先月、MICSで久しぶりの再開胸がありました。
まず、ほぼ胸壁の出血ですが、今回も然り。
そこで肺外科で使ってるソフト凝固を導入しました。
吸引が付いたタイプを使ってみてます。煙も吸えるので鏡視下でも曇らずに使えるのが良い。水が出るタイプもある。
ソフト凝固が使える器械本体はエルベというものですが、コンピュータが電圧を管理しているらしく、いろいろなモードがあります。
もう、テクニックや体力で色々カバーできる年齢ではないので、こうした機器の特徴を捉えて、最大限に使うことも大事かと。
なんでソフト凝固?、水を垂らすのはなぜか、わからないことだらけで。家の本棚を探すと。
出てきました、6年前に買ったけど難しくて、断念した本。
あらためて読むと、よくわかる。
通常の電気メスはジュール熱でメスと接してる部分の組織を焼くのと、放電熱で周囲の組織も焼いてしまうので、組織が切れてしまいますが、ソフト凝固はジュール熱だけなので、組織が切れずに、電気メスを当てた組織のみに熱が伝わりタンパク凝固を起こして、じっくりと焼いてくれると。
筋肉なんかは、よく止血しようとして凝固で焼くと、筋肉がどんどん切れてしまい止血できないという状況になりますが、ソフト凝固ならね。
また、エルベのいろいろなモードもわかりました。すごく賢いコンピュータです。
出力もこれまでと違いエフェクトが追加されてます。
勉強になりました。
早速、今日のMICSから至適な出力にして試してみよう。