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アートネタなど日々のあれこれ

14座へ

2024-04-27 23:40:42 | 美術
日比谷図書文化館で「石川直樹:ASCENT OF 14 ―14座へ」を見てきました(展示は既に終了しています)。

このところ公私ともにかなり忙しく、実際に見に行ってからけっこうな日数が経ってしまいましたが、自分の心覚えのために書いておこうと思います。この展覧会は写真家の石川直樹さんが22年にわたって関わった14の山々の写真と、関連する書籍や記事などを併せて紹介するものでした。日比谷図書文化館ならではの展示ですよね…。ちなみに14座とはヒマラヤ山脈からカラコルム山脈にわたる14の8000m峰のことだそうです。

まずは石川さんの写真の数々に眼を奪われます。雪の白、空の青。それにしても、高山の空って、なんであんなに美しいのでしょうね…まさに天上の青です。自分などは一生、足を踏み入れることがないと思われる領域ですが、そういった地にも人々の生活はあるのです。色鮮やかな食事の写真も…。そして、14座に初登頂した人々の本も紹介されていました…驚いたことにこれらの本のすべてが日本語版になっているのですよね。文字通り頂点を極めた人々のリアクションはさまざま…感極まる人、淡々としている人。なかには頂上に着いたとたんにはよ帰りたい…みたいになっている人もいたみたいです。極地では日常動作さえままならない様子も記されていました。石川さんは彼らのようなパイオニアに比べると自身の登山は遠足にすぎない、と痛感したのだそうです。関連記事も紹介されていましたが、そのなかでも日本人女性の登山者の記事が面白かったです。シェルパに偽の頂上に連れて行かれそうになったのを見抜いて、真の頂上に辿り着いたのだとか…頼もしいかぎりです。石川さんは14座の最後の一つを目指していたところで、雪崩に遭遇し、断念されました。それで、14座へというタイトルになっているのだそうです。

不肖わたくし、登山どころか山登りの経験すらほとんどないインドア派ですが、極地を撮る写真家への憧れはあります…死と隣り合わせの世界の凄絶な美しさ。もし、生まれ変わりというものがあるのなら、世界の美しさを人々に伝える写真家にも一度はなってみたいものだなぁ、と思ったりもするのです…。
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