「ボンクリ・フェス2020」に行ってきました。
数年前から気になっていたイベントなのですが、なかなか都合が合わなかったため、今回が初参加です。ボンクリとは何ぞや、という感じですが、これは“Born creative”のことで、「人間は皆、生まれつきクリエイティヴだ」という意味らしいです。いい言葉ですよね。このイベントは今年で4回目、作曲家の藤倉大さんがアーティスティックディレクターを務めています。
この日はスペシャル・コンサートから参加しました。1曲目は藤倉さんのGliding Wings。空や雲、風を思わせる音楽。二羽の鳥が飛び交うイメージの曲だそう。2曲目は八木美知依さんの「水晶の夢」。筝の弾き語りです。静御前にまつわる曲だそうですが、いさぎよい演奏。八木さんのたたずまいも素敵です。3曲目はハイナー・ゲッベルスのサロゲイト。ピアノと打楽器、声のための曲ですが、ピアノもほぼ打楽器と化しています。声ではラッパーのダースレイダーさんが登場。さすがの存在感です。4曲目は牛島安希子さんのDistorted Melody。ジャズっぽい、複雑なリズムの曲ですが、アンサンブル・ノマドがノリノリで演奏。5曲目が蒲池愛&永見竜生〔Nagie〕のbetween water and ray。グラスハープとライブエレクトロニクスのための曲ですが、グラスハープの音と七色の光のアートがシンクロしてオーロラが舞う北国のような幻想的な空間が生まれていました。6曲目は大友良英さんの新作。子どもが指揮するユニークな曲です。ノマド・キッズがかわいかった。7曲目は教授のパサージュ。幽玄な弦の響きと詩の響き。最後は藤倉さんのLonging from afar。もともとリモート演奏のために作った曲を生演奏していますが、ここでもノマド・キッズが大活躍して大団円を迎えます。
その後、アトリウム・コンサートで笙の東野珠美さんと篳篥の山田文彦さんが演奏する「星筐Ⅵ~星合~」を聴いてきました。宇宙空間を漂うような曲。いつか静かな空間でも聴いてみたいです。それから、電子音楽の部屋へ。蒲池愛さんの筝の曲とアコーディオンの曲を上映していましたが、これがアグレッシブでかっこよかった・・・蒲池愛さんは今年の5月に急逝されたそうですが、本当に惜しまれます。最後に大友良英さんの部屋へ。笙の入った曲を流していましたが、やはり実験的。この後、大人ボンクリとかも聴いて帰りたかったのですが、子供たちの晩御飯を作るため、ここで退場・・・。
そんなわけで、半日間、まったりと楽しんでまいりました・・・現代音楽のコンサートというと、ついつい構えて聴いてしまいますが、このフェスは本当に肩の力を抜いて音を楽しめます。こんなに楽しいイベントならもっと早く来ておけばよかった、としみじみ思いました。今度はワークショップとかにも参加してみたいです。また、来年が楽しみ・・・。