あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

再発症例

2013-02-21 23:40:06 | Weblog
今週は開心術はお休みで、今日はvarixでありましたが、数年前に、どこぞの誰かが高位結紮+硬化療法を行った方で、術後すぐに再発したとのことで、数年様子を見ていたが、最近は痛みが強くなってきたのとのことで、外来に来られました。確かにかなりひどい瘤で、大変そうだなと思っていたが両足で3時間近くかかり大変でした。
しかも、助手をお願いしていたというか、片足やってもらうつもりでいた外科の先生がインフルエンザで急きょ休み。他の外科の先生も外来中、内科の先生も外来中、、、、
仕方ないから、手洗いNS2人にしていただいて、一人でさびしく開始、かなりふくよかな方で小さい傷ではなかなか静脈出てこないし、あー、一日仕事になるかなと思っていたら、院長先生登場。
さすがはベテラン、stab avulsionも初めてとのことですが、少し説明してお見せしたところ、あとは黙々と、こういう手術あっているなんて言いながら、片足担当していただき、大変助かりました。一人でやってたら、4-5時間はかかったな。
しかも、前回の手術のせいで、ストリッパーが途中で通過せず、両足とも3回に分けて抜去する羽目に、、、、Invisi Gripの出番ほとんどなしやんけ。
でも、助けていただいたおかげで、無事終了、感謝感謝。

今週末、来週末ともに営業活動の一環というべきなのか、また患者会での講演会と連携病院での研究会で少し話をしてきます。
少しでも宣伝して、患者さんを集められるようにしないといけません。
やはりどこの業界でも営業は大事でしょう、寝ていても患者さんは来てくれませんから。
そう思うと前任地の病院はすごかった。

4月には行ったら、また開業医の先生のこと、あいさつ回りにいかなくては。

でもまた、来週からは少し開心術が入ってきそうです。

久々

2013-02-18 20:30:11 | Weblog
今日は久しぶりに出番でした、とはいっても、足の詰まったかたで、ちょっと血管出して縫っただけでありますが、それでも、10日も手術してないと、やはり体の反応は鈍ります。

今週はあとストリッピングがあるぐらいで、しばらくは休憩、今週は頑張ってデータベースを入れています。
しかし、NCDは入れやすいが、JACVSDはホントに入れにくいし、すっごい不親切で、やる気なくす。
まったく知らない人が慌てて間に合わせに作ったとしか思えないような感じです。
入力する側に立って作られていない。


なんか次回、福岡の冠動脈外科学会、締切今週だった、福岡だからな行かなきゃ、ネタ探さないといけませんが、こっちきてから、CABG22例しかやっていないので、何にもdataは取れないかな。
前任地のデータ少しつかわせてもらおうかな。



特発性左室瘤

2013-02-15 08:37:03 | Weblog
先週はもう一例、特発性の左室瘤がありましたが、これまでたくさん見てきたものの、自分で左室にメスを入れすのは初めてですので、前の晩はエアー手術の繰り返しで、緊張して眠れなかった。
きっと、もう20年ぐらい前になるのでしょうが、まだ、左室形成がそれほど行われていない時代にボスが初めて左室を切るときは、ほんとに恐ろしかったと話していたのを思い出しました。
今では適応を間違わなければ、手技自体は確立されたものですので、比較的、標準的な手技となっていますが、それでも、やはり初めての時は恐ろしいものです。
冠動脈はつるつるなのに、なぜか心尖部に5*5*3cmほどの左室瘤が、、、ネックもあって、もしかして仮性?かとも思いましたが、開けてみたら、癒着もなく真性瘤でありました。
とはいっても、外見上、scarになっているのは2-3cm程度で、術前の画像所見と違い、だまされそうになりましたが、よーく壁運動を見ると、5cmほどの範囲で、くびれを持って収縮期にぺこぺこ拡張していました。瘤を開けてみると、やはり、直径5cmほどの範囲で壁はペラペラ、乳頭筋を確認しながらパッチのラインをマーキングしました。基本的にBeatingのままできる手技ではありますが、術前にNSVTもありましたので、しっかりクライオをかけるために一度止めて、クライオをかけました。
パッチラインはくびれがありましたので、縫縮はせずに全周性に12本のマットレスをかけて、遮断解除して、2重にした牛心膜パッチで閉じるのみとしました。パッチラインに前乳頭筋が入り込んでましたが、外からかけるほどでもなく、中から一緒に拾う感じでOkでした。
最後に瘤壁を閉じて、屋根は今回は残った牛心膜にしたところ、柔らかいのでフェルトよりはフィッテイングよさそうで、ピタッと張り付いて、出血もなく終了です。
単独手術でしたので3時間半ほどで無事終了です。
術後はアンカロンとβブロッカーをしっかり入れているのもありますが、不整脈もなく順調です。

月末にも左室形成がありそうですので、良いイメージとなりましたが、そちらはCABG3本とMVPもくっついているICMなので、一日がかりとなりそうです。


valve cut後のSVG

2013-02-15 07:07:50 | Weblog
先週のOPCABの造影をしましたが、4本ともpatentで一安心。
LADはdiffuseな病変だったこともありますが、やや狭窄の中での吻合となっており、吻合部の末梢側にも一か所狭窄が残る形となり、冠動脈の切開部位が悪かったと反省。
吻合中に中枢側からも末梢側からも血が出てこなかったので、おかしいとは思ったのだが、思い切ってもっと末梢側まで切り開いて、onlayにすべきだった。
ただ、内胸動脈からはNOが出てくれるので、遠隔期に期待する。

SVGはvalve cuttterでvalveをcutした症例で、術後の造影は気持ちの良いものです、手ごたえとしては2か所のvalveをcutした感触でしたが、造影でもやはり2か所でSVGの膨らんでいるところがあり、valveがあったと思われる部位ですが、よどみなくきれいに流れていましたので、よさそうです。
valve以外の部位を損傷したり、刃の切れが悪いので、無理に引っ張って、SVGを引きちぎってしまわないように気をつけなけれれば行けませんが、続けてみようかと思います。

完全内視鏡下

2013-02-15 06:52:03 | Weblog
先週のMICS-MVPは5cmほどの皮膚切開で、開胸器はかけずに完全内視鏡下で行いました。さすがに私には荷が重く、指導医の先生の手技を見させていただきました。
ここまで来ると、ほんとに低侵襲という気がしてきます。ポートは5mmを2本追加するだけですので、太いポートを何本も突っ込むロボット手術以上に低侵襲かつ、いろいろな面で現実的な手技かと思われ、痛みの訴えもほとんどなく、1週間で退院である。
今のところ、そこまで行くことが当面の目標と思われるが、自分にはMICSの経験も、MVPの経験もまだまだ不十分で、一度に両方というわけにはいかないだろう。
現在、標準的な心臓手術はほぼ完成形にあるといってもよく、ここに新たな目標が持てるというのはありがたいことである。

バルブカッター

2013-02-04 17:34:51 | Weblog
本日は久しぶりのCABG、今年初めてであり、またまたいつもの友人にお願いして、静脈採取、RITA採取と前立ちをお願いしました。
年明けにバルブカッターが届いていましたので、さっそく吻合前にSVGのバルブをカットしてから吻合へ、末梢側吻合後にはしっかりバックフローが確認できたので、これは安心です。ただ、新品なのに刃の切れが悪かったので、少し研いでもらうことにしました。今回は術後造影が楽しみであります。
今日は内胸も開胸から30分で取れて、トラブルなく順調にできたと思ったのですが、それでも終わってみれば4時間半、自分では、そんなに立っているとは思わんかった、3時間ぐらいのイメージでしたが、それだけ集中できていたのかもしれないが。まー、二人きりということで、足を閉めなきゃいかんかったり、なんだかんだ、ちょっと時間がかかるのは仕方ないか。最近、かなり前から予告してもなかなかもの出てこないしな、手洗いも、麻酔科も手術の進行を理解してくれていないのが、大変、残念なのである。

今週は開心術があと二つ残ってますので、頑張ります、その先はすっからかんです。デスクワークやるか、データベースとか、、、まったく触ってもいないし。