暑い中、上野で展覧会のはしごをしてきました。
まずは、東京国立博物館の「縄文」展。縄文に特化した展覧会を見るのは初めてです。縄文系展覧会の決定版ともいえるような充実した展覧会でした。「暮らしの美」の章には可愛らしい縄文ポシェットが。この中に木の実やらを入れていたのでしょうか。土器のアクセサリーも。「美のうねり」の章には、いかにも縄文、なうねる土器たちが。ダイナミックかつ繊細な土器の数々はまさに圧巻。たしかにピカソも太郎もびっくりという感じです。「美の競演」の章には、同時代の他国の土器が展示されています。中国、中東、エジプト・・・これらを見ると、やはり縄文の土器はある意味特殊だったんだな、と思わされます。「縄文美の最たるもの」には国宝が展示されています。教科書でおなじみの火炎式土器や国宝土偶たちが厳かに。女神さまも中空さんも合掌さんも。私は前期に行ったので、国宝土偶勢揃いは見逃したのですが、いつか全部見てみたいものです。「祈りの美、祈りの形」の章には、漫画に出てきそうなグラサン土偶(遮光器土偶)が。動物土偶たちもユニーク。「新たに紡がれる美」には著名な作家たちの愛蔵品が展示されていました。最後は岡本太郎に影響を与えた作品で締めです。そんなこんなで縄文ワールドを満喫・・・。縄文人たちのパワーに圧倒されつつも元気をもらえる展覧会でした。かつての日本人にはこれほどクリエイティブかつエネルギッシュなものを造れる力があったんだな・・・と。
さて、鑑賞後は早めのランチ・・・ということで、法隆寺宝物館の中のホテルオークラガーデンテラスに行ってまいりました。選んだのはビーフストロガノフ。少々お高めではありますが、さすがに美味しゅうございました。ミニサラダはシャキシャキ、ターメリックライスはフカフカ、ビーフはトロトロ・・・。
続いて向かったのは、国立西洋美術館の「ミケランジェロと理想の身体」展。世界に40体しかないミケランジェロの彫刻のうち2点がやってくるという展覧会です。こういう場合、えてして一点豪華主義的な展覧会になりがちですが、この展覧会は人体の理想の美というストーリーが用意されていました。プット―たちはむくむくと愛らしく、筋骨隆々の青年たちは逞しく。かと思うと、矢がぶすぶす刺さった「聖セバスティアヌス」も。そして肝腎のミケランジェロの作品は・・・何というか、気高い。石の中から自分の意志で生まれてきたかのように見えてしまいます。「ダヴィデ=アポロ」は美しくも逞しく、角度によっては艶めかしくも見えるのが不思議。「若き洗礼者ヨハネ」はヨハネ像にしては珍しく、8歳くらいの子どもを想定したようですが、何もかも見通すような眼。この像については本体のみならず、修復の努力にも感動を覚えます。ミケランジェロに影響を与えたというラオコーン像の再現作品も。雄叫びが聴こえてきそう・・・。それにしても見事に男ばかりの展覧会でしたね・・・。
最後は上野の森美術館の「ミラクル・エッシャー」展(この展覧会は既に終了しています)。エッシャーのだまし絵はもういいいかな・・・と思っていたのですが、あまりにも世評が高いので行ってまいりました。自分が知っていたのはエッシャーのほんの一面でしかなかったのだな、ということを思い知らされた展覧会でした。これほど多岐にわたる作品があったのですね。展覧会は科学、聖書、風景、人物、広告、技法、反射、錯視の8つの章で構成されていました。意外にツボだったのが「聖書」の章の天地創造シリーズ。「バベルの塔」も目眩がしそうな作品。風景ではアマルフィ海岸を描いた作品が印象深かったです。この段々が後の作品へとつながるのですね。「人物」では「婚姻の絆」。いろいろ思うところがあったのでしょうか。「広告」では「オランダ蔵書協会」のための年賀状。この作品に込められた思い・・・。そして何といっても「メタモルフォーゼ」。文字通り、圧巻でした。世界はきっとつながっている・・・。
そんなわけで上野の盛夏を堪能してまいりました。上野の秋はさらに凄いことになりそうです。楽しみ、楽しみ・・・。
まずは、東京国立博物館の「縄文」展。縄文に特化した展覧会を見るのは初めてです。縄文系展覧会の決定版ともいえるような充実した展覧会でした。「暮らしの美」の章には可愛らしい縄文ポシェットが。この中に木の実やらを入れていたのでしょうか。土器のアクセサリーも。「美のうねり」の章には、いかにも縄文、なうねる土器たちが。ダイナミックかつ繊細な土器の数々はまさに圧巻。たしかにピカソも太郎もびっくりという感じです。「美の競演」の章には、同時代の他国の土器が展示されています。中国、中東、エジプト・・・これらを見ると、やはり縄文の土器はある意味特殊だったんだな、と思わされます。「縄文美の最たるもの」には国宝が展示されています。教科書でおなじみの火炎式土器や国宝土偶たちが厳かに。女神さまも中空さんも合掌さんも。私は前期に行ったので、国宝土偶勢揃いは見逃したのですが、いつか全部見てみたいものです。「祈りの美、祈りの形」の章には、漫画に出てきそうなグラサン土偶(遮光器土偶)が。動物土偶たちもユニーク。「新たに紡がれる美」には著名な作家たちの愛蔵品が展示されていました。最後は岡本太郎に影響を与えた作品で締めです。そんなこんなで縄文ワールドを満喫・・・。縄文人たちのパワーに圧倒されつつも元気をもらえる展覧会でした。かつての日本人にはこれほどクリエイティブかつエネルギッシュなものを造れる力があったんだな・・・と。
さて、鑑賞後は早めのランチ・・・ということで、法隆寺宝物館の中のホテルオークラガーデンテラスに行ってまいりました。選んだのはビーフストロガノフ。少々お高めではありますが、さすがに美味しゅうございました。ミニサラダはシャキシャキ、ターメリックライスはフカフカ、ビーフはトロトロ・・・。
続いて向かったのは、国立西洋美術館の「ミケランジェロと理想の身体」展。世界に40体しかないミケランジェロの彫刻のうち2点がやってくるという展覧会です。こういう場合、えてして一点豪華主義的な展覧会になりがちですが、この展覧会は人体の理想の美というストーリーが用意されていました。プット―たちはむくむくと愛らしく、筋骨隆々の青年たちは逞しく。かと思うと、矢がぶすぶす刺さった「聖セバスティアヌス」も。そして肝腎のミケランジェロの作品は・・・何というか、気高い。石の中から自分の意志で生まれてきたかのように見えてしまいます。「ダヴィデ=アポロ」は美しくも逞しく、角度によっては艶めかしくも見えるのが不思議。「若き洗礼者ヨハネ」はヨハネ像にしては珍しく、8歳くらいの子どもを想定したようですが、何もかも見通すような眼。この像については本体のみならず、修復の努力にも感動を覚えます。ミケランジェロに影響を与えたというラオコーン像の再現作品も。雄叫びが聴こえてきそう・・・。それにしても見事に男ばかりの展覧会でしたね・・・。
最後は上野の森美術館の「ミラクル・エッシャー」展(この展覧会は既に終了しています)。エッシャーのだまし絵はもういいいかな・・・と思っていたのですが、あまりにも世評が高いので行ってまいりました。自分が知っていたのはエッシャーのほんの一面でしかなかったのだな、ということを思い知らされた展覧会でした。これほど多岐にわたる作品があったのですね。展覧会は科学、聖書、風景、人物、広告、技法、反射、錯視の8つの章で構成されていました。意外にツボだったのが「聖書」の章の天地創造シリーズ。「バベルの塔」も目眩がしそうな作品。風景ではアマルフィ海岸を描いた作品が印象深かったです。この段々が後の作品へとつながるのですね。「人物」では「婚姻の絆」。いろいろ思うところがあったのでしょうか。「広告」では「オランダ蔵書協会」のための年賀状。この作品に込められた思い・・・。そして何といっても「メタモルフォーゼ」。文字通り、圧巻でした。世界はきっとつながっている・・・。
そんなわけで上野の盛夏を堪能してまいりました。上野の秋はさらに凄いことになりそうです。楽しみ、楽しみ・・・。