aquamarine lab

アートネタなど日々のあれこれ

美と知の迷宮

2017-02-23 00:38:43 | 映画
シネスイッチ銀座で「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美と知の迷宮」を見てきました。

レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯と作品を追ったドキュメンタリーです。インタビューや再現ドラマを織り交ぜたこの構成は何かに似ている・・・と思ったら、そう「美の巨人たち」です。そういえば、予告編に「美の巨人たち」の宣伝もありました。何か関係があるのかなぁ・・・。

いろんな意味で「美の巨人たち」拡大版みたいな映画でしたが、レオナルドの生涯をおさらいするよい機会となりました。なかなかお目にかかれない作品たちも、どアップで見ることができましたし。レオナルドの天才ぶりというか、興味の範囲がおそろしく多岐にわたっていたことをあらためて思い知らされました。とはいえ、レオナルドの飛行機は飛ばないらしいですが(笑)。彼を取り巻く人間模様もまた多彩です。中でも面白かったのが、サライをめぐるエピソード。よほど愛されていたのでしょうね・・・。

紹介されていた作品もまた豪華。「ラ・ベル・フェロニエール」「白貂を抱く貴婦人」「洗礼者ヨハネ」「音楽家の肖像」「モナ・リザ」「受胎告知」「最後の晩餐」などなど。作品をめぐるエピソードも詳しく紹介されています。やはり「最後の晩餐」のシーンが圧巻でした。何度も修復を繰り返し、ようやく今の姿に。本当に人類の宝のような作品です・・・。

いまだになお謎多き人物であるレオナルドですが、この映画を見て、かなり人間臭い(?)人でもあったこと、そして「自然」を大切にしていたことはよくわかりました。そして、今もなお、レオナルドを知ろうとすることは、美と知の迷宮に足を踏み入れようとすることかと・・・。それにしてもレオナルドの真筆の作品って驚くほど少なかったのですね。それらを迫力大画面(←古い?)で見られるというのは、なかなか得難い体験ではありました。

そんなわけで、すっかりゴージャスな気分になってしまい・・・ちょっとばかし贅沢しちゃえ〜、ということで、近くの「和光ティーサロン」でお茶していくことに。少々お高めのお値段ではありますが、それだけのことはありました。ケーキセットを頼んだのですが、ロイヤルミルクティーはポットでたっぷり出てくるし、モンブランはキャラメルのかかったスポンジとこってりした栗のペーストの組み合わせがめっちゃおいしくて、従来のモンブラン観(?)が変わるようでした。おいしゅうございました・・・。

銀座ツアー・ふたたび

2017-02-22 21:40:56 | 美術
ひさびさに銀座でギャラリーめぐりをしてきました。

まず向かったのは、資生堂ギャラリー。「吉岡徳仁 スペクトル」を見てきました。インスタレーション「スペクトル」一発勝負です。七色の光が散乱する神秘的な空間は、カテドラルのようでもあり・・・。“Water Block”に腰掛けて眺めていると時を忘れてしまいます。天国とか極楽浄土の光景って、こんなかなぁ〜、と。人間がつくりあげたものである以上、イミテーションの天国なのかもしれない。でも、それはただただ美しいし、この世に天国を見ようとする営為そのものがアートなのかも。会場では、吉岡氏の代表作を収めた16分ほどのビデオも流されていますが、こちらも見応えありました。クリスタルな作品たち。3年前の吉岡氏の個展を見逃したことをしみじみ後悔・・・。

次に向かったのは、メゾンエルメスフォーラム。「曖昧な関係」という三人展です。ベルンハルト・ショービンガーの作品は「さらば、砲丸をジュエリーへ」との言葉どおり、意外な素材でつくられたジュエリーの数々。本来、美しく着飾るためのジュエリーが、ここではどこか痛みを伴う記憶を呼び覚ますようです。アンヌ・ロール・サクリストの作品は、15世紀のウッチェロの作品「サン・ロマーヌ」の闘いと枯山水を組み合わせたもの。時間と空間を超えた意外な出会いです。ナイル・ケティングの作品は音・光・香りを組み合わせたインスタレーション。メゾン・エルメスの空間によく似合います。バックにかかっていた音楽も好きな感じだったな・・・。三人の作品が関係あるのか、ないのか、まさに「曖昧な関係」。

最後に向かったのは、ポーラミュージアムアネックス。青木美歌さんの「あなたに続く森」を見てきました。日曜美術館のアートシーンで見て、一目ぼれした作家さんです。ガラス素材で菌類、ウィルス、細胞等をモチーフに、目に見えない「生命の在りよう」を作品にしてきたとか。ガラスでこんなことができるんだ、というくらい、繊細で精緻な作品たち。息を詰めるようにして、ただただ見とれてしまいました。ライティングも美しい。撮影可だったので、周りの女子たちが、一斉にカメラ女子と化してましたね。私も何枚か撮らせていただきました。写真で撮っても綺麗な作品です。

というわけで、ひさびさの銀座めぐり、楽しんでまいりました。本当に、いつになっても洗練されたアートが似合う街です・・・。


ジギー・スターダスト

2017-02-20 23:57:29 | 映画
K’s cinemaで「ジギー・スターダスト」を見てきました。

デビッド・ボウイが1972〜73年にかけて行ったジギー・スターダスト・ツアーの最終公演を収めたドキュメンタリー。見てしまった後に、何をか言わんや、という映画がたま〜に存在しますが、この映画もそんな一本でした。この映画、DVDも出てるみたいですが、やっぱり映画館で見て正解・・・。

この頃のデビッド・ボウイは、人間離れしています。もはや神々しい。たまに映る楽屋のシーンを見て、ああ、この人も人間だったっけ、とちらと思い出すくらいです。最初から最後まで、ただひたすら圧倒されるのみでしたが、とりわけ、「スペース・オディティ」から「私の死」あたりが圧巻でした。曲名は忘れてしまったのですが、ミック・ロンソンのギターソロが延々続く曲も凄かった。あと、この映画では、字幕も新訳に。あらためてボウイの歌詞の哲学的な深みを思い知らされます。そして、ライヴの終わりには、ボウイの衝撃的な一言が・・・。

そんなわけで、あらゆる意味でとんでもない映画でした。まさに伝説のライヴ。そういえば今、デビッド・ボウイの展覧会もやってますよね。そっちもどうにかして行きたいんだけどなぁ・・・。