あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

今日の外来はマジ死んだ

2005-11-12 15:00:18 | Weblog
ただいま、ようやく外来終了、今日は特に多くて、6時間コースでした、ずーと座りっぱなしでケツ痛くなった。
さすがに6時間もやってるとこっちもへばってくるが、2時間3時間待たされている患者さんも、そーとーくたびれるだろう。
ほんとに、このシステムはどうにかならんのかと思うが地域柄しょうがないらしい。
患者さんもそれぞれで、怒りまくってる人もいれば、こっちにねぎらいの言葉をかけてくれる人もいる。
そういう中でも、自分が手術に関わったり知ってる患者さんの元気でやってる姿を見ると、こっちも元気が出るし、この仕事してよかったと思うときも多々ある。
しかし、うちのボスは、いつもこの外来をやってから手術をやっている、すごいバイタリティと集中力である。
困ったのは手術希望でUAPとDVR+SSSの二人が着ましたが、僕はムンテラできないので、とりあえず来週また来てもらうことにして入院させず家に帰した、来週まで無事でいてくれるといいのだが、ちょっと不安。

さて、そろそろ病棟回診しますか、これで一日が終わってしまう。

でも明日は、ついにマラソンである。
天気は悪くなさそうである、今夜はたっぷり体をほぐすこととしよう。

メイヨーストリッパー

2005-11-11 21:46:49 | 術者、勉強になった症例
ここのところバイパスがなく、今日は久しぶりにSVGとった気がする。
今日の人は比較的とりやすかったが、それでも30分ぐらいはかかった。
来週と再来週でまたバイパス4,5例はいってたのでSVG2,3本はまわってくるかな。
そういえば、先日メイヨーストリッパーなるものを注文しました。
これはSVGを採取する道具でただ単に先端にワッカが付いているだけの棒キレであり、小切開でSVGの中枢出して、ワッカの中に通して末梢に向けてズルズルズルっと押して剥離していって、枝のあるところで抵抗を感じて、そこでまた小切開加えて枝の処理していくというもの。
いわゆる今の内視鏡でとるのと似てる、というか画像が無い内視鏡といった恐ろしい代物、うまくやれば傷も小さく時間も15分ぐらい、しかし抵抗を感じられない鈍感なやつは枝をことごとく引っこ抜き、グラフトは使いもんにならず、しかも足も出血しまくるという、諸刃の刃である。
sydneyのwestmead hospitalのhugh paterson先生のデモDVD(1997年)があり、最近入手しましたが、その中ではわずか8分ほどですい、すい、すいっとSVG採ってた。枝は全部クリップしてしまうし、傷はステイプラーなので、トータル10分ぐらいだった。
もう大昔からある道具らしいが、何故か日本でははやっていないみたい、岐阜の竹村教授が発表してたぐらいである、なんか問題あんのかな。
そろそろ、届くころだと思うので今度試してみようと思っているが、まずはシドニーにいたときそれで200本ぐらい採ったS先生に来てもらって教えてもらうこととした。
早く来ないかなー、楽しみであるが、だれか使ったことありますか。
ちなみに、夜久先生のところの友達Yちゃんは最近内視鏡でSVGとっているらしいが、しょちゅう枝抜けしてて夜久先生から冷たい視線をあびまくっているそうな、見ながらやっても、枝抜くのに見ないで出来るものか、ご期待!

あしたは外来、ボスの代診です、50人、しかも外来電子カルテになってからあんまりやって無いので、大変そう、2時3時コースかな。

今週も無事終了

2005-11-11 20:58:08 | 緊急
今週は動脈瘤が4例もあり、動脈瘤の週でした。今日のTAA切迫破裂は開けてみたら血液は漏れておらず、胸腔内に漿液(うちでは我慢汁と呼ぶ)が300ml溜まってるだけであった。
CTだと、瘤の周囲にケバケバした炎症の所見あり胸水も溜まってきており切迫破裂を思わせる所見ではあったが、まだ黄色信号(漿液)で赤信号(出血)にはなってなかった。
本日も末梢側はCCTで菊池先生がやっていた方法でやって、出血なく無事終了。
最近はボスはその菊池先生のやり方がお気に入りらしく、時間かかるでめんどくさいといいつつ3例つづけてやっている。


臨時ニュース

2005-11-10 20:45:20 | Weblog
そういえばもうだいぶ前に聞いた話だが、別に内緒ではないと思うので、記るすがうちのボス情報によると島根のハーモニック樋上先生が、札幌医大の教授選に受かったそうだ、いいなー。
まー、そりゃ札幌行くでしょ。

あとは、身近なところで、苅谷のS先生ついに独り立ちします
若干33歳にして心臓外科部長です、去年のチャレンジャーズライブのときにスカウトを受けて迷っていたらしいのですが、決めたらしい。
高崎にあるT循環器病院というところで、まあ、うちと似た感じのところらしい。
とーぜん1人で行くので大変だろうが、まあ、S先生ならオーストラリアと同様に看護婦さん前立ちで定型手術なら1人でこなしていくのでしょう。
COMIC回っている一人がS先生のしたで行くという噂もあるが、もしかして?
まあ、この病院のバックにはあの南淵先生がついているので大丈夫だろう

まあ、俺と年齢一年しか変わらないのに、なんとも、うらやましい話であるが、しかし、今の俺に独り立ちできる技量は無いので、まだまだである。
俺もオーストラリアとかで修行してー、また行動しなくちゃなー。
夜久先生、来年はオーストラリアの病院見学行くって言ってたので、またつれてってくれんかのー。

とにかく、がんばらなくてはいけません。

AAA 4発目

2005-11-10 20:30:52 | 術者、勉強になった症例
今日は再びAAAの術者が回ってきたが、ちょっと難儀しまして6時間コースになってしまいました。
けして血管の性状が悪いとか、そういうんじゃないんだけど、今日の悪かった点を上げていくと
1、術前の画像を深読みしすぎて慎重になりすぎた。
これは、右の総腸骨も瘤になっていたのだが、アンギオでは内外の分岐が離れているように見えたため、分岐部で吻合(うちではメガネとか豚鼻と呼んでいる)は無理で内外をループ(うちではクワガタとかカブトムシとよんでる)にして人工血管端側でつける予定であった。なので、外腸骨をうんとながく剥離したりした。
しかし、開けてみたら結局、メガネで出来てしまい、いろいろと余計な剥離をしてしまった。
2、左はもともと総腸骨で吻合する気であったのに、やはり内外でテーピングした、総腸骨でテーピングするだけでよかったと思うのだが、僕のオーベンは慎重派なので内外それぞれテーピングさせる。そのほうが危ない気もするが、まー俺にとっては練習になるが、、、、今日は深くて狭くてテーピングが大変だった、ほとんどオーベンに採られてしまった。
3、そんなこんなで今日はテーピングまでに2時間ぐらいかかってしまい、うちのボスならもう手術終わってると思うが、そこで一度集中力が途絶えてしまった。
その後の吻合は、血管の性状は良かったのに、なんだか深くて狭かったので長い持針器使ったが、なかなか持針器の中で針がうまく回らず、集中できてなかった。
4、開腹器を10回ぐらいかけなおした、、、。
腹腔内の癒着があったせいか骨盤腔が狭いせいか視野が一度で決まらず、、いつもなら一度決めたらあまり動かさずにすむがダメでした。

あとは前々から思うが剥離は遮断する部位だけでいいのではないか、しかもテーピングもなくても良い気がするが、、、。

まあ、無事終わったけど、いくらなんでも6時間はひどすぎる、反省しないと、やはり一番は集中力に欠けたしまったことだと思う。

自分は冷静にやってるつもりでも、前立ちがヒートアップしてしまうと、ついついこちらは逆にクールダウンし、どんどんやる気を吸い取られてくが、そこでいつも気にしないようにして、気合を入れるのだが今日は続かなかった。


解離づいてきましたか

2005-11-09 16:05:10 | 緊急
先週の解離が解離を呼んだか、昨日は予定のAAAが終わった直後に、狙ってたかのごとくA型解離登場、上行置換だけであったが、なかなか血が固まらず8時間コースとなってしまい、今日はちょっと疲れ気味。
そんでもって今日はMVPのRE-DO、最近RE-DO多く勉強になります。
癒着の仕方もさまざまで、基本的に時間がたってるほうが癒着はルーズになってくイメージである。数ヶ月とかだと結構タイトにくっついてることが多いかな。
今日の方は前回の手術から4ヶ月とまだ、日が浅いのかやはり癒着は結構タイトで苦労していた。
ちなみに、昨日、TAAの切迫破裂もきてて、はっきりしないのだけれど早めにやったほうが良さそうであり、あさってに入りました。

そろそろ、破裂したり解離したりとそういう時期ですか


ダイエットクラブ中間報告

2005-11-06 02:14:33 | Weblog
ダイエットレース4週目に突入、過去3回の計測では、最初は差はないと思われたが、今週からだいぶみんなのがんばり具合が結果となって出てきたようだ。
トップはN先生、ここのところ車通勤やめて毎日30分かけて歩いて通勤しているらしい、だいぶ成果が出ているようで。
そのすぐ後を追いかけているのが私。
そして、スロウスターターのBB先生、最後にすでにリバウンドしている、T嬢。
明日から、オペ室にこのグラフ張り出すので、みんなさらに一層やる気が出るだろう。

カーボローディング

2005-11-05 13:59:25 | マラソン、駅伝部
昨日の解離してしまったTAAの患者さんは血ガスぎりぎりだったけど、そのほかは良さそうだったので、思い切って抜管してしまった。
落ち着いているのでCCUも退室です。
よかった、よかった。
なんか昔は胸部大動脈の手術といえば一週間も二週間も寝かせて挿管していたイメージだが今は早いもんです。

ところで
マラソンを走るときのエネルギー源となるグリコーゲンを、より多く筋肉や肝臓に蓄えることを目的とした食事法をカーボローディングという。
最近は、レースの3日前からごはんやパスタなどの糖質中心の食事をとる。仕上げとなるレース当日の朝食は、餅入りうどんやおにぎりなどの穀類主体で消化のよいものに加え、グリコーゲン蓄積に効率よく働くクエン酸を含んだオレンジジュースをとるとよいらしい。
今日でマラソン一週間前となります、今はまだ高タンパク、低脂肪の食事を続けるようにしていますが、木曜日あたりからカーボローディングをするかな。
次のマラソンは12月と1月ともう見つけてはあるが、まだ申し込んではいない。
ただ、やはりなにか目標というものがないと、普段のランニングも続かないのが私の正確なので、定期的に申しもむかな。
先日、うちのボスがゴルフ始めろよというので、ちょっとやってみたくなった。
定期的にコースに出れるのなら初めてもいいかなとおもう。


今日はせっかくの土曜日、天気も良いし患者も落ち着いているし、ここのところデータ打ち込みで病院こもりっぱなしだったので、どっか行こうか、もしくは少し走ろうかと思っていたら、なんか、内科Y先生が流行性角結膜炎になってしまったらしく、病院これないから今日の当直やってくれないかと、医局長からのご依頼、断わろうと思えば断われたが、まー、ここはお互い様だと思い、思わずいいですよーなんていってしまった。
したがって、今日も病院にお泊りです、でも天気いいので、当直開始時間までちょっと、一時間ほどランニングしました、なんか、だいぶ自分のペースがつかめてきた。
来週はマラソン本番、再来週はウェットラボで東京行くし、、、今日は我慢しよう、せっかくなので、なんか学会のねたでも考えるか。




送血管で急性解離

2005-11-05 00:07:04 | 術者、勉強になった症例
今週は手術3つしかなかったけど、なんかそれなりに重たかったre-OPEが二つだったし、今日はTAA、開胸まではさせてもらった。
その後、ボスがカニュレーションしたのだが、大変なことに、なんと、送血管入れるときにAo解離した、なんか送血管入れるときも血がやけに吹き出て、しかも入れた後も周りから吹きまくっており、だんだんと大動脈の色が変わってきて、しまいには分枝のあたりも色変わってしまって、解離を疑ったがもしかしたら外膜下血腫になっているだけかもしれないという甘い期待のもととりあえず急速冷却、循環停止として開けてみたら、見事に解離。
今日は3分枝の向こう側の瘤だったのだが、みんな、普通は真性瘤のところで解離は止まるでしょ、とまたもや、甘い期待、しかし、そうは問屋がおろさない、見事に瘤を超えて解離していた。
やはり、瘤は全層が膨らむもので、解離は外膜のお話なので関係なかったのか。
とにかく、深いところで、断端形成してかつ吻合となり結構手間は増えた、とりあえず先日、CCTライブの時に帯広の先生がやっていた人工血管を内側に外側はフェルトでサンドウィッチするやり方でトライ、結節で数針固定してその糸で全周マットレスさらに連続でかがり縫いをして、それに4分枝管を縫い付けると、人工血管2本使うし、かなり硬いやり方であるが、後で血は出なかった。
その後、中枢に取り掛かるが、中枢もオリファイスの部分以外は解離してしまっていた、ARも軽くあったし、A弁吊り上げの意味の含めて同様に内側はフェルトだが断端形成して吻合、3分枝も見事に解離、、、、。
まー、もともとTAAであったので取り替える部位は一緒であったが、解離していただけにさすがのボスも吻合にはかなり気を使っていた。
もし、これがTAAでなくてCABGや弁膜症だったら、かなりめんどくさいことになっていただろう。
しかしながら、ボスは終始あわてずに落ち着いているように見えた、心の中はかなりあせってはいたのだろうが、そんな気配はちらりとも見せず、終わった後にポロリと、いやーあっせった、でもなんとか、かっこは付いたかなと一言。
非常事態ではあるが、いつなんどきでも和を乱してはいけない。
外科は人の和なり、、、。
心の中でどんなにあせっていてもおもてには出さず、淡々と手術を進めて行きたいものである、術者があせってる気配を見せると、周りも乱れてしまうだろう。

ちなみにうちのボスは3500症例ぐらいある経験のうち、送血管での解離はこれで3例目とか、、、遭遇することは意外と少ないかもしれない。
まあ、もし自分のとき、なったらとにかくフェモラール送血で20℃まで冷やして循環停止して考えるしかないかな、、ただ、基本的にはA型解離と考えて、上行置換してエントリー閉鎖すれば良いのだから、なんとかなるのだろう。
イメージは付くけど。
まあ、人のミスというのは、申し訳ないが勉強になります。ご馳走様でした。


今日もミス連発

2005-11-01 17:51:59 | Weblog
今日はMVRのre-do、38歳女性、10年前にIEでMVRとなるも、挙児希望で生体弁、最近MS出てきて再手術となった。
ポンプ乗るまで前立ちさせてもらった、当然ながら、re-doの前立ちは初めてであり、いいのかと思いつつ事は進んで行った。
最近、こういうチャンスがおおい、しかし、初めてのことにミスはつきもので、今日も肺を焼いてしまうミスを犯した。
手順はいつも見てるので、OKだがなんせ見るのとやるのとは大違いである。
忘れぬように、軽くメモをしておく。
とりあえず、ワイヤーをカットしてコッヘルでつかんで、胸骨を銀杏ノコで開ける、このとき助手は二本ずつワイヤーを持って胸骨を持ち上げて置く、ワイヤーが切れた感触を感じたら、術者に伝える。胸骨が開いたら、胸骨下面の癒着を剥がすのだが、胸骨骨膜ぎりぎりで電メスで剥がしていく、頭側は静脈に、腹側は右室に注意である、開胸器がかかるくらい剥離できたらそれで十分。
今日はこの時に開胸してしまった、それだけなら問題ないのだがそのとき肺が少し焼けてしまった、ポンプ下りた後なんかガス悪いと思っていたら、そこが気胸になってた、電メスによる肺損傷はまず漏れまくる、ドレーン入れててもなかなか直らないので、プローリンで縫っておかなくてはいけないそうだ。ミスしたがひとつ勉強になった。
そんでもって、開胸器かけたら一番安全な横隔膜のところから剥離していく、今日の症例はあんまり癒着がきつくなかったので、右側の剥離を少しやらせてもらった、基本的には腹部外科の膜構造のアバスキュラーなとこえろを剥離するのと同じ感覚で、鋭的にハサミでそいでいくか電メスで剥がしていく、出来るだけ心臓側でなく心膜側で切っていくのがポイント。また、心膜をどんどん深いところで把持していって心臓を脱転して深いところを攻めると、。

癒着が軽かったので、意外と早く5時間ぐらいで終了。

夕方から、なんか接遇研修というのがあって今回で三回目、今日は最終回で、スピーチしたり、ロールプレイしたりして、それを一人ひとりビデオで撮ってみんなで見て、あーだこーだ言って、いいとこ悪いとこを探していくというもの。自分の
姿勢や態度など良くわかった。まず、腕が落ち着いていないので人前では体の前で手を組むようにしたい。また、やや落ち着きがなく、やや早口であった、表情が豊かでよろしいとの事でした。そのほかいろいろ言われたが、まー、そんなに簡単に人間変わる分けない。
役に立つこともあるが、みんな、ある程度は自分のスタイルは正しいと思ってやっていると思うのでそうは譲れん、こういうことはこんな研修で教わることではなく、日々の診療の中で徐々に身についていくのもだと思ってる。

明日は収縮性心外膜炎の解除です、なんか最近こういうゲリラ的な手術が多い、しかし、今のうちに片付けて安心して年を越したいのも事実である。