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アートネタなど日々のあれこれ

2017-01-28 23:55:07 | 音楽
星野源「恋」を聴きました。

星野源さん、大人気ですよね。細野さんおすすめのアーティストということで、前々から気になっていた方なのですが、CDを買ったのは今回が初めて。息子の強硬なリクエストにより購入しました。アマゾンに注文したその日から、「今日はまだ届かないの?』と何度も聴く息子。よほど楽しみだったようです。

CDが届くとさっそく、ヘッドフォンにかじりつく息子。聴き終わるとやおら一言、「こいはいいおうたでした」。それから何度もリピして、しまいにはヘッドフォンをつけたまま、寝入ってしまいました。息子はその後も「恋」を聴き倒し、ヘッドフォンをつけたまま、日々熱唱・・・。それにしても、7歳児が「夫婦をこえてゆけ」とか歌っちゃってて、いいんだろか。ってか、お前、その歌詞、意味分かって歌ってんの?いや、分かっちゃっても困るのか。とはいえ、わが子がここまでハマる曲ってどんなんだろう、と興味津々、聴いてみることに。

不肖わたくし、この頃のはやりの曲にはすっかり疎くなってしまい、「恋」を聴くのも初めてでした。なんかもう、イントロの時点で既に勝負あった、みたいな感じですよね。「アナ雪」を初めて聴いた時のやられた感に近いものを感じました。他にもカップリングの曲が3曲。ポップとブラックミュージック、YMOのおいしいところを持っていった、みたいな。シーケンサーのフレーズとか懐かしい感じですよね。そして、この人、モテるだろうなぁ、と思いましたよ。なんていうか、モテるヤツの音楽。あらためて、どんな方なんだろうと調べてみたら、今日がお誕生日だったんですね。36歳か・・・。

ところで、「恋」といえば「恋ダンス」。巷で話題のようなのですが、テレビはほとんどみないので、どんなダンスなのかもよくわからず・・・ネットで研究してみることにしました。ほら、子どもに「ママ、恋ダンス、ちょっと踊ってみてよ」とか無茶ぶりされた時に、さくっと踊れたらかっちょいいじゃないですか。が、you tubeで展開されるキレッキレのダンスを見て早くも挫折。こんなん、無理・・・(爆)。




マリメッコ!

2017-01-21 00:00:00 | 美術
Bunkamuraザ・ミュージアムでマリメッコ展を見てきました。

マリメッコ。その名を聞いただけで、なんだかわくわくしてしまいます。とはいえ、不肖わたくし、そのプロダクツは何ひとつ持っておらず、でも、何となくデザインのイメージはあって・・・くらいなのですが。それでも開催を知った時からけっこう楽しみにしていました。ザ・ミュージアムでマリメッコって、いかにもな感じですしね。

さて、会場に着いてみると・・・女子率高っ!どうもこのところ、どの展覧会に行っても、正直、客層が高齢化している(自分も含め(爆))と思っていたのですが、やっぱり企画によっては若手の女子も集まるのですね。うーむ。お客さんも皆、ほんとに楽しそうな顔をして見てました。

1951年、アルミ・ラティアによって創業されたマリメッコ。その65年の歴史が一望できる展覧会となっています。個々のデザイナーの仕事も紹介されていますが、日本人デザイナーも活躍していたとは初めて知りました。

1章はイントロダクション。かの有名な「ウニッコ」や「カイヴォ」のファブリックがドーン・・・早くもテンションあがってしまいます。

2章はマリメッコの歩み1951-2016。マリメッコの代表的なデザイナーたちが紹介されていましたが、まずは、創業者アルミ・ラティアの紹介から。基本的に、自分ではデザインでしない人だったんですね。そのさりげないやり手ぶりは、女性経営者のお手本・・・かも。次は初の正社員デザイナー、ヴォッコ・ヌルメスニエミ。彼女がデザインしたドレスでつい、「こ〜れ〜欲〜し〜い」と思ってしまったものがありました。青くシンプルなそのドレスの名前は「ヘイルヘルマ」。が、ジャクリーン・ケネディが所望したドレスと知って、いきなりハードルが上がってしまいましたとさ。会場では彼女のインタビュー映像も流されていました。「他人のアイデアをパクったところで、デザインをやっている人間にはすぐにバレちゃうんだよ」的なことを、もうちょっとお上品な口調で語っておられました。そして、マイヤ・イソラ。マリメッコのデザインといえば、イメージするのは彼女の作品ですよね。かの有名な「ウニッコ」などの、大胆かつカラフルな作品。見ているだけで心が華やぎます。この章では、日本人デザイナー、脇阪克二の作品も紹介されていました。カラフルかつ洗練されたデザイン。後の方で紹介されていた「ブ・ブー」も可愛かったな。原画も素敵でした。

3章は「デザインの芸術」。この章では、もっぱら、図案がどのように商品化されたかという展示がされていました。同じ図案でも切り取り方によって、イメージが変わってくるということがわかります。ここには日本人デザイナー、石本藤雄氏の作品が。繊細かつ大胆。でも自然の取り入れ方とかに日本的な要素も感じられます。氏のインタビュー映像も流されていましたが、こちらもお洒落でした。この章では、さまざまな図案が紹介されていましたが、とりわけ眼を惹かれたのは「いちごの山」。このドレスやっぱり可愛い。あと20歳くらい若かったら、着てみたかったかも・・・(爆)。

そんなわけで、大変楽しく見てまいりました。北欧の冬なんて、曇天続きだろうけど、こんなデザインのものが身の回りにあったら、元気になれそうですよね、いつの世も。

それにしてもこの展覧会・・・かわいい子が多かったなぁ・・・。(←おっさんかい!)

伝説のオペラ座ライブ

2017-01-20 01:24:56 | 映画
東京都写真美術館ホールで「マリア・カラス 伝説のオベラ座ライブ」を見てきました。(このホールでの上映は既に終了しています。)

先日、「ミラノ・スカラ座 魅惑の神殿」を見たところ、マリア・カラスが少々出ていたのですが、これが何とも魅力的・・・彼女の映像をもっと見てみたいものだなあ、と思っていたら、思いがけず写真美術館でこの映画が上映されることを知り、いそいそと行ってきました。特別興行ということで、少々お高めの値段設定ではありましたが、本当に行っておいてよかったです。カラスは音だけ聴いても素晴らしいけれど、やはり絵でみてなんぼだ、と心底思いました。

1958年12月19日、マリア・カラスのオペラ座デビューの映像です。伝説となったガラ・コンサート、お客さんの顔ぶれも豪華です。当時の大統領に加え、シュヴァルツコップ、ジュリエット・グレコ、イヴ・モンタン、チャップリン、コクトー・・・。そしてマリア・カラスはといえば絶頂期、スターの、いやもはや女王様の貫禄です。(以下、ネタバレします)

第1部は名曲選。ヴェルディの序曲に続き、「ノルマ」から数曲。プロでもうっかり歌うと喉を壊す、と言われる難曲を完璧に歌いこなすカラス。のみならず、ノルマの心の葛藤とか、ストーリーが見えてくるような歌いっぷりです。お次は「イル・トロヴァトーレ」から数曲。神秘的な巫女ノルマから打って変わって、今度はチャーミングな女官を、これまた完璧に演じています。1部の最後は「セビリアの理髪師」序曲に続き、「今の歌声は」。これまた完璧なコロラトゥーラ。見事な高音を聴かせ、お客さんはもう大喝采・・・。

第2部は「トスカ第二幕」。カラスが残したほぼ唯一のオペラ上演映像と言われています。これがもう、凄かった。今までカラスのCDは聴いたことはあっても、映像では見たことがなかったので、わからなかったのですが・・・この人、女優としても凄かったんだ、ということを初めて認識しました。人を愛し、人を憎み、神に祈り、人を殺める。そんなトスカを全身全霊で演じています。スカルピアを演じるバリトンのティト・ゴッビもとにかく憎々しい、完璧な悪役でした。いやはや、凄い舞台だ・・・。

マリア・カラスの声は美声というのとはちょっと違う、でも独特の艶があって、何か麻薬のように効いてくる声です。テクニックも凄いけれど、最大の武器は深い表現力とか、解釈力、そして独特のオーラみたいなところになるのでしょうか・・・。一方で、カラスはものすごくクレバーな人だったのかな、とも思いました。第1部で、異なるタイプの曲を、それぞれにふさわしく、完璧に歌ってみせる。第2部では、女優としての才も見せつける。自分の魅力を最大限に魅せるには、どうすればいいのか、ということをよく知っていた人のようにも思えます。セルフプロデュース能力に長けているのかと思いきや、晩年は歌えなくなり、最後は謎の死を遂げ・・・不可解ではありますが、それでこそ、歌姫様、と思ってしまったりもします。やっぱり、彼女は伝説の歌姫、歌姫中の歌姫様です。永遠に・・・。

魅惑の神殿

2017-01-19 21:49:30 | 映画
ル・シネマで「ミラノ・スカラ座 魅惑の神殿」を見てきました。

この映画は、2014/15シーズンの開幕公演「フィデリオ」の準備に追われるスタッフの様子、スカラ座の歴史探訪、著名人達のインタビュー、アーカイヴ映像などで構成されています。(以下、ネタバレ気味です。)

それにしても、出てくる著名人の顔ぶれの豪華なこと・・・バレンボイム、アバド、ムーテイー、トスカニーニ、カラヤン、三大テノール、マリア・カラス、ヌレエフ、アレッサンドラ・フェリ、ヴィスコンティ・・・世界を股にかけて活躍する彼らにとっても、やはりスカラ座は特別らしいです。バレンボイム曰く「この劇場は生きている」。ドミンゴ曰く「その美しさは格別だ」。

スカラ座の歴史についても、半ばドラマ仕立てで描かれます。やはり、元はと言えば辣腕興行主がいたらしい。ベルディやロッシーニ、プッチーニをめぐる逸話も興味深いものでした。スカラ座の歴史=イタリア・オペラの歴史なんですよね。そして、そんなスカラ座の歴史を変えたのが、トスカニーニ。ワーグナーなど、外国の新たな作曲家の曲を取り入れました。そして、彼の登場によって、それまで歌手、それから作曲家が注目されていたのが、指揮者の時代になりました。トスカニーニといえば、トゥーランドットの演奏をめぐるエピソードもなかなかに感動的です。その後、戦災によってスカラ座は破壊されますが、戦後、ミラノの人々が、まず復興を望んだのもスカラ座でした。そして、伝説の歌姫、マリア・カラスの登場によって最高潮に。カラスの出てくるシーンは少しなのですが、それでもずいぶん魅力的。今度は、彼女の映像を見たくなってしまいました・・・。

そんなこんなで、あらゆる意味でゴージャスな映画でした。そもそもスカラ座自体がゴージャスだし。そのスカラ座の建物についても、内外の様子から設備構造までたっぷり見せてくれたりして、至れる尽くせりです。おかげさまで、めくるめくような2時間を過ごしました。まさに、魅惑の神殿・・・。

笑っているのは誰

2017-01-18 23:53:54 | 美術
ワタリウム美術館で「ナム・ジュン・パイク展 2020年 笑っているのは誰?+?=??」を見てきました。

とはいえ見に行ってからかなり日数が経ってしまったため、すっかり記憶が曖昧に・・・というわけで、思い出せる範囲で書いてみます。

例によって、鑑賞前に甘いもの・・・ということで、まずはオン・サンデーズでお茶を。チャイとバナナケーキのセットを頼みました。このケーキ、素朴なお味でおいしい。ふと見やると、テレビで何やらライブ映像が。時間がなかったので、何となく見流してしまったのですが、これ、とっぷり眺めておくんだった、と後悔することに・・・。

2階は「パイク地球論」。入ってすぐのところに「フレンチクロック」が、ここでパイク時間に引き込まれます。そして奥には「ケージの森」。なつかしい。ワタリウムの吹き抜け空間で見ると、やはり感動してしまいます。サンクチュアリのよう。バックには教授の「てぃんさぐの花」が流れています。むかしむかし教授の“Beauty”は何度も何度も聴きました。ついついあの頃にタイムスリップして・・・。3階には「ユーラシアのみちと永平寺」が。そういえばユーラシアという言葉って最近あまり聞かなくなりましたね。独特の雄大な響き。ユーラシアといえば、ボイスとパイクは生涯を通じて、ヨーロッパとアジアを一つの大陸文化としてつなげる共同制作「ユーラシア」を行っていたそうです。また、この階には「ニュー・キャンドル」も。揺らめく光についつい見入ってしまいます。4階は、「ヨーゼフ・ボイスとナムジュンパイク」。二人の結びつきの強さをあらためて知ることができました。ボイスの死後もバイクによるコラボレーションは続いていたのだそうです。二人のパフォーマンス“Coyote Ⅲ”も視聴できました。ボイスの鳴き声とパイクのピアノ。パイクはピアノもうまかったんですね・・・。

展覧会のチラシにパイクの詳細の年表が載っていました。めちゃめちゃ華麗な経歴です。どうして音楽の道に行かなかったのかは、気になるところですが・・・。この時代って“巨人”みたいなアーティストが登場しますが、パイクもその一人だったのでしょう・・・。すごい時代だったんだと思います。

ところで、パイクというと思い出す曲が。教授の“A tribute to N.J.P”。今となっては死者への手向けとなってしまいました。没後10年、ですね・・・。

グレート・ミュージアム

2017-01-17 20:57:28 | 映画
ヒューマントラストシネマ有楽町で「グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状」を見てきました。(この映画館での上映は既に終了しています。)

2012年に始まったウィーン美術史美術館の改修工事の舞台裏を撮ったドキュメンタリー。淡々としたドキュメンタリー・・・というか、どうも淡々とし過ぎている、と思ったら、これはダイレクトシネマという手法なのだそうです。解説も音楽もインタビューもない映像。装飾がない分、独特の生々しさが。ちなみに、監督さんは美術史を学ばれた方のようです。(以下、ネタバレ気味です)

ウィーン美術史美術館。世界三大美術館の一つにも数えられる、言わずと知れた大美術館。よって、映画に登場するスタッフも多様です。総館長、財務責任者、各館の館長、クリエイティブディレクター、修復家、お客様係・・・。彼らの仕事は「ハプスブルグ家の遺産を管理し展示すること」。とはいえ、やっている事は、普通の会社とけっこう似ていたりもします。ブランド戦略やら予算をめぐる攻防などなど。一方、黙々と緻密な作業を続ける修復家たち。かと思うと、自分たちの扱いに不満をもらすお客様係。彼らの間にも微妙にヒエラルキーのようなものが存在しているのでしょうか・・・。

しかし、普通の会社と違うのは、彼らが「ハプスブルグ家」を背負っているということ。重荷だと言う者もいます。「ハプスブルグ家の忠実な僕となるか、現代人として市場に身を委ねるか」という葛藤は、おそらくこの美術館で働くだれもが抱いているのでしょう。かと思うと「古いのは美術品と建物だけ」と言う者も。「500年前の作品が現代人にとってどんな意味を持つのか」という問いかけは、見る者にもあてはまりそうです。たぶん、「500年前の作品」が、めぐりめぐって今を生きる力をあたえてくれるんだと思う。そして、500年前と今をつないでいるのが、この映画に出てくるような人々の日々の営み・・・。

むかしむかし、ウィーン美術史美術館に行ったことがあります。あまりに昔のことなので、記憶も朧なのですが、とにかく膨大なコレクションに茫然としたこと、日本に◯◯美術館展といってやってくるのは、ほんっっっの一部なんだろうな、そして本当のお宝は外には出さないんだろうな・・・と思ったことを覚えています。

ところで、この映画、最後にブリューゲルの「バベルの塔」がクローズアップされます。今年、もう一枚のバベルの塔が日本にやってくるらしいですね。そっちも楽しみ楽しみ・・・。

A Day in Dystopia Tour Final

2017-01-15 22:57:46 | 音楽
そんなわけで、森広隆@TSUTAYA O-WESTに行ってきました。

森さんライヴに行くのは約1年3ヶ月ぶりです。今回はしょっぱなから意表を衝いた演出が。ギターと歌声は聴こえるのに、森さんの姿が見えない・・・と思ったら、なんと客席から登場。私もひさびさに近い距離から拝ませていただきました。ヘッドセットマイクを最近、投入されたのだとか。「マイケル・ジャクソンか、TMNの木根さんしか使っちゃいけないものだと思っていた」そうですが、その気持ちよさに開眼したようです。あ〜びっくりした・・・。

今回のメンバーはドラムが宮川剛さん。ドラム姿を拝見するのは初めてかも。凛々しい。ベースは紺野さん。紺野さんのベースを聴くのは久しぶりなのですが、紺野さんのベースってこんなにエロかったっけ?(爆)。私の耳が変わったのか?思わずクラクラしてしまいます。ローズは河野伸さん。やっぱり生ローズがいると、場の雰囲気が一変しますよね。ローズ使いのお手本。コーラスはKiyoさん。森さんとKiyoさんってかなり声が似ているような気がします。ハモるとどっちがどっちだかわからなくなるくらい。合わせているのか、もともとそういう声なのか・・・謎です。

今回は、“A Day in Dystopia”の曲とそれ以外の曲が半々くらい、踊れる曲と聴かせる曲のバランスとかもいい感じでした。編成もいろいろチェンジしたりしてましたね。セットリストとかは全然メモしてないので、もう思いつくままに・・・曲順もめちゃくちゃだし、さすがに全曲は書ききれませんが。

・ 交差点 この曲に乗って森さん登場。ひさびさに聴きました。ライヴの空間も交差点みたいなものかも、とふと思いました。
・ ただ時〜 今日はギター一本で。この曲を聴くたびに、初めて聴いた時から◯◯年、その間、私 何してたかな〜、とか、ついつい考えてしまいます・・・(爆)。
・ やっぱり猫に〜 この曲もひさしぶり。やっぱり猫の声がないと、ちょっと寂しい。連れてきちゃえばよかったのに、って無理か・・・。
・ ネオフィリア この曲をLiveでやってくれると、やった〜って感じですよね。お客さんも16で揺れてました。さすが森ファン・・・。
・ 密室 生ローズで聴く密室は最高・・・贅沢な空間が生まれてましたね。
・ いいんです この曲聴くと腰砕け状態になってしまいます。体中の力が抜けるというか。で、私、疲れてたんかな〜とか、つい思ってしまうという・・・。
・ 早すぎるクリスマスソング やっぱり、サビのハモが気持ちいい〜。森さんとKiyoさんの声が、区別つかないくらいでした。
・ 2D star CDで聴くのとLiveで聴くのとで、だいぶ印象が違いますね。ライヴハウスで、それもミラーボールがくるくるしている下で聴くのがいいな〜、と思いました。
・ pebama 森さんのローズ弾き語り。ローズで聴くpebamaも綺麗ですよね。やっぱり名曲。
・ メガロポリタンズファンク 森さんとバンド、お客さんとのコラボレーションがうまい具合に決まって、本当に楽しかったです。
・ trash この曲も、Liveでやってくれるとやった〜!ってなる曲。紺野さんのベースが凄かった・・・。
・ rainbow seeker 森さんのギリギリのハイトーンを生で聴くのが楽しい。ライブの終盤にこの曲持ってくるってチャレンジングな・・・。
・ コーラナッツウィルス アンコールでこの曲やるか〜(笑)。この曲もLiveでやってくれると嬉しい曲。人力ドラムンベースってやる方は大変だと思うけど。宮川さん、紺野さんお疲れさまでした・・・。
・My girl 出だしのテンポがちょい遅めかな〜、と思ったけれど、踊っているうちに気にならなくなった(笑)。この曲もライブハウスで、ミラーボールの下で聴きたい曲。ローズのソロもかっこよかった〜。途中、ラテンっぽくなったりして面白かったです。
・ Heaven アンコールでこの曲やるなんて!何度聴いても同じところで鳥肌が立ってしまいます。
・ 愛のbeat ダブルアンコール。前方のお客さんと握手してました。いいなぁ〜。

つらつらと書き連らねてしまいましたが、要はとっても楽しかったんです。周りのお客さんもほんとに幸せそうな顔してました。それも尋常じゃない感じ。なんて言うんでしょうか、長いこと入院してて、やっと退院して家に帰って、初めてビールをぷしゅーと開けた瞬間、みたいな(←何じゃそりゃ)。それにしても、今回、客層がちょっと変わっていたような気がしました。若い方が増えたかな?去年のツアー三昧の成果なのでしょうか・・・。

あと、今回、とんっでもないものを見てしまいました。森さんのムーンウォ−ク。い、いつの間に、こんな技を・・・(爆)。

裁かるるジャンヌ

2017-01-14 09:12:53 | 映画
ユーロスペースで「裁かるるジャンヌ」を見てきました。(この映画の上映は終了しています)

現役の日芸生さんが企画・運営する映画祭「宗教を考える」の一環として上映されていました。「裁かるるジャンヌ」って、サイレント映画の到達点ともいわれる作品で、前々から見てみたいとは思っていましたが、なかなかその機会がなく・・・今回、上映されると知って、ありがたく見に行ってきました。上映前に関係者の方のごあいさつがあり、このフィルムを持ってくるのが大変だったということをお話されていました。ますますありがたみが増してしまいます。

カール・ドライヤーといえば、むかしむかし「奇跡」は見たことがあったのですが・・・.もうあまりに昔のことなので、ストーリーはすっかり忘れてしまいましたが、何か特異なものを見てしまった、という記憶は残っています。「裁かるるジャンヌ」も、やはり特異な映画でした。

ジャンヌ・ダルクの異端審問裁判とその後の火刑を描いた映画です・・・と言っても、その後の感想が出てこない・・・。これを見てしまった後に何をかいわんや、という映画が稀に存在しますが、この映画もその一つなのでしょう。裁判劇をサイレント映画でやってしまう、というアグレッシブさもさることながら・・・クローズアップの多用でも知られた作品ですが、ほとんどジャンヌの顔芸、というか眼の映画。あの、熱に浮かされたような眼。あれが全てといっても過言ではないかもしれず・・・映画を見てから何日も経っているのに、あの眼が焼き付いて放れません。そして、最後、生きたまま火に焼かれるジャンヌが流す涙。でも、彼女の眼には神が見えていたのでしょう。信仰なのか、狂気なのか。彼女と同じような眼をして、神の名のもとに死についた人は、過去に何人もいたでしょうし、これからもいるのかもしれません。

ところで、この映画祭のラインナップ、他にも見てみたい、もしくは見たことのある映画がたくさん並んでいました。映画祭を企画した学生さん達の多くが、95年生まれ(!)なのだとか。95年っていえば、私、何してたかなぁ・・・(←遠い眼)。いやはや、頼もしい限りです・・・。

色の博物誌

2017-01-12 23:54:28 | 美術
目黒区美術館で「色の博物誌 江戸の色材を視る・読む」を、見てきました。
こちらもだいぶ前に終わってしまった展覧会ですが、心覚えのために書いておきます・・・。

目黒区美術館が手がけた「色の博物誌」シリーズの6回目となる展覧会、テーマは、江戸時代の豊饒な色材です。展示は「国絵図」から始まります。幕府の命により、各藩が総力を挙げて制作したという巨大かつ極彩色の絵地図。不肖わたくし、国絵図をそれと意識して見るのは初めてような気がします。とにかくでっかい・・・そして色鮮やか。お山やらお城やらの表現も面白いです。国絵図ではもっぱら岩絵具が使われていたらしいです。しかし、いきなりの国絵図、けっこうインパクトがありましたね・・・。

次は浮世絵。ここで衝撃の発見が。それは立原位貫氏の復刻浮世絵。自分がこれまで見てきた浮世絵はなんだったんだろう・・・というくらいの衝撃でした。実際の浮世絵は、本当にこれくらい色鮮やかだったのかもしれません。となると、今になって当時の作品を見る私たちは、常に色が引き算されている、ということを頭に入れておかなくてはならないのでしょうか・・・。立原氏は、昨年、亡くなっていますが、元はジャズのアルトサックス奏者だった、ということも音楽好きとしてはけっこう衝撃でした・・・。

あと、浮世絵の青の変遷に関する展示もありました。浮世絵の青は大好きなので思わず見入ってしまったのですが、とにかくプルシアンブルーが使われるようになったのが大きなターニングポイントだったようです。ところで、プルシアンブルーといえば・・・美術館でいただいたミュージアムシートに下山進氏の「浮世絵の色材研究」という論文が載っていたのですが、そこに秋田蘭画の小田野直武の作品では、浮世絵より50年も前にプルシアンブルーが使われていたということが書いてありました。秋田蘭画、謎多すぎです・・・。

続いて色材のコーナーが。色とりどりの粉を見ているだけで楽しくなってしまいます。朱・紅・弁柄・臙脂・藤黄・鬱金・緑青・群青・ベロ藍・藍・墨・白雲母・・・色の名前もいろいろ(すんません)。その後、画材、画法書と展示は続きます。

というわけで、色フェチ(?)としては、大変、楽しく見られた展覧会でした。江戸の色の世界ってこんなに豊かだったのですね。まさに目から鱗です。目黒区美術館さんって、地味なようでいて、時折、こんなスマッシュヒット的な展覧会をやって下さるから面白いです。今年も面白い展覧会、やってくれないかなぁ・・・。

アニミタス

2017-01-11 23:38:55 | 美術
東京都庭園美術館で「クリスチャン・ボルタンスキー アニミタス」を見てきました。だいぶ前に終わってしまった展覧会ですが、自分の心覚えのために書いておきます・・・。

例によって鑑賞前に甘いものを・・・ということで、まずは「カフェ・ド・パレ」へ。シフォンケーキと紅茶をいただきました。若干お高めではありますが、シフォンケーキはふわんふわんで、おいしゅうございました。

それから、展覧会場へ。順路を無視して、カフェの隣の展示室から入ったのですが、そこで出会ったのが「アニミタス」。早くも立ち尽くしてしまいました。スクリーンに映るのは、地球で最も星座がはっきり見える場所といわれる、チリのアタカマ砂漠。風に揺れてかすかな音を鳴らす日本製の風鈴。思わずグスマン監督の「光のノスタルジア」を思い出してしまいました。ここに眠る無数の魂。「アニミタ」はスペイン語で「小さな魂」を意味するのだそうです。反対側のスクリーンには「ささやきの森」。豊島の山にあるインスタレーションを映しています。日本の原風景ともいえそうな森の光景。日本人のDNAに理屈抜きに訴えかけてくるような作品で、ひたすら癒されてしまいます。

お隣の展示室には、「帰郷」と「眼差し」。「帰郷」は大量の古着が、金色のエマージェンシー・ブランケットに覆われているという作品。ボルタンスキーといえば古着、というイメージがありますね・・・。「眼差し」は大きな眼の写真をプリントしたヴェール。ふわりふわりと揺れています。

そこから本館へ。「さざめく亡霊たち」。スピーカーから聴こえてくる老若男女の話し声。たわいもない会話かと思いきや、たまにどきりとするような台詞も。今回は旧朝香宮邸の、普段公開されていない部屋も公開されていました。ボルタンスキーは、庭園美術館で展示をすることになった時、亡霊の存在に興味を持ったとのこと。たしかにこのハコで亡霊、ってハマりすぎです・・・。往時の朝香宮邸では、どんな会話が交わされていたのでしょうね。2階には「影の劇場」。子どもの作ったようなチープな感じの作品ではありますが、毒があります。そして書庫には「心臓音」。思わず妊婦健診を思い出してしまいましたよ・・・(爆)。

あと、ボルタンスキーのインタビューを見られるコーナーがありました。時間がなかったので、少ししか見られなかったのですが、美術館のHPからyou tubeで見られるようになっていたので、家で続きを見ました。この配慮はありがたいですよね。いろいろ興味深いことを話していましたが、とりわけ印象に残ったのは「私はホロコーストの生き残り」という言葉でした。

ボルタンスキーは、かなり前から好きなアーティストさんなのですが、これだけまとめて作品を見るのは初めてでした。ボルタンスキーの作品に向き合う時には祭壇に向かうような気持ち・・・何かを悼むような・・・になるのですが、この日もそれを感じました。展覧会でもらったペーパーには、ボルタンスキーのこんな言葉がありました。「美術館は新しいカテドラル。でも、宗教との違いは答えを求めないというここで、それが重要なのです」

帰りにお庭のあたりを少しぶらぶらしてきました。私が行った頃は、まだ紅葉が綺麗でしたね・・・。

フランコフォニア

2017-01-10 23:36:43 | 映画
ユーロスペースで「フランコフォニア」を見てきました。(この映画館での上映は、すでに終了しています。)

アレクサンドル・ソクーロフが撮ったルーヴル美術館の映画。フィクションともドキュメンタリーともつかない、不思議な作品です。史実と想像、過去と現実が入り乱れる幻想的な世界観は、まさにソクーロフ監督・・・。ちなみに「フランコフォニア」とはフランス語圏の、という意味のようです。(以下、ネタバレ気味です。)

この映画を見てから、かなり日数が経ってしまったため、記憶もだいぶ曖昧なのですが・・・。映画は、第二次世界大戦前後のフランス、当時のルーヴル美術館館長ジャック・ジャジョールと、ドイツから美術品管理の責任者として派遣されたメッテルニヒ伯爵のエピソードを中心に進みます。が、合間には亡霊も登場・・・太ったナポレオンと、やつれたフランス共和国の象徴、マリアンヌ。モナ・リザを指差して、「これは私だ」というナポレオン、徘徊しながら「自由・平等・博愛」とささやくマリアンヌ。一方で、映画の監督と、美術品を運びながら難破しかけている船にいる友人との交信が続きます。これらの映像が入れ替わり立ち代わりあらわれ・・・ついつい、まどろみそうになったところに突然、ある一言が突き付けられ・・・これをきっかけに映画は急転します。

この映画はもしかしたらエルミタージュから見たルーヴルだったのかも・・・と思うようになりました。それほど、戦争を経て両者の辿った道は異なりました。そういえば、映画の最初の方で、「ルーヴルのないフランスは必要だろうか」「エルミタージュのないロシアは」という問いかけがありましたね・・・。ある意味、美は勝者のものかもしれず、敗者の方はその恨みをけして忘れない。そして、歴史ある大美術館とは、血の匂いと無縁ではない、ということをあらためて思い知らされました。

ところで、先日、NHKで「美術家たちの太平洋戦争」という番組を見ました。太平洋戦争の時、アメリカの美術家たちが中心となって、日本の文化財を爆撃から守ったという話です。もちろん、それは美談なのですが、守られた文化財がある一方で、守られなかった人命がありました。突出した美は、多数の民より価値があるという判断がされることもありうる・・・美の魔性、のようなものに思いを馳せてしまったのでした。

JACO

2017-01-09 10:04:06 | 映画
新宿シネマートで「JACO」を見てきました。

ジャコ・パストリアスの生涯を追ったドキュメンタリー。言わずと知れた天才ベーシストにして、枕詞に「天才」が当たり前のようにつく、数少ないミュージシャンの一人。誕生からその死まで、プライベートな面も含めて丁寧に描いた映画でした。(以下、ネタバレ気味です)

ジャコ・パストリアスは大好きなミュージシャンなので、夜中の上映でしたが頑張って行ってきました。本当に行ってよかったです。ジャコはリアルタイムな存在ではなかったので、まだまだ知らないことがたくさんありました・・・四児の父だったのか〜、とか(笑)。フレットレスベース誕生の謎については触れられていたけれど、サウンドの謎については結局わからずじまい。これはもう、この方は突然変異的な天才だったとしか言いようがないのかもしれません。ただ、いい時だめな時の落差は、思っていた以上に激しかったようです。演奏シーンもけっこうありましたが、いちばん心打たれたのは“Naima”をぱらぱら弾いているシーン。なんて美しい・・・!

周囲のミュージシャンの証言も多数。しかも大物揃い。ピーター・アースキンやジョニ・ミッチェルは、よき理解者でもあったようです。ハンコック曰く「農場でもやってそうなよきパパだ」。ショーター曰く「ポップに行けば大売れしただろうに、彼は魂を売らなかった」。ブーツィーは・・・相変わらず(笑)。一方、ザヴィヌルとの確執についても触れられていました。相当、いじめられてたみたいですね・・・。“Liberty City”を、高校生のビッグバンドかよ、と言ったという話にはおったまげました。ジャコのことが脅威だったのか、獅子は千尋の谷になんとやら、みたいな話なのかは判別つきませんが、周囲の人の見方はどうも前者らしい。彼らのバトルをショーターは黙って聞いていたとか・・・。それにしても、ウェザリポって、今さらながらとんでもないバンドだったんですね・・・。

この映画では、ジャコの家庭人としての側面にも光が当てられています。ツアーで家を空けることが多かったようですが、旅先ではまず絵葉書を買いに行って、子ども達に送るようなパパだったらしい。ジャコの“Word of mouth”は大好きなアルバムで、何度も何度も聴いていたのですが、“John and Mary”の由来は初めて知りました。涙が出そうになりました・・・。

ジャコは34歳で死を迎えます。クスリで死んだものとばかり思ってましたが、違ってたんですね。あのまま生きていたらどうなっていたのか、は想像すらできませんが・・・不世出のミュージシャンは不世出のまま、宇宙に帰ってしまいました・・・。

シーモアさんと、大人のための人生入門

2017-01-07 00:19:24 | 映画
アップリンクで「シーモアさんと、大人のための人生入門」を見てきました。

俳優のイーサン・ホークが89歳のピアノ教師を撮ったドキュメンタリー映画。アーティストとして、ひとりの人間として行き詰まりを感じていたイーサン・ホークが、ある夕食会でシーモア・バーンスタインに会い、彼と彼のピアノに魅了され、映画を撮ることになりました。この映画、ピアノを弾く人、ピアノが好きな人であれば、ぜひぜひ見ていただきたいような映画です。美しいピアノの調べ、穏やかな語り口がここちよく、心底、癒されます。が、不肖わたくし、体調不良の状態で行ったため、ところどころうつらうつらしてしまい、少々うろ覚えなところがあるのですが・・・(爆)。

シーモアさんは、もともとコンサート・ピアニストでしたが、50歳の時にピアノ教師に転じました。コンサートの不安に耐えられなくなった、というようなようなことを言っていましたが、こういう方でもそんなことってあるのですね・・・。シーモアさんのレッスンの様子も描かれていましたが、生徒のいいところを引き出すのが本当にうまい方だな、ということを感じました。一方で、よくないところの直し方も実に的確。そして、映画にはシーモアさんの趣深い言葉がいくつも散りばめられています。とりわけ印象深かったのが、「音楽家としての自分と普段の自分とを深いところで一体化させること」という言葉。そうすれば、音楽と人生は相互に作用し、果てしない充実感に充たされると。たしかにここまで行くと、達人というか仙人の境地です。そしてある超有名音楽家の名をあげ、彼女は音楽家としての自分と、ひとりの人間としての自分が分離しているということを自分で言っていたと、語っていました。

その他にも名言がたくさん・・・映画全体がまさにシーモアさんの金言集のようなもので、ほんとに名言集でも出してくれないかな、と思ってしまったくらいです。そして、私がもっとも心を打たれてしまったのが、終盤近くのこの言葉。

「この両手で、青空をつかめると思った」

この言葉、ピアノが好きで弾いている人であれば、腑に落ちるのではないかなぁ・・・。

映画のラストはシーモアさん自身のピアノ演奏です。シーモアさんの言葉も素晴らしいのですが、やはりピアニストというのはピアノで語るのが一番雄弁、と思ってしまいました。こんなことを書いてしまうと身もふたもないのですが・・・。嵐の後の澄み渡った青空を思わせるような演奏。頭と心と手が深いところで結びつくと、こういう演奏になるのだろう、と理屈抜きで思いました。ピアノの道はまだまだ奥深いです・・・。

宇宙と芸術

2017-01-05 23:40:02 | 美術
森美術館で「宇宙と芸術展」を見てきました。今年の展覧会初めです。

この展覧会、なんとなくスルーしていたのですが、六本木付近でふと時間が空いた時に、地下鉄の駅の看板と目が合ってしまい・・・寄って行くことにしました。

宇宙と芸術、なんて展覧会のテーマとしては、これ以上ないくらい壮大ですが、展示品もかなり多岐にわたっています。アート好きも科学好きも、大人も子どもも、それぞれツボにハマるものがありそうな感じでしたね・・・。ということで、私めの個人的なツボにハマったものをいくつかピックアックしてみたいと思います。

出典物は約200点!section1は「人は宇宙をどう見てきたか」ということで、主に歴史的なもの。まずツボだったのが、やっぱりマンダラ。曼荼羅好きなんですよね・・・おなじみ「両界曼荼羅」以外にもいろいろな曼荼羅がありました。チベットの曼荼羅も精緻で綺麗でしたし、「星曼荼羅」とか「熊野観心十界曼荼羅」、インドの立体曼荼羅なんて珍しいものも。世の中、まだまだいろんなマンダラがあるのですね。あと、和物では「竹取物語絵巻」なども。かと思うと、一振りの刀が。なんで刀が?と思ったら、その名も流星刀。隕鉄から造られたから流星刀なんだそうです。なるほど〜。そんな中、とんでもない大物も来日。ダ・ヴィンチの「アトランティコ手稿」とガリレオの「ガリレオ手稿」。さりげな〜く展示してありました・・・。

section2は「宇宙という時空間」で、主に現代美術の作品が展示されていました。太陽の熱核融合で放出されたエネルギー波を映し出したという「ブリリアント・ノイズ」というインスタレーションがかっこよかったです。あと、面白かったのが野村仁さんの作品。なんと月のクレーターを音符に見立てたという楽譜によって制作された交響曲。これが月の写真とセットになっています。曲はちょっと武満っぽいというか、綺麗で神秘的な曲でした。これフルで聴いてみたいなあ、とちょっと思いました。

Section3は「新しい生命観—宇宙人はいるのか?」。ここではなんと、ダーウィンの「種の起源」の初版本が。そうくるか・・・。そしてなんと、江戸時代の日本にもUFOが来ていたらしい、という「うつろ舟の女」。今も昔もUFOに乗っているのは美女と相場が決まっているのだろうか。かと思うと、「ザ・ルーキー」のようなきもかわいい(?)生物が・・・。

Section4は「宇宙旅行と人間の未来」。ここにはナイスバディの美女ロボットが・・・その名も「セクシーロボット」(笑)。手づくり感あふれるロケット「ザ・クローラー」は、あのチャレンジャー号がモデルなのだそうです。そして、チームラボのインスタレーション、「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく」。最初は立って見ていましたが、ほどなくクラクラしてきて、座って見てました。周りもみなそんな感じでしたね。浮遊感いっぱいの宇宙旅行気分を堪能しました。

というわけで、やっぱり宇宙っていいな〜、と楽しく見てまいりました。日頃せせこましいことにとらわれていると、こんな広大な世界があるということを、ついつい忘れてしまいます。それにしてもこの雑多な、統一感があるんだかないんだか、よく分かんないような編集のセンスってどっかで見たような・・・と思いだしたのがヴィレッジヴァンガード・・・。

帰りにヒルズの展望台に寄ってきました。ひさびさに見る夜景に感動。ここの夜景は大好きだったのですが、子どもが生まれてからは昼にしか来ていなかったんですよね。ちょうど「星空のイルミネーション」というイベントをやっていて、プラネタリウムなども眺めてきました。展覧会ともども、新年早々、いいリフレッシュになりました。

秋田蘭画

2017-01-02 22:54:56 | 美術
サントリー美術館で「小田野直武と秋田蘭画」を見てきました。

不肖わたくし、秋田蘭画のことを知ったのは、数年前に高橋克彦「写楽殺人事件」を読んでからです。以来、いつか実物をとっぷり眺めてみたいものだなあ、と思っていましたが・・・サントリー美術館で秋田蘭画の展覧会が開かれることを知り、ずっと心待ちにしておりました。

さて、鑑賞前に甘いものを・・・ということで、まずはミッドタウンの「アンリ・ルルー」へ。(こちらのお店は閉店になってしまったのですが、他にいくつか店舗があるようです)。ちょっと贅沢して、イートインでクレープとホットチョコレートいただきました。チョコレートが濃厚でおいしい・・・。

さて、甘いもの欲が満たされたところで、美術館へ。江戸時代の中期、秋田藩の藩主&藩士によって描かれた秋田蘭画。西洋絵画と、中国絵画の技法とが結びついた、何とも不思議な絵画です。その中心となったのが小田野直武。教科書にのっている「解体新書」の挿絵はこの人が描いたものだったのですね。しかし、この方、藩士とはいえ、既に十代の頃からキレッキレの絵を描いており・・・思わず、天才じゃね?と呟いてしまいます。

展覧会は「解体新書」関係資料、南蘋派の紹介、秋田蘭画の軌跡とその後、という構成になっていて、秋田蘭画が東洋と西洋の交わるところに生まれたということが、視覚的に把握できるようになっています。メインの秋田蘭画は秋田藩主の佐竹曙山、角舘城代の佐竹義躬、そして小田野直武の作品です。お殿様たちの絵も、え、お殿様がこんなに絵がうまくてええんかい、と思わず突っ込みを入れたくなってしまうレベルです。佐竹曙山の「松に唐鳥図」の松の幹の描写と鳥の鮮やかな赤、遠くに霞む風景の対比が見事。しかしながら、小田野直武は凄すぎた・・・彼の作品には魔力を感じてしまいます。清楚でありながらも妖艶な「蓮図」、艶やかな「岩に牡丹図」。枯淡な「日本風景図」。そして、何と言っても「不忍池図」(この作品の展示は終了しています。)手前に大きく描かれた芍薬、遠景に霞むような不忍池。現実の風景であろうに、どこか幻想的な、この世ならぬ風景のようにも見えます。この世とあの世との境に身を置いてしまったような不思議な感覚に捉えられ、その場に立ち尽くしてしまいました。

ところで、この秋田蘭画、実際に描かれたのは約7年という短い間のことだったようです。小田野直武、佐竹曙山が相次いで亡くなったことにより、終焉を迎えました。小田野直武は、ある日突然謹慎を命じられ、それからほどなくして亡くなったとか。32歳での謎の死。恐るべき画才、源内との出会い、若すぎる死・・・彼の作品のみならず、人生そのものもドラマテッィクかつミステリアスです。と思ったらやはり、彼を描いた小説がいくつかあるようです。いつか読んでみようかな・・・。