杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

百花 映画

2023年03月19日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2022年9月9日公開 104分 G

レコード会社に勤務する葛西泉(菅田将暉)と、ピアノ教室を営む母・百合子(原田美枝子)。ふたりは、過去のある「事件」をきっかけに、互いの心の溝を埋められないまま過ごしてきた。そんな中、突然、百合子が不可解な言葉を発するようになる。「半分の花火が見たい・・・」それは、母が息子を忘れていく日々の始まりだった。
認知症と診断され、次第にピアノも弾けなくなっていく百合子。やがて、泉の妻・香織(長澤まさみ)の名前さえ分からなくなってしまう。皮肉なことに、百合子が記憶を失うたびに、泉は母との思い出を蘇らせていく。そして、母子としての時間を取り戻すかのように、泉は母を支えていこうとする。
だがある日、泉は百合子の部屋で一冊の「日記」を見つけてしまう。そこに綴られていたのは、泉が知らなかった母の「秘密」。あの「事件」の真相だった。母の記憶が消えゆくなか、泉は封印された記憶に手を伸ばす。一方、百合子は「半分の花火が見たい…」と繰り返しつぶやくようになる。「半分の花火」とはなにか?ふたりが「半分の花火」を目にして、その「謎」が解けたとき、息子は母の本当の愛を知ることとなる――― 。(公式HPより)

2022年10月20日
https://blog.goo.ne.jp/admin/entry?eid=6106e5f9e66d338d6841742692fa7635&sc=c2VhcmNoX3R5cGU9MSZsaW1pdD0xMCZzb3J0PWRlc2Mma2V5d29yZD0lRTclOTklQkUlRTglOEElQjEmcD0x

川村元気の同名小説を、自ら長編初メガホンをとって映画化しています。
記憶を失っていく母と向き合うことで母との思い出を蘇らせていく様子が、様々な時代の記憶シーンと交錯して映し出される構成です。

母と泉はそれまでつかず離れずの関係性を保ってきたのですが、まもなく子供が生まれるという時に、母の様子がおかしくなります。
記憶を失っていく母を目の当たりにした泉は、それでも献身的に母を支え続けます。しかしある日、母の部屋を整理していて手帳を見つけた泉は、その中に綴られていた「母の失踪事件」の真相を読んでしまいます。

原作を読んだ時も感じたのですが、母より女を選んで息子を棄てる行為は自分には理解できません。百合子から子供は親に預けたと言われていたのかもしれませんが、子供から母を奪うことに罪悪感を持たない不倫相手の浅葉洋平(永瀬正敏)に対しても同様です。

記憶を失っていく百合子の中で、最後まで残ったのが息子との思い出の「半分の花火」だということだけが救いです。

泉の妻が夫と義母の関係に向ける淡泊さも気になりました。理解ある妻と言うべきですが何だか他人事みたいでね・・。

う~~ん・・・実写だと何だか生臭いというか重く感じて、俳優陣の演技は良かったのですが、原作の方に軍配上げちゃいます。


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