あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

TAAへの道

2006-04-28 23:15:46 | 術者、勉強になった症例
今日は、descendingのTAA一例であったが、ボスの前立ちを大変楽しませていただいた。
通して前立ちさせてもらったのは初めてであり、術者側からproximalの視野悪かったため、それが幸いしてラッキーなことに、proximalの吻合半周だけやらせてもらった、ながーい持針器で胸腔の奥のほうの吻合はなかなか感動的であった。ついに俺にもTAAの吻合に手をかける日が来た、ほんのさわりだけですけど。
研修医の頃は大血管というと、一番難しい部類で、心臓外科の極めの境地って言うイメージであり、なんとなく聖なる域へ足を踏み入れた気分である。
吻合部からも、周りからもほとんど出血せず、ついでに見っけてしまったブラも縫縮させてもらって、4時間半ぐらいで無事終了。7,8時間かかるのを覚悟していたが、すんなりとストレス無く終わって気分爽快、さすがボス、やはりこの人は天才。

投稿

2006-04-26 01:22:30 | 学会活動
今日は、AAAの前立ちと、MAP+TAPのPump-onと前立ちとやらせてもらったが、どちらも3時間前後で終わったので、夕方には終わり、いつものごとくなだれ解散となったが、論文の投稿準備をしていたら、いつの間にか夜中になっていた。
やっとこさ、ペーパーが1つ投稿するまでこぎつけた、ほとんど書類はそろったので、あとは署名をもらって提出するのみ。まー、どーせ、これから2,3回は手直しが入り、半年ぐらいはかかるのだろうが、とりあえず一息つきました、ふー。

豚、豚、豚

2006-04-24 02:20:11 | チャレンジャーズライブ
今週末もダラダラと過ごしてしまった。今書き途中のペーパーがなかなか思うように進まなかったので、内容を削ってシンプルなものにしたら、意外とすんなりまとまって、あとは少し肉をつければいいかなというとこまできた。
まだまだ、あと2ヶ月の間に、日循と血管学会の発表とあと、もう二つ書きたいペーパーがあるが、無理だな、症例報告したい内容もいくつかあるが、もう無理。もっと早くにやっとくべきでした、反省。
今日は、また、豚さん買ってきて5本ほどつないでみたが、けっこういけてる気がしてきた。あとは本番で緊張して手が震えたりしなければ、いいとこいけそうな気がしてきたが、、、あまいか。

新人さん、いらっしゃい

2006-04-22 20:59:21 | Weblog
今年も、新人NSが12人入ったが、ひと月もたたないうちに、もう4人辞めてしまった。これはいつものことであるが、ひどい話である。今の若い子は全く、、、、という以前の問題であり、うちの病院のかなりの問題があると思われる。
毎年、半分近くのこが早々に消えていくのはおかしい。
1つには、理想と現実のギャップ、世界的レベルの病院だとうたっているので、専門性を高めたい方々は、期待してやってくる、ところが現実は、治療レベル以外は大変に古い体制で、看護部なんて凍りついてる、だいたい経験者で理想を抱いてきたエリートの方々はこれで見切りをつけてしまう。
もう1つの理由としては、うちにはびこるお局NSどもの悪質なイジメである。
しかし、こんなこと毎年繰り返していて、目先のことを埋めるだけで変えようとしない、この病院幹部の方々にあきれるばかりである。
こういった噂が流れて流れて、ますます就職希望者は減るばかりである。
外ばかりでなくもう少し内部にも目を向けていただきたい。でないといつかつぶれてしまうことは目に見えている気が、、、。
どうなることやら、、。

おしかった

2006-04-19 02:44:38 | 術者、勉強になった症例
今日は4例目となるASDのオペが降りてきたが、結構ミスしまくってたわりに終わってみたら2時間14分と以外と早かった。
ポンプ乗るまでが40分、ポンプが45分、閉胸に50分かかっていた、全部5分づつ短縮できれば2時間切れるはず、おしかった、ちょっとねらっていたのに。
あの榊原記念の先生は小児だけどポンプまで10分ぐらい、ASDならskin to skinで40分ぐらいである。
そう思うとまだまだである。
今日は予定の2例のあと総腸骨の破裂が来て、それを内科でステント入れまくってダメで先ほどやはり手術になった。だったら最初から手術に回してくれといいたくなる、8時間近くもカテーテルやられて挙句の果てに夜中になってからオペ、明日も普通に朝から予定手術入っているんですが、、、、。
まー、とにかく何とか助かるといいのだが。

日曜日のオペ室

2006-04-16 18:33:52 | チャレンジャーズライブ
今日は日曜日、学会明けで患者も少なく、のんびり回診して、午後はバイパスの練習した。
病院から車で40分ほど行ったところに、珍しく豚のハツが売っているスーパーがあり、そこで今日は上物を4つほど購入し、しめて800円なり、安い。
ここのハツは安いが心房が切り取られ房室弁も破壊されているため、バイパスの練習にしか使えないのだが、まー十分だ。
それをこっそりオペ室に持ち込んで、まずはグラフト採取、CXがわかればそれを掘っていってグラフトにする。そんでもって、それをLADにつなぐというコンセプト。
今日は4本つないだ、しかも一本ごとにビデオにとってレビューしてから次の吻合へ進むこととした。ビデオで見るからにはだいたいの流れは良さそうだが、今後の反省点としては、
1.セッシとカストロの中で自由に7-0の針を転がせていないこと
⇒これは暇なときに針を自由自在に操れるように練習するしかない。
2.最初のパラシュートで降ろすまでのグラフトの5針がかけにくい。
⇒今はグラフトを助手側に置いているため逆針になっている、ボスがそうなのでなるべく忠実にやろうと思うが無理そうなので、術者側において順針でできるようにしてみる。
3.12針でいくつもりで、いつもオーバーする。
⇒イメージとセンスの問題、どうにもならない。

ちなみに、チャレンジャーズライブの連絡が来ていた、6月5日日曜日に大阪会場となっていた、できれば東京に行きたかった、何故かというと、知り合いがたくさん出場するらしいので、終わったら一杯ひっかけてこようという魂胆だったのに。
大阪じゃあんまりいなさそう、さびしなー。でもたぶん第二日赤のT先生出るって行ってたので、紅一点、楽しいかも知れない。

事件発生

2006-04-16 11:35:53 | スーパースターども
盛岡の学会から帰ってくると早速、事件発生。
二週間前ぐらいに、緊急でCABGになった方、縦隔から汁が出てきた。もともとDMコントロールPoorで、術後も咳がひどくて胸骨割れまくってて、SVG創もつき悪いし、なんかすっきりしなかったのだが、、、、。
早速、昨日からVAC開始とした、後は培養の結果次第で、早めに大網入れて閉じてしまいたいところである。

盛岡の学会では、いろいろな方々と再会できてうれしかった。
いつもながら、勉強と言うより、情報交換を楽しんできた感じである。
驚いたのは、学生時代ヨット部の同期が3人ほど心臓外科の道に進んでいたこと、1人は慶応、もう1人は日大で南先生のもとで、来年からドイツのバドに行くとのこと、そしてもう1人は驚くことに、東大からハーバードに行ったやつで、僕がいつもブログを拝見しているやつであった。さらに驚くことにこの3人学生時代、全員同じ女と付き合っていたというなんとも不思議な縁であり、いわゆるあげマン?俺もあやかりてー。
あとは、うちにライブをしに来た歴代の先生方をはじめいろいろな方の話しを聞けた。
しかし、どこも人が足りないようで、小倉記念、静岡市立、名古屋第二日赤、倉敷中央、などなど大学から人員がストップして困っているとのこと。ひとむかし前だったら俺も飛びつくところだが、、、。
だれか若い人で、行きたい人いませんかねー。

肺塞栓

2006-04-12 01:39:34 | 緊急
今日は、午後から盛岡の学会へ予定であったが、先々週緊急でCABGやった88歳のおばあちゃんが肺梗塞になり、緊急オペとなり、発表も何も無い私はトーゼン居残り手術となった。今週は学会のためオペ室の看護婦さんも休みを取っており、下っ端の私は今日も機械出しナースの真似事をすることとなった。うちのやり方はSVCとRAの二本脱血で超低体温循環停止下に左右のPAをあけて内視鏡でのぞきながら血栓除去をしていく、PAを閉じたら最後にIVCの脱血管を一時的に抜いて、その穴から内視鏡を突っ込んでRA内の血栓の有無を確認して、あればRAあけて取るが、無ければまた脱血管突っ込んで温度戻して心肺を離脱して手術を終える。冷却と復温が時間かかるが、あとはそんなに複雑なことをやるわけではなく5~6時間で手術は終了し、帰りにカテ室でアンブレラを入れてもらった。ポイントとしては、内視鏡でPA内を確認すること、PAの内膜を傷つけないこと、これを傷つけるとすぐ破けたり血が止まらなくなったりするらしい、fogartyとか突っ込んでやるのは破ける危険があるのでダメだとボスはいう。
しかし、肺梗塞というのは疑ってかからなければ診断付かないもので、このかたも
今日飛んだわけではないと思う、数日前から呼吸状態悪化しており、最初はLOSかと思いカテをしたらIMA-LADがつまっており、このためかと思いPCIを考えていたが、内科のM先生からPAが高い割にはレントゲン上うっ血は無く、おかしいと言われ、タンポを疑いCTを取ったが、タンポなく、肺梗塞も否定できず造影CTしたところ、ドカーンとつまっていた。今思うと離床したころから状態が悪くなっており、しかもIABPが入っており術後に抜いてソケイ部を圧迫していたときに静脈血栓できたのだろうと考えられる。
レントゲンと血ガスのギャップには注意しなくてはいけないと思った。
反省である。
明日は、朝一でボスと盛岡に行くこととなった。
これからかえって準備しなくてはいけません、でも、ねみーよー。
楽しんできまーす。

盗作

2006-04-09 02:02:02 | 学会活動
日循の抄録、今日一日かけて、何とか書いた、というか人の文献をくっつけてうつしまくった、いわゆる盗作だ。とにかく頭がつかれた。

明日の日曜日は病院来るのは禁止して、確実に休もう、今週はそれなりにハードであったし。

第一例目

2006-04-08 16:40:29 | 術者、勉強になった症例
おととい早速、内視鏡下のSVGのチャンス到来、なんだかんだいって、枝の処理までに一時間半を要したし、枝が抜けまくっていた、これだったらブラインドだけどvein stripperのほうがよっぽど早くて簡単だ。まー第一例目はこんなもんだろう。
今日は土曜日であるが、昨日手術がトリプルブッキングしており、さすがに予定で3つは辞めようということになり、1つは本日にずらした。ただのAVRかと思いきや上行5cmでマルファン?を思わせる、しかも、上行A外膜に炎症あって、挿血管が入らず、仕方ないのでボスをcallして大腿から送血した。こういうときの逃げ道をどうするか、これが大事、このケースの場合、大体がAoがちゃんと切れていないケースが多いのでもう一度メスを入れるか、ペアンで開くか、閉じて別のルートから行くかである。その後は順調に行き3時間半ぐらいで終了した。

昨日いわれた日循地方会のネタであるが皆さんに考えてもらい、3つほど浮上した。さすがこの施設、症例だけは豊富である。トーゼンそのなかで一番簡単なネタを選択して早速、演題登録だけはしておいた。もう、決まったからには覚悟きめてやるしかねー。

日循地方会なんてやめちまえ

2006-04-07 15:28:40 | 学会活動
さっき、ボスから日循の地方会に演題出すように突然言われた。何故かというと、来週締め切りらしいのだが演題が集まらず、座長であるF大学のA教授からヘルプの声がかかったらしい。しかし、演題集まらないような会は辞めればいいのに(←うちのボスいわく)、全くその通り、日循なんて内科学会だし、観光地にいけるわけでもなく全然興味ないのに、めんどくせー。今のところネタなんてないし、こまった。

査読

2006-04-05 20:41:04 | 学会活動
今年の初めから書き始めていたpaperがようやく書きあがりそうである。後は英語のabstractをチェックしてもらったら、査読に出してみようと思ってる。
続けて、もう1つ書きかけのpaperがあり、こちらも本格的に手をつけなくてはいけない。あと2ヶ月で何とかなるかわからんが、がんばる。あともう一個書きたいネタがあるのだが、ちと欲張りすぎか。
ちなみにもちろん、日本語です、英語なんてとんでもない、1年かかる。

re-study

2006-04-04 21:35:05 | Weblog
昨日、10日前にCABGやった患者のre-studyがあって、さっき見てきた。
僕が初めてIMAを取らせてもらった記念すべき患者さんである。
AOの裏を通してつんつんになっており、吻合のときはややフローが悪く思えたが、re-studyではしっかりと流れていた。やったー、とりあえず第一例目は成功、来週、第2例目のre-studyあるので楽しみである。こちらはLADにつなぎkey graftとなっているので失敗は許されないが、もう結果は出ているのだろう。

人工腱策

2006-04-04 21:26:31 | Weblog
今日はMVP+TAP+RA-MAZEの前立ち、一例のみ。
今日の人はLAが40mmぐらいであまり大きくなく、視野展開にやや苦労していたが、ボスはこういう時はいつもタオルを入れてpapillary muscleを外から押すようにしてtrigonをLA側に浮かせ、弁輪の糸をかけてしまう。こうして、左右のtrigonの糸をかける、続けて後尖の弁輪にも糸をかけていくと、いつの間にか弁が見えてくる。MVPは見えてしまえば、後はやることはだいたい決まってくる。
ここのところはボスのなかで人工腱策がブームで40-50例ぐらいは続けてやったのではないかと思う。これまでの経験から、前尖のprolapseにはいい適応となるが後尖では、術後に1度程度でもMRが残ると、そのジェットがリングにあたり溶血を起こして貧血が進行してしまい再手術となった症例が2例あり、また外来にそれらしき人がもう1人おり、当院においては後尖のprolapseは人工腱策よりは切除するほうがいいという見解になりつつある。

今日の方はP3からposteriol commisureにかけてのcordaeが飛んでて、今回は人工腱策はやらず、切除してあわせて、あとmagic sutureを追加してほぼ終了となった。CEP-ringいれて逆流テストでP2からわずかに漏れるが、この程度はかまわないとのことで、CPB離脱後のTEEではMRなくなっていた。
今日はmagic sutureとはどんなものか、初めてわかった。あと、どの程度の逆流がOKかの見極めが大事であることを学びました。
最近になりMVPの戦術と戦略とがすこしわかってきたぞ。

VirtuoSaph (endoscopic vein harvesting system)

2006-04-02 21:14:11 | Weblog
昨日は何とか終電一本前の新幹線にのれて、平塚へ入れた。
内視鏡下SVG採取の新しいデバイスがテルモから出て、現在、施設限定で3施設で実験的に行われているらしいが、うちの病院にも話が来たので、まずテルモのラボで講習を受けてからでないとダメとのことで、今日はテルモのラボに遊びに来た。朝から、まず、デバイスの説明とバーチャルシュミレーターでSVGを取る疑似練習をして、それから豚の乳静脈?を実際に取ってみた。このシュミレーターが大変よく出来ていて、画像も3Dでリアルで手にかかってくる抵抗とかも調節されており絶妙である。たぶんこれで練習すればすぐに人間でも取れるようになるだろう。手技自体は慣れればそんなに難しくないが、ポイントはいかに枝の引き抜き損傷を無くすかである。岡林先生のところでもう60本んぐらい取ってるらしいのだが、一番の問題はやはり枝の損傷だとのこと、今度の岩手の心血管で発表するとのことです。最初に静脈と周囲の組織をカメラつきの棒で剥離するのだが、これを丁寧にやれば枝の損傷も無いし、そのあとの枝の処理もやりやすくなる。つまり、内視鏡下のSVG採取は最初の剥離がすべてということを見切った。
だいたいはつかんだと思うので、早く人間でやりたいところだが、最近はバイパスが少ないのであと2ヶ月で何本やらしてもらえるか、新しい病院に行くに当たって出来ればマスターして、この技術をもって行きたいものである。

午後はその豚さんを開胸して、IMA採取してoffcabやって遊んだ。IMAはソノサージェリーの新しいデバイスが出たので、それを使ったがハーモニックと比べて良し悪しだった。いつもボスがやっているように吻合したつもりだが、なかなかすんなりいかないもので、1本つなぐのに20分ぐらいかかってた。思うにCABGは吻合より、その前のグラフトやコロナリーの切開が7割を占めているかと、あとはただ決まったとおりに糸をかけていくだけだから、、、。
チャレンジャーズライブの本選でまともに吻合できるやつは相当慣れているか、肝がすわっているかのどちらかだろうと、あらためて思った。本選出れたら、優勝なんか目指さず笑い取るぐらいの余裕かますやついないかなー、変装とかしたり、眼鏡逆さまにかけたりとか、あとマスクして出て、都合上、顔と名前は明かせませんとか、、、面白いかも、、、それより俺も練習しなくちゃ。