aquamarine lab

アートネタなど日々のあれこれ

風景の詩

2018-06-30 22:41:24 | 美術
損保ジャパン日本興亜美術館で「ターナー 風景の詩」を見てきました。

この展覧会のことは当初マークしていなかったのですが、中央線付近でふと時間が空いたのを幸い、行ってまいりました。キャッチコピーどおり、ラグジュアリーな時間を堪能・・・。

ウィリアム・アランが描いたターナーの肖像画以外はすべてターナーの作品という、実に贅沢な展覧会です。まず、冒頭の「マームズベリーの修道院」に目を奪われます。17歳にしてこの完成度!思わず「(才能って、)あるところにはあるんだねぇ・・・」と呟いてします。その後も神々しい風景が続きます。実際はなんてないことのない風景だったとしても、ターナーが描くと、まるで創世記かなにかの光景のように見えてしまうんでしょうね。今回の展示はイギリス美術研究の第一人者によるという4章立ての構成(①地誌的風景画②海景③イタリア④山岳)になっていました。ターナーというと海のイメージが強いけれど、実は山の絵もけっこう描いていたんだな、とか、油彩のイメージが強いけれど実は版画にも力を入れていたのか、とかいろいろ発見もありました。版画の作品もこんなに魅力的だったんですね。海を描いた作品で特に印象深かったのは、ターナーが後年、自ら買い戻そうとしてかなわなかったという「風下側の海辺にいる漁師たち、時化模様」。今にも転覆しそうな船。緊迫感あふれる光景です。

それにしてもやはり、17歳の時の作品が目に焼き付いて離れません。廃墟のようなサンクチュアリのような・・・凄すぎる・・・。

この日は暑い日だったので、冷たいものでも飲みたいな、ということでゴディバ新宿西口店に寄り道してきました。期間限定のショコリキサー(フローズンドリンク)を頼みました。さすがゴディバだけあって、濃厚で美味しゅうございました・・・。
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近くへの遠回り

2018-06-29 23:59:52 | 美術
スパイラルガーデンで「近くへの遠回り」を見てきました(この展示は既に終了しています)。

キューバ・ハバナ市のウィフレド・ラム現代美術センターで「距離」をテーマに開催された展覧会を再構成した展示です。日本人7人とキューバ人4名の作品が展示されていました。

会場に入るとすぐに、何やらカラフルな布切れの山が。レニエール・レイバ・ノボの作品です。田代一倫の「東京」は、警備員の仕事の道中に市井の人々を撮影した写真。最近の写真なのになぜか昭和の気配が漂います。場所柄でしょうか。高嶺格の「歓迎されざる者」はカラフルなTシャツがたくさん。キューバから海を渡って海を目指す人々にまつわる作品なのだとか。持田敦子の作品はスパイラルの吹き抜け空間に伸びる階段状の作品です。せっかくなので登ってみましたが、不安定な階段なのでこちらも何だか不安な気分に・・・。レアンドロ・フェレルのモノクロの写真や映像作品はノスタルジックかつスタイリッシュ。岩崎貴宏や毛利悠子のゆるめな作品になごみ・・・。ミヤギフトシの「ロマン派の作品」は映像作品ですが、夜景の映像が綺麗で思わず見入ってしまいました。

というわけで、ひさびさに現代アートを見たな、という感じの展示でした。何か独特の空気感・・・日本からは遠い国なのだけれど、どこか相通じるものがある、という気配はありました。「近くへの遠回り」ってこういうことなんですかね・・・。

さてスパイラルといえばスパイラルカフェ、ということで、ひさびさにカフェにも行ってきました。お目当てだったスフレパンケーキは残念ながら売り切れでしたが、いちじくのシフォンケーキとロイヤルミルクティーをいただいてきました。どちらも美味。ロイヤルミルクティはなかなかに画期的で、ビールジョッキのような縦長なグラスに上半分はメレンゲのような泡が。さすがにビールのようにく~っとは飲めないですが、それでも至福の時でした。
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お殿様の審美眼

2018-06-28 00:52:08 | 美術
三井記念美術館で「大名茶人 松平不昧 -お殿さまの審美眼―」を見てきました(この展覧会は既に終了しています)。

不肖わたくし、松平不昧のことは全く知らなかったのですが、日曜美術館の不昧の回を見て興味を持ち、行ってまいりました。さて、お殿様の審美眼、いかばかりか・・・。

会場に入ってまず、油滴天目に目が釘付けになりました。小ぶりな茶碗ですが、その油滴の精緻な美しさ・・・小宇宙のようです。国宝の梅花天目や喜左衛門井戸も出ていました。奥高麗茶碗(深山銘)の地の独特の色合いにも目が惹かれます。茶碗以外の茶道具もかなり充実していましたし、書も国宝・重文がけっこう出ていましたね。絵画では牧谿の叭々鳥図や燕図なども。面白いところでは、雪舟の一円相。思わず、コンパス使ったでしょ~、と突っ込みたくなってしまいます。これ、フリーハンドだったらすごいわ・・・。不昧はコレクターだけでなしに、プロデューサーとしても活動、自分好みの「お好み道具」を原羊遊斎などに作らせていました。羊遊斎作の菊蒔絵大棗は琳派を思わせるようなデザイン。瓢箪蒔絵弁当箱も洒落ています(お殿様、瓢箪が殊の外お好きだったらしい)。不昧自作の作品もいくつか。「豆腐自我賛」に添えられた言葉も趣深かったです。

それにしても、これくらいコレクター(プロデューサー)の好みというか、世界観がはっきりしているコレクションはなかなかないかも、とも思ってしまいます。瀟洒、洗練という言葉がよく似合います。昭和の言葉で言うとハイセンス(←死語)という感じでしょうか。松平不昧は名君とも言われるくらいで、当時逼迫していた松江藩の財政を立て直したりもしたのだとか(もっぱら部下が優秀だったという説もありますが)。一方で、「古今名物類聚」を表し、美の基準を残しています。その割には自作の作品はわりと普通かも・・・という突っ込みどころもちゃんとあったりして(笑)。いずれにせよ、名物は「天下の名物にして一人一家一国の宝にあらずと知るべし」という太っ腹のお殿様のおかげで、眼を洗われるような鑑賞体験をすることができました。

さて、鑑賞後は例によって甘いものが欲しくなり・・・すぐ近くの「グルメショップbyマンダリン・オリエンタル」に寄り道してきました。マンゴーショートケーキと豆乳カフェオレを頼みました。ケーキは普通のケーキの2倍くらいのお値段ですが、マンゴーがごろごろで、大変、美味しゅうございました・・・。
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いつだってやめられる

2018-06-27 00:39:13 | 映画
ル・シネマで「いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち」を見てきました。

ひさびさに、なんも考えずに笑える映画が見たくなり・・・おバカというかシニカルというかな笑いを堪能してまいりました(諸般の事情により笑うに笑えない面もあるけれど)。

ネタが命(?)のフィクション映画なので、なるべくネタバレしませんように・・・。この映画は、「首席の学者がゴミ収集員」という記事が監督の目に留まったことが発端だったという、人気映画シリーズ3部作の2作目です。前作では、社会の片隅に追いやられた世界レベルの学者たちが、その頭脳を使って犯罪(合法ドラッグの製造)に手を染めたのですが、今度は一転、警察に協力して犯罪組織と対決するというお話です。この10人の学者たち、揃いも揃ってマニアックな割にはどっか抜けているというか・・・だから不遇なんでしょうね、たぶん。けっこう笑ったけど、一番笑ったのは、あのグッズの受け渡しシーンかな・・・あまりにもアホ過ぎて(笑)。そして、一番印象的だったのは、彼らが、政治的歴史的に問題がありすぎる、あのマークがついた車両で出動するシーン。かっこいいんだか悪いんだか、よくわかりません。それにしても、アレからスマートドラッグが作られるなんてことが、あり得るのかしら、ほんまに・・・(爆)。

そんなわけで、訳の分からないレビューになってしまいました(ってか、レビューになってない・・・)。最後にひとこと言いたいのは、やっぱり、あのエンディングは反則だ~(笑)。続きが気になってしょうがないじゃないですか。さらに欲を言えば、やっぱり1作目から見たかったかな・・・2作目から見ても、話の流れが分かるようなつくりにはなっているのですが。そんなこんなで、ちょっとばかりもやもやしてしまいました。まあ、それでもお釣りがくるくらい笑ったのですが・・・。

そうそう、この日はひさびさに渋谷でランチしてきました。伺ったのはBunkamuraの近くの「ケニック・カレー」。夜はBar、昼はカレー屋という、隠れ家っぽいお店です。頼んだのは「恐竜の卵スペシャル」。ルーロー飯の上にキーマカレー、アボカド、炙りチーズ、半熟卵がのっているというカレーで、一度食べたら忘れられない感じのお味でした。途中、レモン汁やタバスコをかけて味変もできるんですよね。けっこうお腹いっぱいになりました。ご馳走さま・・・。
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