
2018年1月5日公開 イギリス 140分
イギリスのスパイ機関キングスマンの拠点が、謎の組織ゴールデン・サークルの攻撃を受けて壊滅した。残されたのは、一流エージェントに成長したエグジー(タロン・エガートン)と教官兼メカ担当のマーリン(マーク・ストロング)のみ。2人は同盟関係にあるアメリカのスパイ機関ステイツマンに協力を求めるが、彼らは英国文化に強い影響を受けたキングスマンとは正反対の、コテコテにアメリカンなチームで……。
「キングスマン」の続編です。正直なところ、前作は少々おふざけが過ぎる感があったので観るか迷ったのですが、今作の方が面白かった・・というか慣れるとこのテイスト好きかも
今回の敵は、カンボジアの山奥のフィフティーズのダイナーみたいな基地に住む、世界最大のドラッグカルテル(前作でトライアングルのうちの二つが壊滅して崩壊)のボス・ポピー(ジュリアン・ムーア)です。ドラッグ取引の合法化と自らの組織の株式市場公開を目指す彼女の危なさ加減は、ミスをした手下を巨大なミンチ機に突っ込んで出てきた人肉のミンチをバーガーにして食べさせるところからも明らかです。でもこのミンチ機が登場する二度目のシーンはグロいです元キングスマン訓練生のチャーリー(前作でキングスマンを裏切った)の義手を「アームゲドン」と名付けたり、エルヴィス・プレスリーの「Viva Las Vegas」と菜食主義者「Vegan」を組み合わせてみたりと悪趣味なダジャレも彼女の特徴。とにかく自己愛が強く冷酷さが群を抜いています。手下には18金のタトゥーを入れますが、これもなかなか悪趣味よね
。彼女に誘拐された有名人役でエルトン・ジョンが出演していますが、ゲイ設定の奇抜な衣装や台詞が笑えます。(ムーアもジョンも絶対楽しんでいるよね
)
エグジーとマーリンが協力を求めたステイツマンはアメリカ版キングスマンですが、こちらは酒造業で財を成しています。 リーダー・シャンパン役のジェフ・ブリッジスの出番は少なかったな
最初に出てくるテキーラ(チャニング・テイタム)は、イギリス人から見た典型的なステレオタイプ的アメリカ人のキャラですが、こちらも序盤で冬眠状態。変わって登場するウィスキー(ペドロ・パスカル)の華麗な鞭捌きは
ですが・・・。メカ担当のジンジャー役のハル・ベリーも今作ではアクションの見せ場はありませんでした。
ここで前作で死んだ筈のハリー(コリン・ファース)が登場!頭を撃たれても復活できちゃうって凄すぎでも副作用で記憶喪失です。ハリーの記憶を取り戻すためにエグジーが取った行動はかつてハリーが受けた愛犬の射殺というキングスマン入会時のテストのトラウマを呼び覚ますものでした。記憶を失っていた間のハリーはただの冴えない中年男に見えましたが、徐々に優秀なエージェントの姿が甦ってくるあたりはさすがの演技力です。
今作ではマーリンが犠牲にせっかくスキンヘッドに高級スーツをびしっと着こなした素敵な姿を魅せてくれたのに退場ですか
彼の「カントリーロード」の哀愁を帯びた歌声も素敵でした。
(まさか続編でハリーみたいに生き返ったりしないよね…死体はバラバラだろうし・・・)
今回のキングスマンの秘密兵器もなかなかライター型手榴弾やマシンガンにもなる防弾機能付きの傘、機能満載なメガネなどワクワクするアイテムが満載です
もちろんパワーアップしたアクションも見逃せません。
ただ、下品さも前作より濃いような・・・特にチャーリーの彼女のクララに追跡装置を仕込むミッションはいただけませんね 交際中のスウェーデン王女との会話も王室侮辱に当たらないのかと心配になります
ポピーのウィルス入りのドラッグが蔓延し、解毒剤と引き換えに米大統領に取引を持ち掛けますが、大統領の方が上手、これを機会にドラッグ中毒者を一掃しようと企むあたりは悪党より冷酷かも。単純に考えたらちょっとだけその考えもありかと思いますが、色んな事情で麻薬を使用しなければならない人の存在も考慮すれば、やはり許されることではないですよね。(でも今の日本の指導者も考えそうな気がするあたりがちょっと怖いぞ)
裏切りもありましたが、無事にミッション完遂しポピーをやっつけたキングスマン。ラストシーンはスーツを着たテキーラがロンドンのテーラーにやってくる場面です。絶対続編作る気満々じゃんか