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アートネタなど日々のあれこれ

プリ・スロン・プリ

2018-09-02 21:28:31 | 音楽
そんなわけで、今年もサントリーホールサマーフェスティバルに行ってまいりました。

今年から微妙にネーミングが変わった(笑)このフェス、今年は大ホールの「フランス音楽回顧展Ⅱ」を聴いてきました。お目当ては、そう、あの曲です・・・。

1曲目はラヴェル作曲、ブーレーズ編曲の「口絵」。短い曲で、あっという間に終わってしまいました。繰り返される独特の音型が印象的。2曲目はフィリップ・ユレルの「トゥール・ア・トゥールⅢ」。この方の曲は初めて聴きました。オケのあちこちで音が立ち上っては消え、また、立ち上っては消え、花火のようです・・・。

ここで休憩。真打登場の前にプログラム・ノートでも読んどこ・・・と思って見ていたら、この曲聴く人は原詩を読んどくのが前提だから、みたいな作曲家のお言葉が書いてあったので、あわててパンフレットの対訳を読みました。マラルメの詩。華麗にして幻惑的・・・。

というわけで、ようやく真打登場。ブーレーズ「プリ・スロン・プリ」です。現代音楽の超有名曲の割には、この曲、生で聞くのは初めて・・・と思ったら、日本で演奏されるのは25年ぶり2回目(!)なんだそうです。どこかの地方の公立高校の甲子園出場みたいなことになってますが・・・。ステージ上も異様なセッティング。果たしてどんなサウンドが聞けるのか・・・。

さて、その後に起こったことを言葉で表現するのは難しいです・・・なんというか、きらきらと煌めく音の幻影が瞼に焼き付くような、そんな一時間でした。ブーレーズの曲というと、とにかく理詰め、というイメージが強いのですが、生で聴くと、こんなにも視覚的に響く音楽だったのですね。理論も何も、この綺麗な音の連なりを実現するためにあったんだろうか、とすら思えてきます。現代音楽の一極の頂点を見た感はたしかにありました。それと同時に、やはりフランス音楽の系譜に連なる音楽でもあるんだろうな、ということも思いました。瞬間、瞬間のきらめき、揺らめきの連なりの中に永遠を見るというか・・・。そして、曲が終わった後の、死んだような静寂の瞬間・・・。

というわけで、半ば茫然としながら会場を後にしました。外に出ると、このところとは打って変わって涼しい風が。そろそろ秋も近いんでしょうか・・・。
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