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アートネタなど日々のあれこれ

悠久の青

2024-04-28 23:55:40 | 美術
郷さくら美術館で「村居正之の世界-歴史を刻む悠久の青-」を見てきました(展示は既に終了しています)。

この展覧会では村居氏が1992年から現在まで約30年もの間、制作してきた「ギリシャ・シリーズ」を紹介していました。村居氏は岩絵具の中でもとりわけ群青色に魅了され、その色づかいは「青い墨絵」と評されているそうです。何でもご自身の手で原石から絵具を精製されているのだとか…。今までに見たことのあるようなないような不思議な青。その青で描かれた世界は月光に照らされた異界のようです。「月照」は夜のパルテノン神殿の神秘的な佇まい。「耀く夜」はなんと2mmの面相筆で描かれたという大作。想像しただけで気の遠くなりそうですが、画家自身にとっても二度とやりたくないような過酷な作業だったとか。「リンドス黎明」の仄暗い青、「映」のゆらぐ青、「洸」の光る青…。「サントリーニ」「白い教会」「光」などは青と白の対比が眩しい。「アクロポリスの月」は朝焼けのような赤い空に満月。個人的にはこの作品が一番好きだったかも…。幻想的な「雨」。「メテオラタ夕映」はオレンジ色の空が鮮やか。崇高で人の気配を感じさせない感じの作品が多いのですが、「メテオラ」「灯」は人の温もりを想起させます。「リンドスの宙」は宇宙とのつながりを感じさせるようでもあり…。数千年前から今に至るまで、太陽と月は変わることなく、この風景を照らし出してきたのですね…。

この日はひさびさに子どもたちも連れてきました。もの珍しげに見入る娘、ひたすら撮影する息子。いつか子どもたちと一緒にギリシャに行ってみたいものだなぁ…と、ふと思いました。きっとあの輝くような青と白の風景が迎えてくれるのでしょう…。
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