杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

バーニング・オーシャン

2024年08月11日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2017年4月21日公開 アメリカ 107分 G
2024年7月4日放送 午後のロードショー

2010年4月20日、メキシコ湾沖約80kmに位置する石油掘削施設「ディープウォーター・ホライゾン」で、海底油田から逆流した天然ガスへの引火による大爆発が起こった。海上一面が火の海と化す最悪な状況の中、施設内に閉じ込められた作業員たちは被害の拡大を食い止めるべく奔走し、決死の脱出を図る。(映画.comより)


2010年にメキシコ湾沖で発生した海底油田爆発事故の映画化で、人為的ミスの連鎖や親会社と下請け会社の確執が積み重なって未曾有の大事故へ繋がっていく様子が描かれています。監督はピーター・バーグ。
 
主人公のマイク・ウィリアムズ(マーク・ウォールバーグ)は石油掘削会社「トランスオーシャン社」の技術者で、妻のフェリシア(ケイト・ハドソン)と娘のシドニーと暮らしています。娘に炭酸の缶と蜂蜜を使い海底油田掘削の原理を説明しますが、派手に噴き上がるシーンがこれから起こる災害を予感させます。

施設主任のジミー・ハレル(カート・ラッセル)、施設操縦士のアンドレア・フレイタス(ジーナ・ロドリゲス)らとヘリで巨大海底油田「ディープウォーター・ホライゾン」に降り立ちますが、作業の安全確保のための最終安全テストが行われていないことがわかります。

BP社の現場管理者ドナルド・ヴィドリン(ジョン・マルコヴィッチ)とロバート・カルーザ(ブラッド・リーランド)が、工期の遅れとコスト削減を理由に会社の利益を最優先したのです。ジミーの抗議に、ドナルドたちは負圧テストで異常がないことを条件に折り合います。
テストで異常を示す数値が示されますが、ドナルドは計器の不具合を主張して掘削を強行します。掘削泥水の除去作業が始まるとパイプから泥水が漏れ始め、勢いよく噴出して機器が破壊され、気化した原油と天然ガスに引火して大規模な爆発が起きます。

フェリシアとスカイプで話していたマイクが異変に気付いた時には爆発に巻き込まれています。シャワーを浴びていたジミーの体には無数のガラス片が突き刺さっています。(これが凄い痛そうでした)マイクはジミーや作業員の救出に走り回ります。いきなりスカイプが切れたことが気になりフェリシアは沿岸警備隊に連絡しますが火災が起きたとしか聞かされず不安が募ります。作業船からも防災センターに通報しますが、救助ヘリの到着は早くても30分かかるといわれます。

ジミーは害の拡大を食い止めようと装置の緊急停止を試みますが、大規模な停電が発生します。マイクはケイレブ(ディラン・オブライエン)と予備電源を作動させます。しかし施設の崩壊は時間の問題で、復旧を断念したジミーたちは唯一残されていた小型ゴムボートで脱出しようとしますが、マイクとアンドレアが取り残されてしまいます。

海面は流出した原油が引火し一面火の海の中、ヘリポートに上がりライフジャケットを装着したマイクとアンドレア。怖気づいて動けなくなったアンドレアを海に突き落としマイクも海に飛び込み救命ボートに救助されます。
救命船の上で点呼を取って生存者の確認をするジミーも満身創痍です。
崩れ落ちる「ディープウォーター・ホライゾン」を前に、救助された者は死者と行方不明者に祈りを捧げます。ホテルでマイクがフェリシアや娘に会い泣きながら抱きしめるシーンでは、彼の精神的ショックが伝わってきました。

この事故で作業員11名が亡くなり、大勢の負傷者が出ました。大量の原油流出でメキシコ湾全域に深刻な環境被害が発生しアメリカ史上最悪の環境災害の一つとされています。
映画の爆発の瞬間の衝撃的な映像に思わず目を背けたくなりました。マイクたちの必死の復旧に向けての努力や救助活動に対して、ドナルドたちの保身に走る姿がいっそ哀れに映ります。

マイクとアンドレアはトランスオーシャン社を退職。ジミーは会社に残り現場で働き続けています。ドナルドとロバートは殺人罪で起訴されるも取り下げられたと、登場人物たちのその後も付け加えられていました。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする