昨日の東京は、朝から雨模様。
ホテルから向かった先は、上野の森美術館である。
もちろん「怖い絵展」を観るためだ。
雨だからそんなに混まないだろうという
予想を裏切り、開館20分前だというのに
傘・傘・傘・・・の列が延々と続いていた。
館内の列も、二重三重で連なっている。
背の低いわたしは、「ごめんなさい」を連呼しながら
人込みをかき分け前に出なければ、小さな額装の絵は
まったく見えないのである。
「すいません」「ごめんなさい」をいったい何回
繰り返したことか・・・
愛する男の首を切り取った「サロメ」を描いた
小さな「絵」に、くぎ付けになった。
愛する男のペニスを切り取った阿部定・・・
逮捕直後の写真に、警官に取り囲まれ笑っている定を
思い出していた。
サロメの横顔はとても美しく、微笑んでいるようにも見えた。
愛と憎しみは、表裏一体、そして怖いものなかもしれない・・・
そんな経験のないわたしって、幸せ? それとも不幸せ?
「怖い絵」は、その絵が描かれた背景を知ることで
物語がいくつも浮かび上がってくる。
ドキドキ・ワクワクする至福のひとときだった。