
2018年2月24日公開 中国=日本 132分
8世紀、遣唐使として日本から唐へやってきた若き僧侶の空海(染谷将太)は、皇帝の不可解な死と長安の役人の家に起こる怪事件に立ち会うことになる。それらの事件には1匹の黒猫が関係しているのではないかと空海は疑い、詩人・白楽天(ホアン・シュアン)と力を合わせて事件の謎を探る。空海より30年前の唐には阿倍仲麻呂(阿部寛)が生きていた。白玲(松坂慶子)から借りた遺された彼の日記と李白の詩から、玄宗皇帝の寵姫・楊貴妃(チャン・ロンロン)が事件に関係していたことに気付いた空海は、人の言葉を話し始めた黒猫に問いかけ、楊貴妃の死の真相を知ることになる・・・。
原作は夢枕獏の小説「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」で、遣唐使として中国に渡った若き日の空海(真言宗の開祖である弘法大師)を主役に描いた日中合作の歴史ファンタジーミステリーです。
え~~っとね・・空海や阿倍仲麻呂の中国での活躍が観られると誤解してましたね~私。タイトルちゃんと見てなかったんですね。原題『妖猫傳』で英題『Legend Of The Demon Cat』主役は猫(黒猫)じゃん しかもお目当ての阿部ちゃんの出番はかなり後半になってからで全然キーマンでもないし
(そもそも阿部仲麻呂と空海じゃ時代が違うんでした。)
染谷君のことは好きでも嫌いでもないんだけどね 彼演じる空海が映画の中でしょっちゅう浮かべる笑みは、深淵というより薄ら笑いに見えて、徳の高い僧侶というには不足感が
楊貴妃の死にはある陰謀が隠されていて、その死に義憤を抱いた若者の怨念が黒猫に乗り移ったというのはまさに日本の怪談話を中国を舞台にしたらこうなりました!って印象です。二人の少年が白鶴に変わる様や、6年かけて作り上げた長安の豪華なセットや楊貴妃の誕生祝の宴の豪華さは楽しめたのですが、内容的にはなんだかな~~ 怪談好きな人にはそこそこ楽しめるかも。
ネタバレ:30年前、安禄山の乱を鎮め楊貴妃を救うために取られた措置は、実は楊貴妃を見殺しにすることに他ならなかったこと、それを知った幻術者の弟子の白龍(リウ・ハオラン)は兄弟弟子の丹龍(オウ・ハオ)と袂を分かち、幻術で黒猫に魂を移し、彼女を死に追いやった皇帝や役人に復讐をしていたのでした。そして丹龍の正体は空海たちにヒントを与えた町の幻術使いであり、さらに空海が教えを請う青龍寺の恵果大師だったのです。この事件を通して空海は悟りを開いたということで〆られています う~~ん、ちょっと無理くりかな~~