あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

よかった

2013-01-20 10:37:38 | Weblog
先日は90歳の方のAAA手術がありまして、71mm、いつ破裂してもおかしくはないが、年齢的に、様子を見ても良いのではとやや逃げ腰のICでありましたが、やってほしいとのことで。
瘤自体はネックも十分あり、形は普通でしたが、何しろ、石灰化がすごい、中枢も末梢も、中枢は今回は普段使わないラバー付きで、末梢は噛めませんので、開けてからバルーンで軽く遮断しました。
10cmn小切開でしたが視野は十分で、中枢はほぼ外膜勝負みたいな感じでしたので、年齢もありinclusionはやめときました。
今回は久しぶりに血管を離断して、フェルトをまいて4-0SH1で丁寧に縫って、出血なし。末梢側は離断するのは危険ですので、いつも通り左右ともに総腸骨にinclusionで縫って、こちらも出血なし。
高齢者はIMA再建をすると決めていますので、最後にIMA再建して、各々ドップラーで確認して、150分ジャストにて手術終了です。
1時間で抜管、当日から経口、翌日から離床と、高齢者だからこそスパルタで行きました。経口摂取も排便もついてきて一安心です。

やっていいものか、どうか自分でも迷った方でしたが、患者さんに背中を押された形となりました。

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