あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

餃子で締め

2011-12-29 14:03:29 | Weblog
今年も先日最後の予定手術が無事終わりました。
全麻症例は298で開心術が259でした、局麻の血管手術は100ぐらいだと思われ、全部で400ぐらい、今年はかなり頑張ったほうだと思います。思えば、連日2例ばかりで、盆暮れや学会シーズン以外は、ゆっくりできる日が少なかった気がします。
私の担当は開心術47、末梢が18、内訳は
offpump 22
AVR 12
MVR 4
MVP 2
TAA 1
ASD 1
ECD 1
valsalva瘤 1
解離    3
AAA 12
AAA破裂  2
末梢 4
昨年と比べると、開心術の割合が増えまして、ボスや部長をはじめ、病院のスタッフには、ほんと感謝の一年でした。
ただ、なぜか4つ下の後輩よりも開心術の件数は少ないのが、ちょっと納得いかないところ。
うちはセンスあるなしも、年功序列も、論文書いても、しっかり患者のマネージメントしても、そういうことは手術が回ってくる来ないと、あまり関係ないように思えてしまう。まー上には上なりの考えがあるので、自分は与えられた症例から最大限勉強させてもらうしかないですね。

来年も1月はすでにいっぱいで、2月もぽつぽつ埋まってきていますので、年明けからも忙しいのが続きそうです。

今日は山奥の外勤ですが、午前中で仕事納めとのことで、お昼は外来スタッフの餃子パーティーに呼んでいただき、外来の奥で焼き焼き、病院中に餃子の臭いをばらまきながら、手作り餃子をたらふく頂戴しました。
私もこのまま当直ですし、みんなも午後は病棟業務が残っているので、餃子にビールとは行きませんでしたが、ノンアルコールビールで乾杯。最近のノンアルコールはほんとよくできてます、酔いはしませんが十分飲んだ気分にはなれますね。何種類かありましたがサンガリアのノンアルコールを初めて飲んだのですが、サンガリアだけに甘い、その甘さが意外とうまかった。今度、家でも買ってみよう。

今年の正月は久しぶりに実家に帰ります。
今年も一年お疲れ様でした。来年は飛躍の年にしたいところであります。
みなさまも、よいお年を。

重複動脈瘤

2011-12-21 19:27:27 | Weblog
先日は2件のAAAと2件のEVAR、ボスの出張、外来代診、患者さんの搬送などなど重なりまして、人手がなくて関連施設から一人手伝いに来ていただきました。
AAAは偶然ではあります2件とも弓部置換と下行置換の術後の方々でどちらも3度目の手術でありました。どちらも10cmの傷で、手術時間150分、120分とまずまず、術後すぐに抜管でき、当日から経口摂取を始め、翌日には食事も開始して離床をトライしました。次はオペ室抜管と言いたいところですが、うちの病院ではオペ室1つしかないのでから、ここまでが限界でしょうか

あとは小児のASDとIEのMR、calcAS、胸骨再固定などでしたが、私が外勤当直の日は2例が終わった後、夜から上椀の仮性瘤におまけで、A型解離が来たようで、朝までみんな頑張ったそうです。ちょっと早いクリスマスプレゼントでしたか。
これで当院の年末の緊急カードは消化してくれていると良いのですが。
なんか私って運がいいのか悪いのか、緊急に遭遇するチャンスが少ない、というかこの年齢になっても外勤で拘束される時間が多いのね。緊急入るのいつも私と誰かが外勤のときが多い、おのずと2-3人しか残っていないので、2-3人で夜中~朝方まで3つも4つも手術していて大変なことが多い。
アンプラッツが出まわってからASDは紹介するようにしているので、久しぶりでしたが、この方は多孔性で辺縁がないとのことで、手術に回ってきましたが、無事終了です、28kgあるとはいえ、やはり小児の手術はASDといえどもプレッシャーかかりますね。
まー、というわけで、今年の予定手術はこれで終了のはずでしたが、UAPもどきがおりますので、来週もう1例となりました。

さすがATS

2011-12-09 18:28:20 | Weblog
ATSはやはりそんなに甘くないですね、投稿していたものが不採用との連絡が先週来ましたので、今日、GTCSに出し直したところです。今、電子投稿終了しました。
でも、いろいろとアドバイスが書かれていたので、良心的です。
これでだめなら、どうする、surgery todayあたりか、やはり日本語にするかのー。
一つぐらい、英語を通さないとな、何が何でも。
まーどうせ、また3-4カ月は返事がないだろうから、次のものに取りかかるかね。書きかけが3つ、書きたいテーマは2つあるのだが。今年度中に、なんとかめどつけたいな。

IMA再建

2011-12-09 16:00:13 | Weblog
今日はHD患者さんのいわゆるporcelain aortaのAAAでした。中枢は内膜剥離で、末梢は最悪は大腿動脈まで行くしかないかなと、みんなでどうなるかと心配していましたが、IMAの再建も加えて141分とまずまず、意外とあっさり終わりました。中枢は無理やり遮断して、末梢はバルーンで、中枢は内膜剥離して吻合しましたが、末梢は分岐前で針が通るところがありましたので、むりくり吻合。IMAが10mmと太くて、もしかしてドミナント?と思い、普段は再建しませんが、以前に一例失った92歳の方は腸管壊死でしたので、その悪夢がよみがえります。こんだけ全身の動脈硬化と石灰化がある方で太いとなると怪しいと思い、再建しましたが、内膜がずーと石灰化で2cmぐらい引っこ抜けてしまいましたので、内膜固定のないまま吻合しましたが、一応、直後のドップラーではOKでしたので、多分いいでしょう。
また、来週も2つばかしAAAが入っています。最近、なんだかまた増えたような、EVAR始まって、紹介症例が増えたのだろうが、その代わり、EVARできないのが回ってくるわけで、つまりは腎動脈がらみや、がちがちやら、慢性解離など、ちょっと難易度の高いものが多いです。レジデントが4カ月過ぎましたので、そろそろ半分ぐらいは担当してもらおうと思っていますが、変なのばっかなんだよな。

12月にはいりました

2011-12-08 20:09:30 | Weblog
年末に近づいてきましたので、すこし手術もセーブして、できるだけ待てる方は年明けに回して行こうということになりましたが、今日の時点でもう、予定日はほぼ2件で埋まってしまいました。けっこう急がなくてはいけないものがチョコチョコ入ってきます。忘年会の日ぐらいは一件でと願っていましたが、すでに一ついけなくなりました。
今年はどうも件数が多いようで、開院依頼2番目の手術件数だそうです。そういわれてみれば忙しかったと思いますが、みんな良く頑張りました。
今週はCABG3件と透析でどこまでもガチガチ、いわゆる陶器様AoのAAAです。
offpumpを一例担当させていただきましたが、LADは脂肪に、CXと4PDは筋肉内に埋まっていまして、なかなか気合が入りました。でも血管自体は非常にgraftableな血管でしたので、フィッティングもよく両側IMAとSVG1本で吻合13,10,9分、オペ230分とまずまず、ボスが外来終わって見に来てくれたことには、ちょうど最後の吻合が終わるころでした。LADが深くに埋まっていて、露出は問題なかったのですが、RITAを持ってきたので脂肪にカットを入れましたが、それでも段差でやや折れ曲がったようなくびれが残ってしまい、patencyには問題ないと思いますが、ちょっと納得いきませんでした。術後の造影でくびれが残ると、内科医からの評価が下がりますからね。

やったー

2011-12-07 09:31:30 | Weblog
昨日、ポストを見たら届いていました、専門医の結果が、去年のこともあり開封するのが怖かったけど、結果は決まっているので、すぐに開けてみたら、みごと合格、やったー。
これで私も専門医の仲間入り、とはいっても単なる学会の認定した資格であるので、何の効力もないのである。
専門的知識は一応審査されるが、手術ができるかどうか、上手かどうかはまったくもって関係ない。
チャンチャラおかしな資格である。
国が定めたものではないので、公的なものは何もないけど。
でも、やはり今後はどうなるかわからん、診療報酬なんかにからむようになったら、大変です。後輩の教育という面でも、専門医の指導が受けれないとなると、専門医になれないわけで、そうなるとついてきてくれる後輩がいなくなるかもしれんし。

ふー

2011-12-03 13:49:56 | Weblog
今日の外来もまずまず、このあたりのお年寄りはなんだかんだ言っても、みんな元気で楽しい人が多いです。
途中でオペMT2件入りまして、なんだかんだこの時間までかかってしまいました。
最近はMTの最後に、先生が手術してくれるんですよねと言われることが多くなりました。医者としてはうれし者です。患者さんや家族との信頼関係が少しでも築けたことを実感できる瞬間でもあります。
それだけに、その信頼を裏切らないように責任を持たないといけません。
ただ、それは多くはこの病院のネームブランドがあるからであり、私もこの病院の看板を背負っていなかったら、ただの若造であり、きっと、こんな若い先生でほんと大丈夫なのだろうかと、思われるのだと思います。
そう思うとここまで名前を広めた院長と副院長はすごいです、やはり前に出ていくとこも大事なことなのかもしれません。
末梢血管は私の責任で術者を決めていますので、後輩に指導することも多いですが、ステントグラフトやPTAが盛んになってからというもの、比較的簡単な症例が少なく、こちらとしてもなかなか後輩に回すのは怖いものです。
後輩がミスしてもそれは指導不足、責任は自分がすべて持つというのがほんとの上司というものですね。

昨日のお腹の方は夜に無事抜管できて、お腹も動いていますので、昼から食事も開始できました。
最近はAAAでもだいたい、翌日から食事が食べれますね、手術が問題なく、とっとと終わればイレウスになることはほとんどないでしょうか。いろいろなものが日々、進歩しているのですね。
10年後の心臓外科の世界は一体どうなっているのでしょうか、やはりカテーテル治療が大半を占めて、私たちの出番はかなり無くなってくるのかもしれません。次のイノベーションは何でしょうか、それを捕まえれたのものだけが名をあげて、生き残るのでしょうか。
いまだ、世の中はoffpump世代の先生方がほとんど、ステントグラフトとかTAVIとかがこれからは伸びてくるのはわかりますが、あれはもう外科医の範囲とは思えない。移植医療もこれから増えては行くだろうが、技術的なことではそそられない、手術前後のマネージメントができるかできないかだと思うし、一部の施設でしか認められないだろうな。
そうなると、今後自分は何で生きていけばよいのだろうか?

4分枝再建

2011-12-02 21:18:08 | Weblog
本日はDVTを伴った腸骨動脈瘤40mmの方を担当しましたが、ありそうでないのか、あるけど外科にはあまり回ってこないのか。
DVTは単純に瘤によって直下になる静脈が圧迫されることが原因ですが、最初に診察したときは足が健常肢の2倍ぐらいになってまして、WFでしばらく経過を見ているうちに、皮下の静脈がどんどんと成長しまして下肢から陰部から腹壁まで静脈瘤のすごいこと、この時点で瘤による圧迫を解除して、はたして血流が再開するのかわかりません。完全に血栓化されているようなら、単に瘤破裂の予防にしかなりませんが、まー、それでも十分ですが。
血管自体はどこもかしこも、いわゆる陶器様でありまして、吻合しているうちに内膜がぼろぼろと崩れて剥離してきてしまいましたので、思い切って取りまくりました。内膜固定はあまりしませんでしたが、幸い今のところ閉塞はありません、でも一晩は注意ですね。
5か所吻合でしたが、痩せている方で、14cmの切開で149分で終了。
ちょうど、血管外科の演題が今日、締め切りでしたのでデータ整理していたら、かつて4分枝再建しているときは、毎回300分以上かかっているのよね、しかも血の海でやっていた記憶がある。なんでだろう、やはり余計なことやりすぎてたのと、手が止まっていることが多かったかな、今日はすべて術前のシュミレーション通りに行きましたので、止まることなく一気に行ったという感じがします。
圧迫が解除されて万が一、肺梗塞になると困りますので、いちおう入室前にカテ室によりましてIVCフィルターを入れていただきました。2週間以内なら抜去可能だそうなので、退院前に目詰まりしていないか確認が必要ですね。
術直後みたら、だいぶ足が細くなったような気がするが、気のせいかな?そんな劇的ではないか?術者の希望的観測というやつだな。
足が細くなってくれることを祈ります。