あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

減った。

2012-06-30 11:52:48 | Weblog
この週末は弁形成、ベントール、OPCAB2人とみな、経過良好で4人の退院が出まして、術後の方は3人に減りまして、だいぶすっきりいたします。先週のOPCABの方は8日で退院となり、お互いにハッピーであります。

昨日はこの地域の若い先生方との交流会に行ってきまして、みんなやる気があって、すばらしいです。
私もがぜん、勇気がわくと同時に負けてられないなという思いで、夜中に千鳥足でなんとか帰宅しました。
こっちでも、MIDCAB、MICSと低侵襲でやられている施設がありまして、私もいずれチャレンジしていきたいです。
ということで、とりあえず、ノットプッシャーだけ注文しました。来るべき時に向けて、今から糸結びのトレーニングを開始していきます。

明日は先週に引き続きゴルフに行ってきます。先週末は久しぶりに体を動かしたこともあり、今週の前半は筋肉痛でつらかった。
まだ梅雨ですので、天気が崩れないことを祈ります。

ありがたい

2012-06-29 17:05:14 | Weblog
カテ室で3枝が出まして、来週に予定しました、ということで来週は弁形成、弁置換、OPCABの3例となりそうです。たまの3例がいいとこ、これ以上はきついですね。
とはいっても、内科の先生が回してくれるので、ありがたいことです、できないなんて絶対言えません。

あと先週のOPCABの方のグラフト造影をしていただきましたが、3本と無事開存を確認できました。
やはり内胸動脈はきれいですね、、それに比べて、SVGは太くてどろどろしていて、スマートでない。今回のSVGは下腿が細すぎて、大腿からとったのですが、バルブが2つもあって、美しくないです。やはりSVGは個体差が大きいね。
バルブカッター早く届かないかね。もう半年以上過ぎてるけど、、、、。


ととのいました。

2012-06-29 16:44:47 | Weblog
ととのいました、でブレイクしたねづっちはどこへ行ったのか。
ようやくAAAの道具がおおかたそろいまして、依然と同じ道具でやれる準備が整いました。
昨日、2か月ぶりとなるAAAがありました。ちょうど、小切開を一番やっていたころの後輩が遊びに来ていたので、助手で入ってもらい、消化器の若い先生に鉤を引いてもらいました。
久々でしたが、8cmの正中切開で、clamp 41分、skin to skin 94分で終了です、over 80 yearsで血管が弱く、針穴からの出血が止まらすに追加縫合が必要となりました。石灰化の内膜が外れて、外膜のみのような血管でしたので、針のサイズを一つダウンするか、もしくは最初からテフロンフェルトか人工血管の余りをフェルト替わりで使用しとけば、追加縫合いらなかったかなと反省しています。こんなことをやっていてはなかなか60分の壁は超えられません。
経過は良好です、術後1時間で人工呼吸器を離脱して、当日の午後からリハビリと食事開始です。本日は離床して、トイレで排便もあり、1週間コースに乗っかっています。

こちらで作ったAAA手術のクリティカルパスでは、当日午後からベッド上リハビリ、夕方から食事開始で、翌日には離床開始してもらい、7日目で退院というものです。曜日の関係があり、きっと7日目の退院は難しいかもしれませんが。

あわや創部感染

2012-06-27 15:34:55 | Weblog
2週間前のOPCABの方が3日で傷が3cmほど開きまして、ちょっと感染にしては早いなと思いつつ、ガーゼドレナージのみで経過を見ていた。
赴任し2か月足らずで縦隔炎はつらいなー、毎日洗浄、VAC療法、大網充填で1か月半コースかとひそかにブルーになっていましたが、患者さんが非常に明るい方で助かりました。結局は10日目ぐらいにはCRP1まで下がって、培養も4回とも陰性、気づけば傷もきれいになって、滲出液も減りまして、昨日、ドレーン入れて埋没で閉鎖できましたので、週末には帰れそうです。

やはりOPCAB

2012-06-27 14:37:46 | Weblog
先週は弁形成につづいて、週末にCABGが入りました、UAPというほどではありませんが、雪かきで苦しくなった労作性の方ですが、ちょっとCAG見たら帰せないかなと、LADがdiffuseに90%の3枝病変で、CXは小さいのでほっときましたが、右2か所ということで、なんとか指導の先生を捕まえまして、OPCAB3本、4時間弱で無事終了となりました。最近、練習していないせいか、吻合に時間がかかります。IMA1本、SVG2本ならやはり3時間で終わらせないとボスが見てたら遅いといわれてしまいます。時間をかけてもきれいに流れてればいいという方もいますが、それは最初のうちだけで、確かにそれでも成績には差は出ないと思いますが、私はやはり手術は速い方がいいと思っていますので、スピードを求めます。
一流と言われている先生方は、どうしたら無駄なく一秒でも早く吻合できるか、いまだに日々考えているらしいので、こっちはとても追いつけやしません。
それでも時間はかかっても、やはりOPCABはいいですね、立ち上がりが違う、2日目には点滴もなく、フリーで廊下を歩いていますからね。ただCABGはやはりグラフト造影するまでは、大丈夫だと思っていても、内心は不安なものです。
今週はまず、AVR+MAZEがありましたが、いくつかトラブルがあり、ちょっとひやっとしました。これまで話は聞いたことがあるが、自分ではいつも注意していて、やってしまったことはなかったのですが、ここのところ調子に乗っていたのだと思います。ここはさすが百戦錬磨の指導医、なんなくシューティングを見せていただきました。遮断時間が130分になってしまいましたが、大きな問題はないでしょう。AVRは指導の先生のアシストがすごくて、大変勉強になりました。前立の先生がどれだけ手術できるかで、かなり変わるものだと、つくづく思うのである。この方法であれば遮断時間がさらに短くなりそうである。

こちらへ来て、左心耳を閉鎖する方法を教えていただき、MAZEの方にはみな行っていますが、やはり、1度でも裏からの出血が止まらない経験などされると、外からくくるだけ、もしくは左心耳は何もしないみたいな方針になるのでしょうか。今のところこちらへきて3例、左心耳を中から閉鎖しましたが、たまたま出血はしていません。大事なのはやはりしっかりした線維組識に針をかけて裂けるようにすることなのでしょうが、いつもはっきりとしっかりとした組識があるとは限りませんし、、、、。
ただ、やはりハンプを使わないと尿量が維持できない印象はあるかな。そんなこともあり、今月からは、人工心肺症例は全例、術中からハンプを低用量で流しています。だいたい術中から時間200-300mlぐらいは出てくれますので、術後もこの勢いのまま、一晩で2000-3000ml出てくれて安心です。ハンプの術中投与いいですね。
これまでは、あんまり勝手なことはできませんでしたが、こちらへきてからは自分のやりたいように自由にやれますので、これまで試してみたかったことをいろいろやってます。

今週はあとはAAAです。さすがに指導の先生は呼べませんので、丁寧な手術を目指して頑張ります。

こればっかりは

2012-06-19 20:06:42 | Weblog
先週バイパスした方のグラフト造影を今日やっていただきましたが、2本ともきれいに流れていて、ホッとしました。
先週のバイパスはブロアーが全く当たらずに、水もなく、、、、ほぼ血の海の中で盲目的に、針先の感覚だけで吻合するような形になりましたので、心配でした。1本に20分もかかってしまいまして、あとでかなり反省しました。やはりしっかりと体制を整え直してから、良い視野で吻合すべきたったと、、、、。
きれいに流れていたからいいものの、これで詰まっていたり、狭窄でも起きていた日には、自己嫌悪でしばらく立ち直れなかったかもしれません。

術中に確認するもののない施設としては、こればっかりは造影してみるまで、枕を高くして寝ることができません。
トランジットタイムエコーか何かほしいところでありますが、一番安いやつで確か600万ぐらいだったと思います、それに50回使ったら自動的に使えなくなるとのことで、ぼったくりだな。
公的病院なら関係ないのでしょうが、われわれ貧乏病院ではとても言い出せません。
まー、バイパスが年間少なくとも30件ぐらいコンスタントにあれば、お願いしてもいいのかもしれませんが、今のペースでは年間10-20がいいとこです。今はまだ、じっとこらえるしかないですかね。
1年たったら、お願いしてみようかな。
それより、ビデオカメラがほしいですね、今は天井カメラがあるにはありますが、何かやっているのはわかっても、心臓の手術では、発表に使えるような画像は無理ですね。
開胸器に直接つけるタイプがあり調べてもらいましたが、故障が多くあまりお勧めできないとのことで、それならばと、ベッドのレールにつけて術者の左肩のあたりから撮影するシステムをどっかで見たので、調べていただいています。あれだと、僧帽弁も、大動脈弁もOKですからね。トランジットタイムエコーより価値があると思います。

P1prolapce

2012-06-18 22:55:04 | Weblog
今日の症例は術前のTEEでは明らかにACのprolapceに見えたのに、開けてみたらP1の病変でした。なので急きょ作戦変更となり、3角切除となりました。びびってちょっと切り込みが足りなかったので、人工腱索を立ててみましたが、ややcoaptationが浅くなり、あんまり良くなかったので、結局は人工腱索をはずして、あとはcleftからの漏れでしたので、magicをかけてもよかったのかもしれませんが、弁輪を縫縮して止まりました。弁輪は必要な部分だけということで、バンドで交連付近のみの縫縮としました。この方が、後尖の動きが妨げられないので、いいのかなと最近は思っています。あとはPafがありましたので、左心耳を閉じて、PV isolationして終了です。
もちろん、弁形成の理屈とその理論は卓上で理解するものでありますが、指導医の先生は限られた時間の中で、一つ一つの手技と、その理論と実践を細やかに確認させながら、私に自分で考えさせて、実践させて手術を進めさせてくれるので、多少、時間はかかりますが、安全な範囲で、指導をしてくれ、かなり実になる手術でした。人工腱索はちょっと余計だったのかもしれませんが、それはやってみた結果であり、遮断は123分で手術時間は264分と少しかかりましたが、ポンプも上手に回してくれて、ドライ気味で終わらせてくれたので、術後は2時間ほどで抜管でき、やれやれであります。

温泉

2012-06-17 16:35:42 | Weblog
本日は患者さんの会で温泉に行ってきました。
まー、タダで飲んで温泉入って、ちょっと講演するだけでしたので気楽なものです。

患者さん方とも、たくさん交流をもてて楽しかったです。
また次回も行きたいものです。

名刺配り

2012-06-16 12:10:24 | Weblog
術後の方々はみな、まずまず順調です、ひどいDMの方がお二人ほど(お一方はさらに透析)がなんか傷が怪しいのであるが、今のところたまりなどはなさそうですので、血糖コントロールをしっかりやって、抗生剤の内服を出して、様子を見るしかないかな。傷の赤みや、発熱、炎症反応の上昇などないので、おそらくは問題ないと思われるが、ちょっと注意である。ひとりでやってて縦隔炎でちゃったら、ちょっとかなわんでね。まー、今の時代、VACがあるので、処置の手間はだいぶ省けるようにはなったが、いいものではありません。

本日はなんか、地元の何チャラ研究会というのに行ってきます。内容としてはあまり興味はないけど、地域の循環器関係の先生方が来るので、名刺配りです。
営業ですね、明日も患者の会で日帰り旅行であります。軽く講演しなくちゃいけませんが、手術ビデオで誤魔かそうかと、、、。
まー、これも、言ってみれば営業であるが、温泉に入れるのでよし。
なんかこうった、病院外の仕事が多い、ま、最初は致し方ないか。
手術させてもらえるだけで、幸せなはず、初心忘れるべからず、ぜーたくは言ってはいけません。


Re-do

2012-06-15 15:02:45 | Weblog
5-6年前に他院でCABG、今回、severeASRとグラフト閉塞という方が心不全入院しておりまして、どこかでやらんといかん感じです。
まだしっかりしたMTはしてないので、どうなるかわかりませんが、EF30%となっていますが、RITA-LADはpatentでLAD領域の動きはよさそうですので、手術すればそれなりに良くなるのではないかと思っていますが、living graftが思い切り大動脈の前を横断しているので、損傷したら泣けちゃいますが、だいたいは大丈夫なことが多いです。
ま、とりあえず手術に前向きであれば1度、造影CTでグラフトと胸骨の位置関係を見てみんことには、ストラテジーが決まらんが。
心不全もコントロールされてきていますので、1度退院で物品の確認などして、来月あたりでしょうか。はたして銀杏歯とかギブススプレッターとかあるのだろうか。

積み重ね

2012-06-14 22:56:34 | Weblog
本日は基部再建がありましたが、上行も5cmと太いので、23度の循環停止+脳分離循環下に上行大動脈も置換することとなりました。
当然ながら自分で行うのは初めてのことであり、こんなどこぞとしれない若輩者で、周りにいくつも病院がある中、この地に来たばかりの私に命を預けてくれた患者さんの勇気と指導の先生、病院のスタッフに感謝であります。
本日も指導の先生の言うがまま、操り人形のようでしたが、確立された方法と確実な吻合を指導していただき、外科的な出血は全くなく、遮断3時間、手術は5時間きっかりで終了となりました。出血もなく3時間後には人工呼吸器も離脱できて、ありがたいことであります。

自分でやってみて思ったのは、基部再建というのは出血さえしなければ決して難しい手術ではないかなと。
たまたまうまくいったから、いうのではなく、手技としては弁置換+人工血管置換+末梢血管といった感じで、場所が場所ですし、吻合箇所が多いので、大変ではありますが、これまでの手術の積み重ねで、一つ一つを確実にいつも通りやれば、出血もなく普通の手術と何ら変わりなく終わるのではないかと思います。
ただ、指導者がすばらしいのは言うまでもありません、私一人ではもう少し時間がかかっていたでしょう。

今日は上行も変えましたので、脳分離がありプラスアルファでしたので、余計な時間がかかりましたが、これはこれで勉強にはなりました。

脳分離の方法に始まり、出血しない基部の吻合、コロナリーボタン吻合のコツ、出血しない人工血管-人工血管吻合の方法など、要するには出血しない確実な吻合ということにつきます。指導の先生もおっしゃっていましたが、終板になるとどうしても集中力が切れてきて、いい加減な吻合になるから要注意とのこと、最後まで基本に忠実に、吻合に集中することが大事とのことでした。やはり数多くやっている先生は、ご自分でも苦しまれたのでしょうが、洗練された方法を持っています。

来週は弁形成とOPCABの2つとなります。この調子で頑張りたいところであります。

醍醐味

2012-06-12 17:20:46 | Weblog
本日は2枝OPCABでしたが、今回の指導も初めてお手合わせする先生でしたので、やや緊張いたしましたが、3時間ほどで無事終了。
目上の方に前に立ってもらい、手術を指導していただけるし、全て自分で組み立てて、執刀までできるというのは、何とも幸せなことで、これも自分一人でやっている醍醐味ではありますが、でも、やはり前立の先生方が初めての方で、こうもコロコロ変わると、さすがに手術は順調に行っていても、後からどっと疲れが出ますね。特に、指導の先生をお見送りした後なんかね。
今週はあとは基部再建であります、さすがに気合が入りますが、その他、やること多くて、困ります。
先週は3例でそれなりに重たい方々で、週末は医師会での発表なんかがあって、ようやく一息ついたなんて思っていたら、今週はなぜか、外科と内科のカンファレンスの抄読会両方とも当番にあたっていて、週末は患者さんの会で講演しないといけないし、来週は脈管専門医の試験あるし、、、何もできていない。
なんか気づけば、手術以外のことで忙しすぎ、最初のうちはいろいろな所に、顔を売らないといけないので、あちこち出なきゃいけないのは、いたしかたないが、これで手術がうまくいっているのでいいが、手術に影響出たら元も子もないのであり、ちょっと無理しすぎでいることに気づいたが、自分で追い込んでいるわけでなく、次から次へと頼まれて、いつのまにか溜まっているという感じである。来週からはしばらく、ペースダウンしよう。

来週は基部再建

2012-06-10 10:16:25 | Weblog
今週の3例もなんとか、みな大きな合併症は起こさず、回復しています。透析の方は思いのほか順調で、食事もバクバク食べていて、、、強い。
ASで失神を繰り返していた方ですので、心臓はかなり楽になるのではないかと思われます。

来週は2ヶ月ぶり?のOPCABと基部再建です。
基部再建は自分では経験ありませんし、コメディカルも数年ぶりとのことなので、お互い手が止まることないように、指導に来ていただける先生とコメディカル含め、手順や方法について念入りに打ち合わせて、物品の準備やイメージトレーニングを繰り返して挑みます。

porcelain aorta

2012-06-08 18:25:00 | Weblog
昨日に引き続き本日も、porcelain aortaの方です、送血は弓部に隙間がありますのでOKですが、遮断はバルーンで行えればよかったのですが、バルサルバから3cmぐらい上まで全周性の石灰化のため、切開ラインをかなり高いところに置かなければならず、バルーンが縫い代にかかってきてしまいそうでしたので、バルーンは断念して、できるだけ石灰化の少ないところで、しっかりゼロフローにして、遮断しました。
切開は、何と言いますか、比較的柔らかいところで切開していったら、輪切りなんてとても無理で、助手側はRCCとLCCの交連まで、術者側はNCCとLCCの交連までという、いわゆる逆Uの字のような切開になってしましました。切ってしまったのものは仕方ないというかそこしかきれなかったので、弁を切除に行きましたが、バルサルバまで石灰化が覆っていて、弁輪内に食い込んだ石灰化は残ってしまい、キューサーを使わせていただきました。
キューサは業者の方では貸出できるものがないとのことで、今回は前任地に無理を言ってお借りしてきました。
とはいってもキューサー触るのも、生で見るのも初めてであり、どうなることかと思いましたが、使い方さえ間違わなければ、かなり便利なものだと思います。
必要最低限に使うことですね、石灰化をすべてとる必要はなく、針が通っていとがそこそこ締まる程度までで、夢中になってやりすぎると、きっと穴が開きますね。
弁は透析の方でしたので、迷わず機械弁です。最近は海外からの報告もあり、透析患者さんでも生体弁という報告が多いですが、やはり早期劣化というのを何例か経験いたしますと、ちょっと生体弁はと思います。我が国の透析事情は海外とはちょっと違い、寿命が違いますので、、、、。
種類はSJMスタンダードを選択、なぜかといえば、カフがしっかりしているからです。こうした石灰化の強い弁輪ではカフのフィッティングが大事ですね、やわいカフの人工弁はちょっと心配です。
弁置換までは順調でしたが、苦労したのは大動脈の閉鎖です、変な風に切開してしまったし、弁置換の時に石灰化のところは裂けてボロボロだし、交連部まで切れてるし。
とりあえず縫合ラインの針の通らなそうな石灰化だけはキューサーで削って、小さなバイトとピッチで連続の1層で縫いましたが、石灰化が残っている部分は糸が締まらず、ところどころ漏れますので、ネスポーレンで思いっきり締めて、後はタココンブの、ノリの刷り込み法でなんとか止血。
遮断は120分と長くなりましたが、致し方なし、こんな方は時間をかけてよし、透析患者さんでしたが、その他の出血は思ったほどなく、いつもより一時間ほど時間がかかりましたが、4時間ちょうどで終了となりました。

普通ならこんなリスク高い患者さんはお断りしたいところでありますが、意識消失と透析困難ということで、ご紹介を受けました。
何もしなければ、、、、なのでやります。

でもラッキーなだけかもしれませんが、帰室時にブリディオン投与したら、しっかりと覚醒して、指示動作もOKで、先ほど人工呼吸器離脱へ。

昨日、今日と目が覚めなかったら、、、

しかし、指導の先生いわく、だいたいリスク高くて、気を付けている症例では合併症は起こらないもの、大きな合併症が起こるのは、なんでもない症例だとのこと、運か確率の問題だと、、、、。

今週はちょっとヘビーでしたが、皆なんとかなりそうであります。

とりあえず

2012-06-07 23:51:16 | Weblog
アッキーさん、sktさんからバルーンオクルージョンは今一つというコメントをいただき、私もどうしたもんかと思いましたが、指導の先生の方針でありますし、ここ数回の指導からして信頼できる方ですので、すなおに、胸を借りるつもりでと思い挑みました。
これまでも前任地では28度の循環停止で内腔を確認して、必要あれば内膜切除をして遮断するというのを何度か経験しており、学会などでも発表したことはありますが、数十例やっている先生のところでも、この方法もけして成績はいいとは言えませんでした。
本日、バルーンで遮断して、MVP+CABGを行いましたが、術直後にすぐ覚醒して大きな神経障害はありませんでした。
たった一例の経験でバルーンが良いとは言えませんが、上行大動脈を開ける必要のない僧帽弁手術などではよいのではないかと思いました。
ただ、やはりいくつかのコツというか注意点はありますが、、、、。
明日もporcelain aortaです、なんとかクランプできればいいですが、怪しければ、やはりバルーンを使うことになるかもしれません。