あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

off CABG 完遂

2009-08-28 19:59:29 | Weblog
今日はついにoff CABGを術者としてやらせていただきました。
これまで、時々、助手側から1本だけやらせていただくことはありましたが、ついに術者としてやりました。LAD、CXの2枝バイパスでしたけど、今週は部長が夏休みでいないので、たぶん、出番が来るとは思っていたので、それほど緊張もしませんでしたが、やはり、微妙ながらにも動いているコロナリーに針を入れていくのは難しいです。LADはさほど難しいとは感じませんが、CXがなんだか、針の持ち方がまだ、わかっておらず。CX吻合のときは針をあまり回すことができないので、最初に持針器で持った角度にしか針は出せません。そこが難しい、手もとで微調整できないものだから。
ボスいわく、心臓の動きに翻弄されてはいけない、動いていないと思って針を入れるんだというが、、、、まだ、私にはできません。
こればっかりは、練習できん。
まー、とにかく、今年の目標2つ目クリアです。
ちなみに一つ目はAAAを極めること、これは自分の中では大体OKかなと
3つ目の目標は弁置換を自分でできるようになることです。
時々回ってきますが、今はまだ、ここ掘れワンワンかな。
頑張ります。
今日は、これからテニスサークル行ってきまーす。

デスクワーク

2009-08-19 20:39:44 | Weblog
なんかまた、やらなきゃいけないことが増えました。
当面、締め切りが近いものが、3つ
1つは、今月中に、来年の心血管の抄録が締め切りになります。出すつもりなかったのですが、部長から全員出すようにと。
もう1つは、来月始めに、近くの大学の勉強会で、先日のステントグラフト感染の症例報告をするようにと、昨日、ボスから命令が。文献集めて、スライド作らなければいけません。
もう1つは、来月始めにJB-POTの試験があります。なんか、勢いで申し込んでしまった、そろそろ勉強しないと、結構、基礎的な原理とか、勉強しないと受からないらしいので

あとは、ホームページの更新やら、委員会の仕事やら、先送りにしてることがたくさんある。
考えるとブルーであるが、前向きに考えよう。

ちなみに、10月は胸部外科と阪神弁膜症とあります。みんな、阪神に行きたいというので、くじ引きでどちらに行くか決めました。残念ながら私は胸部外科となりました。阪神弁膜症は内容が濃くて、その辺の学会の講演聴くより全然勉強になります。その代わり、2日間みっちりなので、あんま遊べないけど、勉強にはなる。それとは反対に胸部外科となると、つまらん演題もたくさんあり、何を聞いていいんだかよくわからず、ただ、遊びにいくって感じでしょうか。

ヘビーな症例

2009-08-19 20:14:53 | Weblog
今週はお盆明けという事もあり、3件のみですが、それなりにヘビーであります。
昨日はDVR、MAZE、CABGの複合手術でしたが、出血多くて、術直後に病室戻る前に、手術室でそのまま再開胸しました。
このかた、過去に2回、脳梗塞やってて、一度は心停止、蘇生までされている方で、術後の脳梗塞が心配されましたが、目は覚めて抜管できました。
私は、昨日は外回りで、外来などやりながらウロウロしていましたが、そういえば再開胸になるころ、足のつまった、ばぁさんがやって来まして、カテ室でfogarty をこそこそやってました。
easy caseでしたので新人の先生にやっていただきましたが、awakeの患者の前で、手取り足取り教えるのは結構疲れました。
80うん才のばーさまだから、きっと、こっちの会話は聞こえんだろうと思って、新人を怒鳴り散らしていたら、結構、しっかりした、ばーさまで、全部聞こえてたかもしれません。ばーさん、ごめんなさいです。

今日は、透析患者のASです、最近、透析おおいです。冠動脈も狭窄有、AVR+CABG2本となりました。
ただ、上行大動脈の後壁に、ものすごい飛び出した石灰化があり、これは絶対、クランプしたらやばいというものでしたので、このあいだの症例と同様に、ちょっと冷やして循環停止して、大動脈縦切開して、石灰化取ってからクランプしました。
冷却するまで、やらせていただきましたが、なぜか、心嚢内全周性に癒着してまして、比較的ルーズな癒着でしたので、楽しませていただきました。
冷やしている間に、バイパス2本つないで、AVRは問題なく終わりました。
心嚢内は出血なかったのですが、骨のワイヤーホールからことごとく血が出て、しかも止まらなくて、縫いまくってで、大変でした。やはり、透析患者侮るなかれ、組織は弱いし、血がとまらん、ほねもボロボロ。ポンプ降りてから、閉めるまで2時間ぐらいかかりました。今のところ出血は良さそうなので、あとは、目が覚めてくれることを祈ります。

マムシ酒

2009-08-15 12:18:36 | Weblog
昨日の当直は朝の5時にマムシにかまれたおっさんがやってきました。
まー、地域柄、この時期になると時々いらっしゃいます。
都会の病院ではあまりお目見えすることはないと思います。
このおっさん、この辺じゃ、マムシ取りの名人として有名らしく、近所でマムシが出たとなると、おっさんのところに依頼が来るらしい。
この日の朝も、近所でマムシが出たとの連絡を受けて、向かったところ3匹おったらしく、果敢にも素手でつかもうとしたところ、親指をがぶりとやられたそうな。
これでマムシに咬まれて病院運ばれるの3度目とのことで、さすがになれており、咬まれてすぐに自分で親指を縄で縛って救急車よんだと。
病院運ばれてきたときは、親指に3箇所咬傷がありまして、全身が発赤して、目の周りなんかは浮腫んでまして、縛ってきたとはいえ、それなりに毒が回っている感じでした。
マムシの場合は咬傷は4箇所までで、それ以上あるときはマムシではないと。
バイタルは安定してましたので、とりあえず、水道水でよく洗ってから、咬傷部を切開して、毒を搾り出して、ステロイドと抗ヒスタミン投与しながら、その間、マムシ抗毒素血清のアレルギーを皮内テストしました。
血清は過去に使用したことがある人は、特にアレルギーを起こしやすいらしく、10%ぐらい?、結構怖いです。
そのためにもステロイドを先行投与しておきましたが、先生によってはアレルギー反応を避けるため、血清を投与せずに、セファランチン(ただしエビデンスなし)のみを投与することもあるとか。

たいがいの場合、早く処置すれば重症には至らずに済むらしいが、時に急性腎不全を起こして、命に関わることもあるらしい。

血清を投与後、全身の発赤も引いてきたので(ステロイドかもしれないが)、近所なので自宅安静として帰して、今日また、顔を出すようにいっておきましたが、どうなったかな、元気にしているか気になります。
本来は入院が基本であります。
ただ、マムシの毒というのは、咬まれても6-7割は体内に入らないらしいので、状態をみて冷静に判断しないといけませんね。
おっさんに、とったマムシはどうするのか聞いてみたら、何でも1ヶ月ぐらい水に漬けて、いろいろなものを抜くらしい、毒も抜けるのか?、でもって、その後、ウイスキー漬けにすると、結構、これが好きな人たちがいるらしい。
他の酒では臭くてダメだと、ウイスキーなら、匂いがなくなるらしい。

指先の挫滅

2009-08-13 18:59:01 | Weblog
今日は山の病院に来ていますが、先ほどハンマーで指先をつぶした方がみえました。レントゲン撮ったら、見事に末節骨は砕けておりました。
伝達麻酔して、取れかかっていた爪を取り去ってみると、組織は挫滅して、骨が露出していました。これも開放骨折(複雑骨折)に入るのでしょうか?
この場合、古くには断端形成が行われていましたが、10年ほど前からアルミホイルでラッピングする方法も行われており、どうしようかと思いましたが、この辺の方ではなく、明日、地元に変えるとのことでしたので、とりあえす、応急処置のみして、明日、地元の整形に行って、そちらで処置を行っていただくよう紹介状を書きました。
自分でやるならやはりアルミホイルでしょうか、それでも、骨の断端などはある程度は形成しなければいけないのでしょうが、これはいわゆる、閉鎖湿潤環境を保つという、現代の創傷治癒法のはじまりでありましょうか?
最近ではアルミホイルではなくいわゆる浸出液を吸収するような被覆剤でラッピングするようなことも行われているらしい。そちらのほうが患者さんにとっては快適だとか、ただ、材料とコストがアルミホイルより高くなるとのことらしい。

お盆休み

2009-08-13 18:43:08 | Weblog
今週はオペ室もお盆休みということで、予定手術はなし。
火曜日に一軒だけ緊急が入りました。
私の外来で見ているPCI後の患者さんですが、以前から時々、胸部症状があったのですが、それほどでもなく、腹膜透析ということもありカテはせずに経過を見ていましたが、先日、外来来たときは、結構症状が強くなってきているとのことで、そろそろ見てみないとまずいかなと思い、火曜日にカテーテルを予約しておいたら、案の状であり、PCIでもいけたのでしょうが、透析患者であることや、内服のコンプライアンスが悪いということで、サイファーいれても抗血小板剤飲んでくれなきゃ、ということで、もともと私の外来にかかっているということもありますが、内科の先生もさすがに外科に声をかけてきました。
私は休みをいただいていましたので、電話はありましたが、人数足りているようでしたので行きませんでした。
今は人が増えましたので、休めるときは休むのであります、気にはなりますが、こうして私が休まなければ下も休みにくいでしょうし、私一人いなくても何とでもなるものです。緊急はどんなオペでも二人いれば何とかなりますし。

早速サンプルを

2009-08-13 18:38:52 | Weblog
オプサイトPOST-OPEビジブルのサンプルを、その後すぐに取り寄せまして、早速、先週のAAAの患者さんに使用してみました。
あんまり浸出液はでない方でしたので、効果のほどは不明ですが、被覆剤がべとべとに傷にくっつくこともなく、きれいなままで創の観察もできて、よさそうな印象です。しばらく使ってみたいと思います。

今回も何とか登頂

2009-08-13 18:12:50 | Weblog
週末は富士山に行ってきました、これで五回目の登頂となりますが、今回が一番つらかった。もちろん、年々体力が落ちているせいもあるが、今回は、前日、富士山のふもとまで入って、旅館で仮眠を取って、5時ぐらいから登り始める予定でしたが、ついつい旅館で飲みすぎてしまいまして、睡眠3時間ほど、その上、酒がまったく抜けず、睡眠不足と二日酔いという最悪の体調のままスタート。
最初の2時間ぐらい、7合目ぐらいまでは、吐き気と頭痛、めまい、眠気といわゆる典型的な高山病との戦いで、何度下山しようかと思ったことか。途中で30分ぐらい仮眠を取ったのもあるが、8合目ぐらいで酒も抜けてきて、体が楽になりました。ここまできたら、もう行くしかないと思い、そのまま頂上まで、なんとかたどり着きました。5時間半と結構かかりました、今回は17人と大人数でマイクロバスをレンタルして行ったのですが、一番若い23歳の子は4時間かからず登頂していました。体調不良とはいえ、年には勝てませんね。
下山は3時間ほどで駆け下りるように下りてきました。
帰りに温泉立ち寄って汗を流しました。
次回は万全な体調で、また、チャレンジしたいと思います。もう、大酒はしません、懲りました。

限局性解離

2009-08-07 18:42:48 | Weblog
今日のAAAはSAC状でポコンと飛び出しているタイプでした。
大きさは46mm程度でさほど大きくないのですが、形が悪いということで手術になりました。
実際に、開けてみたら、限局性の解離で変な形をしていました。
中枢、末梢とも石灰化が強くて、末梢はやはりドカンのようになっていましたので、全周性に内膜を石灰化ごと外して吻合しました。
内膜固定使用かと思いましたが、その末梢もガチガチでしたのでやめました。
外膜だけでは遠隔期の吻合部瘤が心配ですので、人工血管の残りでラッピングしておきました。
今日は調子に乗って8cmの切開でアプローチしてみましたがメタボのため脂肪から出血するわ、視野は悪いわで、まー全部、自分のせいなんですが、3時間と予定より時間がかかってしまいました。
今日もボスも部長も不在でしたので、気が抜けませんでしたが、これで、なんとか部長のいない今週を大きなトラブルなく乗り切りました。
なんか、そう思うと、どっと疲れが出てきました。

明日は、外来終わったら、職場の仲間と富士山に行きます。
ふもとの旅館に泊まって、早朝から登山開始です。
平均7時間ぐらいとのことですが、学生のときは4時間で登ってました。
ただ、テレビでやってましたが、最近の登山ブームで週末の富士山は渋滞ができるらしいです。
そういえば2年前に行った時も、ご来光見に行くのに、渋滞でしたよ。
天気だけはいいといいが、、。

平面プローべ

2009-08-05 17:48:36 | Weblog
今日のAAAはストレートでいけそうなシンプルな瘤でしたので、後輩にやっていただきましたが、11cmの小切開で無事終了。
末梢がガチガチでしたのでクランプできるかどうか心配していましたが、両側総腸骨をブルでダブル噛みしてなんとかなりました。いざというときのために、細めの尿バルーンを用意しておきましたが、出番はありませんでした。
中枢は問題なく吻合しましたが、末梢は石灰化が強く全周性にドカンのようになっており、とりあえず、そのまま吻合を始めましたが、2針目で針が折れてしまいましたので、やめて、内膜を剥離することにしました。
内膜を全周性に剥離して、針のサイズを一つ細いものに落として外膜のみで吻合、綺麗に縫えましたので、吻合部からの出血はなく、さくっと終了しました。

ここのところAAAを含めた末梢血管が多く、我ら下っ端の出番も多く、楽しませていただいてますが、いつも、遮断解除した直後の下肢の血流評価はNSにもぐってもらい、下肢の脈を触れてもらうというめんどくさいことをやっていましたが、何でも、貼り付けておくドップラーのプローべがあり、手術前に貼っておけば術中いつでも確認することが出来という、すぐれものがあると。
末梢血管外科の世界では当たり前?に昔から使っているのかもしれませんが、知りませんでした。
これもオペ室NSから教えていただきました、以前働いていた病院ではいつも使っていたとのこと。だったらもっと早く教えてよって感じ。
さっそく、インターネットで調べてもらいましたら、ありました。
平面プローべというものらしいが、しかし、結構高い。
1つ7万円ぐらい、両下肢、の前けい骨と後けい骨とで4つ欲しいところだが、4つで30万、ちと高い、半額にしてくれたら4つ買いたいところである。
まーとりあえず、パンフレット持ってきてもらって、サンプルとして使わせていただこうと思う。

4PD

2009-08-05 08:04:16 | Weblog
昨日はoff-pumpCABGとARの2件
CABGでは人生2本目となるバイパスの出番がやってまいりました。
昨日はSVG-4PDをやらせていただきました。視野もスタビライザーの固定もよくて、血管も非常にgraftableであったこともあり、順調に縫えました。
やはり、いつも思うことですが、off-CABは血管を出して、よい視野で冠動脈の切開ができれば半分以上終わったようなものですね、縫うのは、条件さえよければさほど難しくはないと思われる。

2例目のARはいわゆる大動脈炎の成れの果てでありまして、炎症によるのもなのか、上行大動脈は全周性に石灰化で、送血もクランプもできず、結局、大腿送血、28度低体温循環停止で、大動脈縦切開で、中の状態を確認しました。
粥状硬化のデブリスがこびりついていましたので、それを掃除して、石灰化については内腔に飛び出しているのものはなかったので、逆行性脳潅流でAIR抜きしながら分枝手前でクランプ、循環再開して、弁置換しました。
結局、上行の石灰化は吻合ラインの針の通らないところだけ少し剥がしたのみで済みました。
上行の石灰化については、いろいろな作戦が、ありますが、やばそうなときは、とりあえず、循環停止で内腔を確認してから、考えると。
1、石灰化を取ってクランプする。
この際に、注意点は、だいたい、分枝のギリギリ手前まできり上がり、分枝の手前でクランプすることになる。そうすると、だんだんとクランプ鉗子が下にずれてきて、最後の大動脈閉じるときに泣いてしまうので、その予防策として、大動脈の切開ラインの上端に先にプレジェット付きでマットレスをかけてストッパーにしておくと。
2、脳分離+下半身はバルーンで止めて循環再開。
最終手段としては
3、人工血管にかえてしまう。

いずれにせよ、二本脱血で逆行性脳潅流でair抜きできるようにすること、すぐに脳分離できるように回路をセットしておくことである。そして、大動脈は必ず、縦切開にすることである。

2人とも、先ほど無事、呼吸器を離脱しました。
AVRの方も、心配した脳障害は無いようで安心です。

今日はこれからAAAです。
単純な症例ですので、後輩にやっていただきますが
今日はボスも部長もいないので、私が責任持ってやらなければいけません。
トラブルのないように気をつけます。

キングコング

2009-08-03 17:46:07 | Weblog
今日は出張でしたが、目覚まし時計かけわすれて、ふと目が覚めたらギリギリの時間で、服だけ来て新幹線に飛び乗りました。行きのグリーン車の中でキングコングの西野さんを見ました。
マスクしていて、全然気付きませんでしたが、小さい子供が一緒に写真撮ってくださいと言っていたので、誰か芸能人かーと思って、よく見たら西野さんでした。ま、芸能人見て騒ぐ年齢でもないので、それだけですが。
今日の僧帽弁の形成は無事終わりまして、出血もなく、覚醒もしたのを確認して、病院をあとにしました。これからまた三時間かけて帰ります。

新しい創部ドレッシング

2009-08-02 20:44:18 | Weblog
オプサイトPOST-OPビジブルというのをご存知でしょうか?
ここ何年か、創傷治癒に関する外科医の認識も変わってきて、創傷治癒に良い環境というのは、これまでのガーゼ保護や乾燥といったものから、湿潤環境で適切な温度とPH環境で閉鎖することにより、血管新生が促され創傷が早く、かつ、きれいに治るということで注目され、今から10年ぐらい前からありますがカラヤヘッシブという製品が外科術後の創部に適しているということで、結構、使っている施設も多いのではないかと思う。
しかし、このカラヤヘッシブ、理想的なドレッシングではあるのだが実際に使ってみると、いくつか問題点があり、いつもどうにかならないものかと思っていた。
まず、創部から出血があると傷が見えなくなってしまうし、そのままにしておくと最近の温床となり感染の危険がある。そして、汗の多い人、これはカラヤヘッシブがどろどろに溶けてしまい、皮膚にくっついて取れなくなってしまう。これを無理やり取ると痛がるし、創部が開いたりする。また、逆にカラヤヘッシブが浸出液で固まってしまし剥がす時に痛がることもある。
などなどであるが、この問題点を解決しつつ、これまでの湿潤、閉鎖、透視という利点はそのまま受け継いだ製品が登場しました。というか、小生の知らんうちに登場していました。
それが、オプサイトPOST-OPビジブルというやつらしい。
私も実物はまだ見ていないが、透明のフィルムに網目状のウレタンフォームが付いており、それが浸出液を吸収してくれるので、透明性が保たれるという仕組みである。
是非とも、使ってみたいのである。サンプルをもらって使ってみようと思います。

どうして知ったかというと、先日、うちのNSがじょく創のセミナーに参加したときに講義の中で出てきたらしく、教えていただきました。
新しいものが必ずいいとは限りませんが、時にはそういった方面の流れにも付いていかないといけませんね。
まずは使ってみてですな。
また、印象を報告します。

ステントグラフト感染

2009-08-02 19:57:31 | Weblog
今週は3日間当直があったので、なんだかあっという間に過ぎてしまいました。
予定手術は4件でしたが、緊急が2件入りまして、なかなか忙しかったです。
緊急は末梢血管とAAAでしたので、どちらも担当させていただきました。
末梢血管はFF+膝下のFPでした。最近はうちでも膝下の後けい骨あたりのバイパスも静脈使ってやるようになりました。
AAAはなんと、5年前に他院で挿入したステントグラフトの感染という症例でした。使われていたのは井上式で、migrationも起こしており、ネックは瘤内に落ち込んでました。多分、かなり珍しいのではないかと、調べてみましたが、ほとんど報告症例はありませんでした。
2ヶ月近く抗生剤投与されていたこともあり、瘤は炎症性の動脈瘤に似た感じでガチガチに癒着して壁が肥厚してましたので、露出するのが大変でした。瘤を開けたところ、ステントグラフトのネックは瘤内に落ち込んでまして、意味を成していませんでした。憎きステントグラフトを引っこ抜いてみましたが、内部は明らかな膿などは認めなかったので、リファンピシン漬けの人工血管で置換することにしましたが、血管が肥厚して炎症でガチガチで苦労しました。中枢は良かったのですが、末梢は両側とも総腸骨は炎症で吻合できず、inclusionで閉鎖して、外腸骨へつなぎました。最後に駄目押しで大網を人工血管に巻きつけてきました。
今のところ、元気に回復して、感染兆候もありませんが、もしこれで再度人工血管の感染を起こすようであれば、再び人工血管を除去して、今度は非解剖学的なバイパスを置くことになるでしょう。
これは、日本でも報告が無いと思うので、発表ものでしょう。
学会ねたが一つ増えました。
しかし、取り出してみた井上式のステントグラフトを見ましたが、これではmigrationも起こすだろうという構造でした、現在の市販化されている企業ステントに見られるようなバーブというれる、血管壁に引っ掛ける爪が無いので、ずれて当たり前という感じです。
時々、うちの病院でも、他院の先生がカテ室を借りて井上式を入れているが、いまだに、こんなステント入れてていいのでしょうか、明らかに長期成績は悪いと思うのですが、、、、これは口に出してはいけないことかもしれませんね。

来週は部長がアメリカに行っていないので、大変です。
トラブルの無いように私が責任もって目を光らせていなければいけません。
今のところ4件予定していますが、そのうち2件はAAAですので、気はいくらか楽です。あとはCABGとARです。
ARはいわゆるporcelain aortaというやつで上行大動脈は全周性に石灰化で、悩ましいです。送血部位もありませんので、足から送血して、28°ぐらいまで冷やして、循環停止でクランプする部位だけ5分ぐらいで石灰化外して、クランプ、循環再開というパターンになるかと思われる。
単純なARであれば担当させてもらえると楽しみにしていましたが、今回はちょっと私には無理そうです。
かわりにCABGの方で出番が来ることを祈ります。
AAAは2件とも末梢がガチガチの症例で、最悪の場合、外腸骨吻合となりそうな症例ですが、中枢は単純ですので、後輩にゆずろうかと思っています。
まー、とにかくトラブル無いように頑張ります。

明日、月曜日はボスの出張手術のかばん持ちで、M県まで行ってきます。
私もいちおうエセ麻酔科として給料をいただけますので、おいしいバイトといえばおいしいバイトであります。片道3時間なので、小旅行気分です。
そういえば、これを書いていて思い出したが、拡大鏡、病院に忘れてきてしまいました。明日、朝よっていかなければ、、、。