aquamarine lab

アートネタなど日々のあれこれ

わが永遠の魂

2017-05-25 22:31:24 | 美術
国立新美術館で「草間彌生 わが永遠の魂」を見てきました。(この展覧会は既に終了しています。)

会場に入るとまずは大きな富士の絵がお出迎え・・・草間さんが富士を描くとこうなるか・・・何となく三岸節子の富士の絵を思い出しました。そして「わが永遠の魂」。色鮮やかな作品たちがホワイトキューブを埋め尽くすさまは圧巻でした。なぜかアボリジニのアートを思い出したりも。最初はタイトルと作品を照らし合わせて見ていたのですが、途中で諦めました(笑)。

2章は初期作品。この頃は意外にストイックな(?)作品を描いていたのですね。思わず眼を惹かれたのは「自画像」。傷つきやすい魂。3章はニューヨーク時代の作品。草間さんの闘いの軌跡と言えるのかもしれません。「No.AB」には思わず見入ってしまいます。4章は21世紀の草間彌生。おなじみ「南瓜」。そして「生命の輝きに満ちて」。この作品、大好きなんですよね。中を歩くともう、わくわくしてしまいます。最後の5章は帰国後の作品。ここは初期作品を思い出すようなストイックな作品群。もしかしたらこういう作品の方がどっちかというと好きかも・・・無意識の闇に訴えかけてくるようです。そんな中に「我ひとり逝く」。一瞬、オノ・ヨーコとジョン・レノンの馴れ初めとなった作品のことを思い出しました。でも、この作品は草間流。最後に魂はこうして上昇していくのだろうか・・・。

そんなわけで、草間さんの現在、そして過去から現在までの歩みが展観できる展覧会でした。思ったことはいろいろあるのですが・・・この時代に一人の日本女性が前衛美術家として生きていくということは、まさに闘いだったんだな、ということ。そして、作品と同じくらいパワフルな、展覧会冒頭のアーティストの言葉。アーティストって羨ましいな、とあらためて思いましたよ。作品とともに永遠に生きられるかもしれない。この展覧会からは、もっとはっちゃけて生きてもいいんだよ・・・そんなメッセージをもらったような気がします。草間さん、ありがとう・・・。そうそう、最後に「オブリタレーションルーム」でシールをぺったんして帰りましたよ(笑)。
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2017-05-16 00:08:56 | 音楽
今さらですが、キリンジ「3」を聴きました。

のんさん主演のLINEモバイルのCMのバックにかかっていた曲がずっと気になっていて・・・調べてみたらキリンジの「エイリアンズ」でした。というわけで、早速「エイリアンズ」が収録されている「3」をアマゾンでポチリ・・・。

それにしても「エイリアンズ」、名曲ですよね。この曲が出た2000年頃というと、そこそこJ-POPも聴いていたので、どこかで耳にしていたはずとも思うのですが、当時の私のアンテナには引っかかってこなかったのだろうか・・・謎です。「3」自体も名盤だし。キリンジのお兄さんと弟さんとの個性が、共通点がありながらも対照的・・・どちらかというと陽性・アグレッシブなお兄さんと、陰性・メロウな弟さん。曲によって陽と陰がくるくる入れ替わるのが面白かったです。お兄さんの作った曲はコードチェンジがかなり難解だったり、弟さんの歌詞はかなり世界観が独特だったり、と魅力は尽きません。「エイリアンズ」のほかにも「イカロスの末裔」や「むすんでひらいて」も好きだなあ・・・。

ところでキリンジ、今はご兄弟別々に活動されているようです。なんだかもったいないような気もしますが・・・ご兄弟ゆえの難しさというのもあったのかもしれませんね。いつか、あの美しい兄弟ハモを生で聴いてみたいとも思うのですが・・・。

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ダヴィデ王

2017-05-08 23:05:24 | 音楽
今年も、ラ・フォル・ジュルネ@東京国際フォーラムに行ってきました。

今年選んだのは、ローザンヌ声楽アンサンブルのオネゲル「ダヴィデ王」。ルネ・マルタンの一押しなんだそうです。この曲が日本で演奏されるのは珍しいことらしいし。こういう曲をさらっと、お手頃価格で聴かせてくれるのがLFJのよいところ・・・。

で、あっさり結論ですが、やっぱり素晴らしかった。ローザンヌというと静的なイメージがあったのですが、今回は相変わらず精緻ながらも、熱演。語り手は淡々としながらも熱の入った語り、巫女役の迫真の演技に驚き・・・ソプラノの方は本当に美声・・・合唱は言わずもがな、ですし。最後の「ハレルヤ」は天上の音楽のようでした。素晴らしい演奏のおかげで、オネゲルさん、こんな面白い曲、書いてたんですね、という発見がありました。時々、ジャズのように響くところもあり・・・ジャズで言うところの9thや11thの響きが綺麗だなぁ、と何度となく思いました。あと、今回は対訳のパンフレットを配ってくれるサービスが、とてもありがたかったです。できればちゃんと歌詞の意味を分かって聴くにこしたことないんですよね。おかげさまで、英雄とダメ男の間を行ったり来たりするダヴィデ王のドラマを文字と音で堪能できました。

というわけで、今年のイベントも終わってしまいました。来年のLFJのテーマは「亡命」だそうです。いったい、どんなことになるのだろう・・・。
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