aquamarine lab

アートネタなど日々のあれこれ

労働なんかしないで光合成だけで生きたい

2019-04-30 23:03:25 | 音楽
スガシカオ「労働なんかしないで光合成だけで生きたい」を聴きました。

スガさんの3年ぶり11枚目(!)のアルバム。前作「THE LAST」から3年も経ってたのか・・・この3年間は自分史上もっとも忙しい3年間だったので、時間の感覚がすっ飛んでしまっており・・・。

何かもう、タイトルだけで勝負あった、な感じですよね・・・うんうんそうだよ、そのとおりだよ、と深くうなずいてしまったのはきっと私だけではありますまい・・・とはいっても、この曲は働かなくてもいいんだよ、ということではなく、幸せは人それぞれってことを言いたかったらしいのですが(爆)。「遠い夜明け」も好きな曲です。Mステに出ていたスガさんと一緒に9歳の息子が切々と歌い上げていて、複雑な思いにかられてしまいましたが。このアルバムはスガシカオ同窓会(?)的な趣もあり、ファミシュガ、kokua、big hones beeなどの方々も参加されています。ひさびさにナカムさんのお名前を発見してしまったのも嬉しかったな。そんなわけで、サウンド的なお楽しみもいろいろあります。「am 5:00」のギターが素敵だな、と思ったら田中義人さんだったとか、「マッシュポテト&ハッシュポテト」がtower of powerみたいだな、と思ったらアレンジが森さんだったとか、「光合成~」のベースはきっとスガさんだろう、と思ったらやっぱりそうだったとか(笑)。今回はサウンド的にはキーボードが控えめでホーンが前面に出ていて、華やかです。


私めは長いファンなので(笑)、DVD付の方を買いましたが、こちらも面白かったです。一番好きだったのは「アストライド」、面白かったのは「あなたひとりだけ幸せになることは許されないのよ」かな・・・。やはり映像があるとより曲の世界観が伝わってくる感じがします。ぶらり途中下船できない旅もおかしかった。ぷすぷす笑いながら見ていると、横で4歳の娘が「ママ、なに笑ってるの?」と不思議がっていました。それにしても、あの船盛のお刺身、おいしそうだったな・・・。

娘はタイトル曲が気に入ったようです。謎のダンスを踊りながら「だいの(と)かいの~なかで~」と熱唱しています。大都会が大納会になってしまっていますが(爆)。ともあれ平成後半の20年間、スガさんには楽しませていただきました。令和になったらどんな音楽を聴かせてくれるかな・・・。
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上野の桜花

2019-04-06 18:53:12 | 美術
ひさかたぶりに上野で展覧会のはしごしてきました。

お花見客で賑わうなか、まず向かったのは東京国立博物館の庭園。実は桜の時期にくるのは初めてです。桜も蓮華も綺麗に咲いていて、絵のような光景です。ああ、やっと、陰の季節から陽の季節に移りかわったんだな、と実感・・・。

そして、平成館の「国宝 東寺」へ。文字通り密教美術の最高峰が一堂に会した展覧会です。展覧会は4章で構成されていましたが、まずは空海の章。「風信帖」も出ていました。ひさびさに拝みましたが、流れるような筆致。五大尊像の燃え盛る火焔の表現もみごと。十二天像も煌びやかです。金色の密教法具の数々も。この章では後七日御修法という秘儀の際の堂内の様子も再現されていました。第二章は真言密教の至宝。最古のものらしい「山水屏風」も。面白かったのは蘇悉地儀軌契印図。印を結んだ手の図がたくさん・・・。第三章は東寺の歴史です。まずは兜跋毘沙門天立像が屹立。お顔がどこか若い頃の貴乃花に似ているような気が。十二天面や八部衆面も実に生々しいです。最後の章はめくるめく曼陀羅の世界・・・。敷曼陀羅の胎蔵界の方が出ていましたね。だいぶ褪色はしていましたが。五大虚空菩薩坐像は精緻なお像です。そして、何といっても立体曼陀羅が圧巻でした。東寺講堂に祀られている21体のうち、15体がここ上野に集結。「帝釈天騎馬像」はイケメン。この像だけ撮影可能でしたが、まさに撮られるために生まれてきたような男です。その他の像も天→明王→菩薩→如来という、仏の世界のヒエラルキーに沿って展示されていました。もう、圧倒的なパワーです・・・。仏教美術、いや、もしかしたら宗教美術そのものが、見るものというよりは、感じるものなのかも・・・ということを、まさに体感したのでした。

それから、東京都美術館の「奇想の系譜展」へ。開催を知ったときから楽しみにしていた展覧会です。8人の奇想の画家たちのトップバッターは、やっぱり若冲。しかも、しょっぱなが「象と鯨図屏風」。で、でかい・・・。「鶏図押絵貼屏風」も楽しいし、「旭日鳳凰図」や「紫陽花双鶏図」も色鮮やか。2番、曽我蕭白。キャッチは「醒めたグロテスク」だそうです。なんか、かっこいい・・・。やはり「群仙図屏風」が最高、サイケです。「雪山童子図」もキモかわいい(たぶん)。3番、芦雪。ここにもでっかい「白象黒牛図屏風」が。「龍図襖」もかっちょいい。しかし、芦雪といえば何といっても(?)ワンコです。この日もいましたよ。コロコロと愛らしいワンコが・・・。4番、岩佐又兵衛。奇想の主砲はやはり又兵衛だったのですね。キャッチは「執念のドラマ」。執念、というより怨念、という気すらします。「山中常盤物語絵巻」ももちろん出ていました。私が行った時は、常盤御前は殺された後でしたが・・・。極彩色の「浄瑠璃物語絵巻」も見ごたえがありました。5番は狩野山雪。「梅花遊禽図襖」は妖しくも艶やか。緻密な奇想です。6番、白隠。あのどでかい「達磨図」は80歳を超えてからの作品だったとか。7番、鈴木其一。「百獣百鳥図」はサンクチュアリのよう。若冲の動植綵絵を彷彿とさせます。8番、国芳。「相馬の古内裏」とか「宮本武蔵の鯨退治」などの有名どころの作品が出ていましたが、若い方たちが群がっていましたね。国芳、若い方たちに人気なのでしょうか。なにげに9番、横尾忠則氏。奇想の画家たちへのオマージュ作品が。そして、最後に・・・数十年の時を経て、この展覧会を実現させた辻先生と山下先生の師弟コンビに拍手・・・。

そんなわけで、桜と曼荼羅と奇想を一日で堪能しました。日本人に生まれてよかったな・・・。そういえば、新しい元号も決まりましたね。いったい、どんな時代になるのでしょう・・・。
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