あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

大宰府天満宮

2008-02-23 23:22:04 | Weblog
今週は学会で博多に連れて行ってもらい、久しぶりにアカデミックなものに、振れてきました。
最近の流行は、大動脈なのかなーという印象を受けた。
特にステントは、日本でも認可されたこともありトピックスにの一つでした。
昨年、AAAのステントが認可され、今年中にTAAのステントも認可されるとのことでした。
これは好き嫌いに関わらずやらなくてはいけない分野なのだと思います。

相変わらず、夜は毎晩のように宴会で、博多のおいしいものをたくさん頂いてきました。

しかし、博多の女性はいいもんですね、何がいいって、やはりあの方言ですかね。
「なんばしっとっとー」とか「うちー、なー」とか、なんか距離が近いと言うか親近感がわくというか、いいねー。

途中、学会を抜け出して太宰府天満宮にも行ってきました。
ちょうど暖かい日が続いていたのもあり、梅が満開でした。
梅というのは桜のような派手さは無いが、そのあまり主張しない控えめなところに風流を感じると言うか、そこに儚い美しさがあるのでしょうね。
平日だと言うのに観光客がけっこう多くてにぎやかだった。
以前行った出雲大社は、何にも無くてちょっとさびしい感じがしたし、伊勢神宮はあまりに広くてたどり着くまでに疲れちゃうから、いまのところ大宰府が一番かな。
お土産はやはり明太子を買ってきました。
お勧めは稚加榮というお店、ここは料亭が出している明太子で、味付けが料亭風というか出汁を使っているのか一味違うのである。

みんな疲弊している

2008-02-18 19:35:27 | Weblog
今日は大学時代の恩師のところへ行って結婚式の招待状を渡しに行きました。
話を聞くと、けっこう外の病院にでて精神的に病んでしまう人は多いみたいで、うちの母校の卒業生はみんな外に対する免疫がないというかなんと言うか、厳しく言えば私も含めて、甘えて育てられすぎているのかもしれない。
ゆとり教育、そんなのも関係あるのかもしれない。

せっかくなので、1年ほどお世話になっていた泌尿器の医局にも顔を出して、懐かしい皆さんとお会いすることができた。
ここの先生方も、2年ほど前になるが忙しさのあまり、中堅どころの先生が心不全、メニエール、頚椎症と3人も立て続けにダウンしてしまい、たいへんだったらしい。
みんな働きすぎなのである。

患者さんも大変であるが、今の時代、医療サイド側も少し患者さんをセーブするようなシステムにしないと、やたらめったら患者さんが病院を訪れてしまい、パンクしてしまう。
というかもうパンクしており、巷では患者の受け入れ拒否だとか、たらいまわしだとか騒がれている。
しかし、マスコミのこの受け入れ拒否とか、たらいまわしと言う、あたかも医療サイドが悪いような表現はいい加減やめてほしい。

現場のドクターは、食事も睡眠も取らず診療に当たっている方がたくさんいる。
受け入れを拒否しているのではなく、受け入れたくとも出来ないのが現状である。
そこのところをマスコミの方々はわかっているのか、いないのか。

ない袖は振れないというやつである。

しかし医者が倒れてしまっては本末転倒、何のために医療に携わっているのかわからなくなってしまうのである。

今日の新聞で大学病院の救急外来の記事が載っていたが、救急外来の患者はここ10年で約4倍に増えたとのこと。
患者の9割がたが救急外来を受診する必要の無い軽症患者だと言う。
その上、救急を受診する理由が、昼間これないなどの自分勝手な理由だったりと、、、、医師が疲弊して次々と辞めて行くのがわかる。

夜中に受診しても、「一昔前は夜分遅くにすみません、ありがとうございました」、と言ってくれる患者さんもいた気がするが、今は、そんなねぎらいの言葉一つも無く、「いったい、いつまで待たせるんだ」と文句を言ってくる方も多いようである。

自分勝手で自己権利意識の強い患者が増えたこと、また核家族化が進んだせいで親から子への家庭医学の知識が消滅しつつあること、それにアメリカの訴訟社会に煽られて増えるクレーマー、こういったことが、救急をやる医師のやる気を削いでしまうのだろう。

なんか今の学校の先生の置かれている状況と重なることが多いきがする。

その大学では4月から、救急外来を受診する必要のない軽症患者には8000円程度の追加料金を徴収するとのこと。
こういうことをすると、低所得者はどうするんだという事を言う方が必ず現れてくるが、では軽症患者の中にまぎれている重症患者や疲弊して倒れていく医師はどうするんだと言いたくなる。
いくら低所得者といえ、本当に命に関わることなら8000円ぐらいは払えるのではないかと思うのだが、、、文句を言う人は命の値段って8000円以下だと思っているんですかね。

それからもう1つ新聞に書いてあった例が
救急要請があり、どちらにいますかと聞いたところ病院の前から電話していると言う。
その理由が救急外来が混んでいて、なかなか診察してもらえないから、救急車を呼べば優先的に診てもらえると思ったからだ、と言う。
きっと救急隊もやれやれだろう。
こういった方には救急隊のトリアージも有効だろう。

もう1つ言えば、救急車も早く有料にすべき。
国民も一度、命の重さを自覚すべし。

Bentall

2008-02-18 12:01:32 | Weblog
先週はBentallの手術を見てきました。

順調に行くと、こんなものなのかなー、と思うぐらいすんなり終わって、
ボスの執刀ではなかったが、出血もなくみごと5時間程度で終了。

いままでBentallの手術というと、いつもcomposit graftを作っている間に、肝心な基部の剥離やトリミング、糸かけなどが終わってしまい、見ることが出来なかったので、まじまじと見たのは今回が初めてかもしれない。

Bentallというものは、何も問題なければ、4箇所の決まった吻合するだけの、いたってシンプルな手術だと思えた。
まー、術者が上手なのでそういう風に見えるのだろうが、弁置換の延長みたいなものなんだろう。
そう思うと、やはり日本人のoff-CABGなんかはこまごましていて、すっごく気を使う疲れる手術の一つだと思う。


梅の木

2008-02-18 11:48:04 | Weblog
近頃だいぶ温かい日が増えてきまして、
もうすぐ梅の花が咲く時期となりましたが、
先週末は農家で梅の木の剪定をお手伝いしてきました。
ちょうど作業中にもと植木屋さんが通りかかって、剪定のやり方を教えてくれました。
なんでも梅の木は低く広く育てるのが基本らしく、縦に伸びている枝や内側に向かっている枝は全て切り落とすことが大事だとか。

なんかどうしたら綺麗に見えるか考えながら、一本一本枝を切り落としていくうちにだんだんと楽しくなって、気づけば一日終わっていました。
やや自己満足の世界ではありますが、盆栽とかガーデニングとかにはまる人の気持ちがわかる。
来月になって花が咲くのが楽しみです。

EVAR

2008-02-11 10:27:34 | Weblog
今週の手術は、DVR、TVR、VSD&ASDによる三尖弁のIE、AAA、CABG、おまけにEVARもありました。

EVARは前回、鎖骨下以下に井上式ステントを留置している症例で、typeⅠのエンドリークがあり瘤の拡大が認められるとのことで、今回は中枢側にもう1つ井上式ステントを留置するとのこと。
総頚と鎖骨下の分枝付ステントを入れていましたが、なかなかすんなりとは行かず、結局開胸して人工血管置換するのと同じぐらいの時間かかっていた。
まーでも、これで瘤拡大しなくなるなら開胸するのと比べたらはるかに低侵襲ではある。
しかし、局麻でやるってのはどうなの?
2~3時間ならいいけど、、、、ちょっと長すぎ。

EVARはもう、好きとか嫌いとかじゃなくて、やらなきゃいけない時代に突入してきたな。国の認可も下りているし。
内科医にはやらせてはいかんね、トラブルシューティングできないからね。

来週の学会ではEVARを中心に勉強してくるつもりだが、いつもどおり飲んで終わりになるかもしんないな。

冠動脈瘤

2008-02-03 09:53:35 | Weblog
先週は3日で3例、慢性解離の全弓部置換と、CABG、遠位弓部置換を見てきました。
今週は3日間で5例の手術を見てきましたが、barlow syndromeのMVP、冠動脈瘤のCABGなど、なかなか珍しい症例があって勉強になりました。

barlowは最初見たときは、これは形成無理だろうと、私ならさくっと弁置換と思いましたが、そこはさすがボス、交連部を切り取ってちょちょっと形成したら1発で逆流止まりました。

冠動脈瘤は三枝とも全てぼこぼこに瘤化していて、末梢に3本つないで、MAZEやって冠動脈瘤自体は触らず終わりでした。
文献とかでは冠動脈瘤を開けて形成するようなこと書いてあるけど、ほんまかいな。三枝とも長い距離ぼこぼこになっているような症例では、まず無理だ。

何事も完璧を求めすぎてはいけませんな、ほどほどが一番。

時々、手洗いさせてもらって、いいリハビリになってます。

来週はこれまた珍しくIEのTVRがあるので見に行ってきます。