作。挑戦を受けて立つ姿はハルヒらしいが、活躍する場面はほとんどなし。

「雪山症候群」は、このシリーズでは異質な作品。ハルヒシリーズの特徴として、SFらしいオチをつけるというものがあるが、この作品にはそれがない。脱出のための謎解きがミソとなってはいるが、結局原因不明のまま解決した形。まあ今後これが伏線として使われる可能性が高いが。

それぞれエンターテイメントとしてよくできた作品だが、困ったことがある。それは、キョン、活躍しすぎ!ってこと。まあ読者が感情移入しているキョンが無力すぎると、イライラするということもあるし、活躍すれば爽快に感じられるだろう。ただもともと、SOS団の中の唯一のただの人であり、異常な世界の中のニュートラルな存在であったはずの彼が、この短編集では他の誰よりも力ある存在になっている。キョンが力を持つということは、他のキャラとのギャップが縮まり、他のキャラたちの異能さが相対的に際立たなくなる。
3作品の中で、ハルヒの能力が暴走したのは「エンドレスエイト」のみ。全体としてハルヒの暴走度はかなりおとなしくなってしまっている。シリーズが続く中で最初のテンションを持続するのは難しいとは思うが、キャラクターの魅力としては非常に残念な流れだ。みくるなんて、もうただのマスコットになっちゃってるしね。


時をかけるみくる~『涼宮ハルヒの消失』

2006年12月02日 01時38分56秒 | 本と雑誌
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というわけで、『涼宮ハルヒの消失』読了。
4冊目にして初めて、語り部であり主人公(?)のキョンが大活躍する話。過去に張っておいた伏線まで使った正統派タイムパラドックス。まあ、夏に飛んだ瞬間、ああ、と気付くような内容でもあったわけだが。
それでも、ここまで積み上げてきたからこそ生まれた前半部の緊張感は見事だし、その後のタイムパラドックスネタもよく頑張っている。そもそも、タイムパラドックスは、名作と名高いハインラインの『夏への扉』や広瀬正の一連の作品が有名であるが、作者が頑張れば頑張るほど、読み手は訳が分からなくなるという由々しき宿命を持っている。だが、他のメディアではなかなか上手く描きにくい(「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のようにシンプルなものならともかく)テーマであり、小説ならではの面白さが醸し出せるだけに、その心意気には拍手を送りたい。

なお、この記事のタイトルは記事の内容と一切関係ありません(ぉぃ。