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アートネタなど日々のあれこれ

あの世の探検

2023-09-23 22:51:05 | 美術
静嘉堂@丸ノ内で「あの世の探検-地獄の十王勢ぞろい-」を見てきました。

あの世の探検…タイトルからして心惹かれますよね…珍しくも地獄の十王が勢ぞろいするとあって、「鬼灯の冷徹」のファンとしてはいそいそと行ってまいりました。第一章は「極楽浄土への招待」。中国・朝鮮、そして日本の仏画が並びます。さすがの優品揃い。久隅守景筆の「釈迦十六善神図」も。ゆるふわ(?)な「納涼図屛風」のイメージが強いですが、こちらは打って変わって緻密で端正な作品。「千手観音二十八部衆像」 も神秘的…。「如意輪観音像」は月に浮かぶような観音様が美しい。「当麻曼荼羅」は修理後の初公開だそうですが、金色も鮮やかに…。かと思えば、河鍋暁斎「地獄極楽絵図」も。そういえばこの作品のレプリカが販売されていましたね。第二章は「あの世の探検-十王図の世界-」。地獄の十王勢揃い…人は死ぬと地獄の十王に順番に裁きを受けるのです。極彩色の地獄絵図。地獄の責苦には残酷な場面もあるのにどこかユーモラスな趣が。十王のなかでもやはり閻羅王(閻魔大王)がさすがの貫禄でした。足元には浄玻璃の鏡がありますが、人の生前の行いがこの鏡に映し出されるのだそうです…なんかいろいろ気をつけよう…。十王図の中央には「地獄菩薩図」が。地獄に仏とはこのことです。「十二霊獣図巻」は魔除けとして子供の部屋に飾られたものだそうですが、「呪術廻戦」を思い出します。第三章は「昇天した遊女」。「普賢菩薩図」が雅やか。お隣には円山応挙の「江口君図」が。遊女の江口君の幽霊を普賢菩薩に見立てたのだそうですが、透けるような美しさ。そして、最後には「曜変天目茶碗」がひっそりと、変わらぬ輝きを放っていました…。そんなわけで、地獄と極楽を行ったり来たりするような展覧会でしたが、チラシの言葉が今さらながら身にしみます…「誰でもいつか、あの世に行きます」

さて、アートといえば美味しいもの…ということで、この日は美術館の近くにある「ローズベーカリー」でランチにしました。マッシュルームのオープンサンドをオーダーしましたが、ローストしたマッシュルームがてんこ盛りで、卵をのせて食べたら、さらに美味しゅうございました…。


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