あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

今日もミス連発

2005-11-01 17:51:59 | Weblog
今日はMVRのre-do、38歳女性、10年前にIEでMVRとなるも、挙児希望で生体弁、最近MS出てきて再手術となった。
ポンプ乗るまで前立ちさせてもらった、当然ながら、re-doの前立ちは初めてであり、いいのかと思いつつ事は進んで行った。
最近、こういうチャンスがおおい、しかし、初めてのことにミスはつきもので、今日も肺を焼いてしまうミスを犯した。
手順はいつも見てるので、OKだがなんせ見るのとやるのとは大違いである。
忘れぬように、軽くメモをしておく。
とりあえず、ワイヤーをカットしてコッヘルでつかんで、胸骨を銀杏ノコで開ける、このとき助手は二本ずつワイヤーを持って胸骨を持ち上げて置く、ワイヤーが切れた感触を感じたら、術者に伝える。胸骨が開いたら、胸骨下面の癒着を剥がすのだが、胸骨骨膜ぎりぎりで電メスで剥がしていく、頭側は静脈に、腹側は右室に注意である、開胸器がかかるくらい剥離できたらそれで十分。
今日はこの時に開胸してしまった、それだけなら問題ないのだがそのとき肺が少し焼けてしまった、ポンプ下りた後なんかガス悪いと思っていたら、そこが気胸になってた、電メスによる肺損傷はまず漏れまくる、ドレーン入れててもなかなか直らないので、プローリンで縫っておかなくてはいけないそうだ。ミスしたがひとつ勉強になった。
そんでもって、開胸器かけたら一番安全な横隔膜のところから剥離していく、今日の症例はあんまり癒着がきつくなかったので、右側の剥離を少しやらせてもらった、基本的には腹部外科の膜構造のアバスキュラーなとこえろを剥離するのと同じ感覚で、鋭的にハサミでそいでいくか電メスで剥がしていく、出来るだけ心臓側でなく心膜側で切っていくのがポイント。また、心膜をどんどん深いところで把持していって心臓を脱転して深いところを攻めると、。

癒着が軽かったので、意外と早く5時間ぐらいで終了。

夕方から、なんか接遇研修というのがあって今回で三回目、今日は最終回で、スピーチしたり、ロールプレイしたりして、それを一人ひとりビデオで撮ってみんなで見て、あーだこーだ言って、いいとこ悪いとこを探していくというもの。自分の
姿勢や態度など良くわかった。まず、腕が落ち着いていないので人前では体の前で手を組むようにしたい。また、やや落ち着きがなく、やや早口であった、表情が豊かでよろしいとの事でした。そのほかいろいろ言われたが、まー、そんなに簡単に人間変わる分けない。
役に立つこともあるが、みんな、ある程度は自分のスタイルは正しいと思ってやっていると思うのでそうは譲れん、こういうことはこんな研修で教わることではなく、日々の診療の中で徐々に身についていくのもだと思ってる。

明日は収縮性心外膜炎の解除です、なんか最近こういうゲリラ的な手術が多い、しかし、今のうちに片付けて安心して年を越したいのも事実である。