環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

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社会的な合意形成 ⑩ 私たちには「叡智」があるのだろうか?

2007-03-08 22:27:11 | 社会/合意形成/アクター


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私は現在の産業経済システムがこのまま拡大の方向で進むと、おそらく、今世紀の半ば頃、つまり、2050年頃には資源・エネルギーの制約および廃棄物の増大に代表される環境の制約から様々な問題が出てきて大変難しいことになるのではないかと思います。

大量生産・大量消費・大量廃棄に代表される20世紀型の産業経済システムの行き詰まりが来る可能性は「地震予知よりも確実性が高い」と思います。

2050年は私たちの子供や孫の生きる時代です。そのときの環境を今からしっかりと守っておかなければなりません。私たち人間に「叡智」があるのであれば、今こそ、持てる「叡智」を発揮すべき時です。

私たちは常に過去を振り返り、「我々は技術で様々な困難を解決してきた。人間には叡智があるのだから、将来の困難もきっと解決できるはずだ」というような認識を持っている人がたくさんおります。特に技術者の中にこのような考えの方が多いのに驚かされます。

この図は何を表わしているのかと言いますと、そのような認識で飛び込み台から飛び込んだところ、着水の時に上がってくるはずの水位が上がってこないことに気づいて困惑しているところを示したものです。私たちの現状はこのような状況ではないでしょうか? 

環境問題を真剣に考えると、方向転換が出来るか出来ないか」という議論よりも、「方向転換をしなければ、私たちはどうなるか。私たちはどのように方向転換するべきか」という議論をしなければならないように思います。 

これが、今、私たちに突き付けられている環境問題です。それゆえに、世界の科学者が議論し、その結論に基づいて世界の首脳(政治家)が1992年6月に「リオデジャネイロの地球サミット」に、そして、2002年8月に「ヨハネスブルグの持続可能な開発に関する世界サミット」に集まって議論したのです。