aquamarine lab

アートネタなど日々のあれこれ

25周年大感謝祭

2022-10-22 23:21:50 | 音楽
そんなわけで、スガシカオ@東京国際フォーラムに行ってきました。

スガさんの25周年ツアーです。25周年大感謝祭…って、何やらどこぞのデパートとかのイベントを彷彿とさせるタイトルですが、いやはやめでたいことです。不肖わたくしも、ファン歴四半世紀近くになりますが、ここまで長いお付き合いなるとは(あくまで一方的ですが)、さすがに予想していませんでした…それにしても時の経つのって早いものですね…(しみじみ)。

まだツアーは続いているので、具体的な曲名とかは書かずにおこうと思いますが…けっこうアグレッシブな選曲だったかもしれません。25周年ということで、定番曲で固めるのかと思いきや、そうはいかないところがスガさんらしいというか(笑)。え、そっち行くの?みたいな展開もあり、全体的に未来へ向かう意志を感じる曲が多かったような。○○○○○メドレーとか、企画モノも面白かったです…まさか、タオルぶん回しながらロックナンバーを熱唱するスガさんを見る日が来ようとは…昔の自分が知ったらびっくりするだろうな…(笑)。でも、今にして思えば、コアな部分は残しつつも、時に応じて変わってきたというのが、スガさんがシビアな世界でサバイブしてきた要因だったのやもしれません。そういえば、ダーウィン先生もおっしゃってましたね…生き残る種とは、最も強いものではない。変化に最もよく適応したものである、とか。そして、新曲のお披露目もありました…バックグラウンドの映像も斬新でかっこよかったな…。

サポートのミュージシャンも素晴らしかったです…ファミシュガの演奏はエキサイティングですが、今回のバンドは不思議な安心感がありました。支えるベース、パワフルなドラム、厚く伸びるコーラス、寄り添うキーボード、そしてDURANはDURAN…(笑)。スガさんの歌は本当にストレートというか、伝えたいという思いがこれまで以上に強く伝わってくるものでした。何かあったのかな…と思ったら、やはり何かあったということが後のMCで判明。歌うこと、聴くことも、あらゆることが一期一会…そう思うと、大きな会場を埋め尽くす5000人の人々とスガさんの歌を共有したこの夢のような2時間半がどれだけ大切なものだったか…。

さて、この日は素敵なおみやげが用意されておりました…ええ、これ聴くためにヘッドフォンをリケーブルしましたよ(笑)。そういえば来年、発売されるアルバムのタイトルはイノセントに決まったようです。今から楽しみ…。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

響け!情熱のムリダンガム

2022-10-10 11:27:35 | 映画
シアター・イメージフォーラムで「響け!情熱のムリダンガム」を見てきました。

インドの伝統音楽の打楽器「ムリダンガム」の奏者を志す青年の成長を描いた青春音楽映画…ですが、この映画、なんと荒川区の南インド料理店「なんどり」さんが配給しています。この映画の面白さに惚れ込んだ挙句、「推し活」高じて配給権を買っちゃったんだとか…。予告編を見て、これは面白そう…と、いそいそと行ってまいりました。

この映画は「スラムドッグ$ミリオネア」でオスカーを受賞したA.R.ラフマーンが音楽を担当、甥っ子のG.V.プラカーシュ・クマールが主演を務めていますが、彼は音楽家と俳優の両刀使いなのだそうです。その他の役にもミュージシャンや音楽の素養のある人を起用…監督の並々ならぬ音楽へのこだわりが窺えるこの映画、インド映画好きにはもちろん、音楽好きにもたまらん作品に仕上がっております…(以下、ネタバレ気味です)。

主人公ピーターはムリダンガムを制作する職人の息子ですが、映画スター、ヴィジャイの推し活に余念のない日々…ガールフレンドのサラにも「(年に2回の新作映画の初日以外の)残り363日、いったい何をしているの?」と言われてしまうくらい、グダグダな生活を送っていました。ところがある日、ひょんなきっかけで父親の作ったムリダンガムを巨匠が演奏するのを目の当たりにし、ムリダンガムの魅力に開眼、巨匠に頼み込んで無理矢理弟子入りしたものの、カーストの壁、伝統音楽の壁にぶち当たることになります。さらには彼の才能に嫉妬したエリート弟子の巧妙な罠に嵌められ、窮地に陥ることに…。

この映画ではムリダンガムの演奏シーンもふんだんに取り入れられています。才能ある人が演奏するとまさに指が語る、指が歌う、ということになるのですね…。ピーターはこういう才能の持ち主で、そこを師匠に見込まれて弟子入りが可能になったのですが、カーストの壁の問題にも直面します。カルナ―タカ音楽は神に捧げられるもので、演奏するのは高カースト、楽器を作るのは低カースト、という構造が存在します。諸事情あって破門されたピーターが絶望するのもこういった背景があるからなのでしょう…。しかし、そんな彼にサラは「世界が呼んでる、リズムを教えようと」と言って、背中を押します。師匠にも家族にも見捨てられ、放浪の旅に出たピーターの眼の前に開けたのはインド各地の豊穣な音楽の世界…これが本当に素晴らしい…こんなに多様な音楽や楽器があったのですね…やがて、師匠の音楽を完璧にコピーしたエリート弟子との対決の瞬間が訪れるのですが、その時ピーターが奏でたリズムは…。

この映画、邦題はスポ根みたいなことになっていますが、原題は「世界はリズムで満ちている」、世界は、そして自然はリズムであふれているということに気づかせてくれる映画でもありました。人間は生まれてから死ぬ瞬間までビートと一緒、音楽は井戸ではない、川という言葉も…その川はいつか大河となり、世界につながる豊穣の海へと注ぐのでしょう…。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする