あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

MICS勉強会

2013-01-20 10:48:41 | Weblog
昨日、東京でMICSの勉強会に参加してきました。
外科医、ME、麻酔科、各々の立場からMICSについての講演があり、現場の正直な意見が聞けて、なかなか勉強になりました。
ラーニングカーブのお話も少しありましたが、やはり最初の50例は体外循環時間が平均140分とのデータを見て、ちょっと安心。

当院もまだ始めて間もないところですので、いろいろなピットフォールやその対策などなどいろいろとためになり、さっそく、うちでも取り入れようということがたくさんありました。
みんないろいろ苦労してるんだということがわかった、うまくいけばすんなりいくけど、つまづくと、それなりに時間をかけてやるしかないとのこと。やはりそういう手術なのであす。

先週の腋窩AVRの方も1週間で退院されて、ものすごく喜ばれていて、やはり、患者さんの満足度はかなり高い手術と思われ、また、頑張ろうとおもうのである。

よかった

2013-01-20 10:37:38 | Weblog
先日は90歳の方のAAA手術がありまして、71mm、いつ破裂してもおかしくはないが、年齢的に、様子を見ても良いのではとやや逃げ腰のICでありましたが、やってほしいとのことで。
瘤自体はネックも十分あり、形は普通でしたが、何しろ、石灰化がすごい、中枢も末梢も、中枢は今回は普段使わないラバー付きで、末梢は噛めませんので、開けてからバルーンで軽く遮断しました。
10cmn小切開でしたが視野は十分で、中枢はほぼ外膜勝負みたいな感じでしたので、年齢もありinclusionはやめときました。
今回は久しぶりに血管を離断して、フェルトをまいて4-0SH1で丁寧に縫って、出血なし。末梢側は離断するのは危険ですので、いつも通り左右ともに総腸骨にinclusionで縫って、こちらも出血なし。
高齢者はIMA再建をすると決めていますので、最後にIMA再建して、各々ドップラーで確認して、150分ジャストにて手術終了です。
1時間で抜管、当日から経口、翌日から離床と、高齢者だからこそスパルタで行きました。経口摂取も排便もついてきて一安心です。

やっていいものか、どうか自分でも迷った方でしたが、患者さんに背中を押された形となりました。

静脈瘤

2013-01-20 10:15:45 | Weblog
これまでいた施設では静脈瘤のストリッピングはやっておらず、10数年前の研修医時代以来、ストリッピングなど忘れていましたが、こちらへきてそうはいかず、開心術で毎日忙しいならいざ知らず、ここの所、暇で毎日やることがありませんので、このままいくとクビなんてこともあるわけで、働かざる者食うべからず。
ということで、少し余裕も出てきましたので、小さな手術も取り組んでいこうと思いまして、まずは静脈瘤から、高位結紮や硬化療法は日帰りでやっていましたが、ストリッピングは前述のとおり、昨年の血管外科か何かの学会で、静脈瘤のセッションをのぞいてみたら、もう10年前とはずいぶん違うのね、やることはさして変わらないが、デバイスが違う。
取り合えず、先日、ちょうどお二方両側のストリッピング適応の方がおりましたので、最近の静脈瘤治療に精通しているお友達をお呼びして、2例続けてやって指導していただきました。
ホント私の研修医時代とはやり方が変わってビックリした、兎に角、傷がほとんど残らない。
1、局所膨潤麻酔(TLA)で血管を周囲の組織と剥離して、剥がしやすくする、エピ入りなので、止血の効果もあり。
2、内翻ストリッパーInvisi Gripで膝直下まで、傷は鼡径部の皮膚割線10mmのみでほとんどわからず。
3、膝下は基本的に神経損傷を避けるためストリッピングはやらないで、2mmの切開でVarady hookによるstab avulsionを行うというもので、縫合も必要なし。

患者さんも術後、何ともないとのことで、翌日退院も可能のようで、なかなかこれはよい方法です。
積極的にやっていこうと思います。

一息ついていたら、足の詰まった方が来られてまして、カテ室でfogartyとなり、この日は足ばかり5本ほどいじった日となりました。