杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

サマーウォーズ

2011年02月07日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2009年8月1日公開

ネット上の仮想都市OZにより、ショッピングやゲームの他に納税や行政手続きも出来るようになった現代。高2で物理部の小磯健二(声:神木隆之介)は、憧れの先輩篠原夏希(桜庭ななみ)から一緒に夏希の実家に行くという「バイト」に誘われる。曽祖母陣内栄(富司純子)の90歳の誕生日を祝うために集まった親族の前で、夏希の婚約者のふりをすることになり戸惑う健二。その夜、携帯電話に送られてきたメールにあった数字の羅列を何かの問題と思って解いてしまった健二だったが、翌朝OZの管理権限の暗号パスが何者かによりハッキングされたというニュースに驚く。犯人は謎の人工知能ラブマシーンで、OZが乗っ取られたことで引き起こされた現実世界の混乱を止めるために、健二や佳主馬(谷村美月)たちは力を合わせて立ち向かうのだが・・・。

唯一得意な数学でチャンピオンの座を逃し、自分に自信を失いかけていた健二が、憧れの先輩の誘いに乗って出かけた先は、長野県上田市の高原にある旧家で、室町時代から続く陣内家の当主・栄は90歳の女丈夫。元教師で、教え子には政治家、官僚、地方の実力者なども多く、一族はもとより、国を動かせる影響力の持ち主でした。親族も医者や漁師、消防士、水道局員、電気店経営、警官や自衛隊の将校など多彩な顔ぶれです。
核家族で不在がちな親を持つ健二は、その賑やかさと和やかさに憧れと羨望を感じていて、夏希にフィアンセを装うように頼まれ困惑はしますが受け入れます。

ところが、送られてきたメールの問題をクイズのつもりで解いたことで、OZに出現した謎のアバター“ラブマシーン”に加担したことを知り驚愕します。実は健二の他にも多くのアバターが解答していて、しかも健二の答えは一箇所間違えていたので、犯人の疑いは晴れるのですが、OZの心臓部に侵入したラブマシーンは4億人以上のアカウントを奪い、緊急通報システムや交通管理システムを麻痺させ、現実世界に多大な被害を与えます。
OZの管理権限や個人情報は世界一安全なセキュリティによって守られている筈なんですが、健二がいくら数学的才能の持ち主でも高校生程度に破られるってのはどうなん?(^^;

ともあれ、自分のアバターを乗っ取られた健二は、汚名を晴らし、事態を収拾させるために力を尽すことを決意し、親戚一同も彼を助ける中で一族の団結が実を結び・・・というお話。一連の(仮想空間における)戦いの中で、自分に自信をつけ成長する健二や、彼に触発されて変わっていく親戚たちの姿が描かれます。
室町時代から続く戦国武士の末裔という設定は、近未来の仮想空間を戦場と捉えるために必要だったということなのね。

キャラクターデザインは貞本義行氏。どうりでエヴァっぽいキャラ設定だなぁと(笑)
何しろ主人公は気が弱くて内向的なケンジ君で(シンジよりはかなり前向きですが)女性は総じて強いときてるしね。
人工知能“ラブマシーン”を発明したのは陣内侘助(斉藤歩)で栄の養子(夫の隠し子)でした。彼は捻くれた性格ですが、本当は我が子として慈しんでくれた栄を慕っています。詫助と親族の間の感情的なもつれも事態の収束と共に解けるのは定石。
物語に登場する26人の親戚の一人ひとりに細かいキャラと職業設定が割り振られているのも拘りの一つかな?

冒頭OZの説明が続くので、作品を間違えたかと思っちゃいましたが、近未来の仮想空間と地方の旧家という異なる二つの世界がPCを通して融合していて楽しめました。ただ、肝心の仮想空間が作りこまれていない感があって安っぽい気が否めないのはどうなんだろ?(^^;

世の中のシステムが複雑便利になるほどに、攻撃に曝された時の被害が増すことについて改めて脅威をおぼえたり、最後に頼れるのは生身の人間の勇気や諦めない心といった感情的なものなのだということに気付かされたりもします。

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