杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

アーロと少年

2016年03月18日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2016年3月12日公開 アメリカ 93分

恐竜が絶滅を免れた世界。恐竜のアーロは、兄や姉と比べて身体が小さく、怖がりで父親に甘えてばかりだった。ある激しい嵐の日にアーロを庇って父が亡くなってしまう。別の日、蓄えた食料を盗み食いしていた人間の子を追い払おうとしたアーロは川に落ちて激流に飲み込まれ、家族から遠く離れた見知らぬ土地で目覚める。ひとりぼっちになったアーロを助けたのは、人間の子スポットだった。言葉は通じないものの、小さな身体で懸命にアーロを守ろうとする勇敢なスポットに、アーロは少しずつ心を開いていく。ふたりはアーロの家族の待つ家を目指し冒険の旅始めるをが、行く手には大自然の脅威や敵が待ち受けていた。アーロとスポットは力を合わせて困難を乗り越え、やがて言葉を超えた心で通じ合う人生初の友達になっていくが・・・。


いつものシネコンでは字幕版の上映が無く、吹替えで鑑賞です。ママ(安田成美)、Tレックス一家のブッチ(松重豊)とラムジー(片桐はいり)とナッシュ(八嶋智人)は俳優さんが声をあててます。

アーロのパパは息子が本当は強い子だと信じていて、恐がりを直そうと夜の草原に連れて行ったり、嵐の中を食料泥棒を追いかけていったりします。自分の性急さに気付いて反省するところは親だって試行錯誤しているんだよな~と感じさせてくれました。(後にアーロがピンチの時、夢の中で彼を導いてもいました。)
夜の草原の蛍の乱舞はとても美しい光景で、後にアーロがスポットに父親と同じことをする場面にも登場します。

冬に備えて一層の蓄えをしなければならない中、パパの死の一端になったスポットがまた食料を荒らしているのを見つけたアーロは追い払おうとして一緒に川に落ちてしまうの。家から遠く離れた場所で目覚めたアーロは、迷子になってうろたえましたが、そんな彼を助けてくれたのがスポットでした。スポットは虫や獣を獲ってきてアーロの前に差し出すのですが、草食恐竜のアーロにはその意味がわかりません。でも三度目に木の実を差し出され、やっとスポットが自分に食料を探してきてくれたのだと理解します。

アーロはスポットに、木の枝を家族に見立て、○で囲んで「家族」を表現してみせます。言葉が通じなくてもそれが家族を意味するのだとはっきりとわかる素晴らしいシーンでした。次第に打ち解けていく二人。テロダクティル(翼竜)に狙われた彼らを助けてくれたTレックスの一家(普通彼らが最大の敵だけどね)の手助けをして、牛泥棒のラプトルをやっつけたりと子供が喜びそうな冒険が繰り広げられていきます。

やっと懐かしい家の近くまで辿り着いた二人ですが、また翼竜に狙われてしまいます。攫われたスポットを取り返そうと頑張るアーロは、最早弱虫の甘えん坊じゃありません。しかし、スポットと同種の(彼の家族は亡くなっているので、種族としての仲間ですね。)人間が二人の前に現れた時、アーロは自分といるより人間たちと新しい家族になった方がスポットは幸せになれると気付くのです。アーロがスポットと彼らを大きな○で囲んでスポットを彼らの方に押しやるシーンも感動的でした。

恐竜が繁栄している世界という設定なので、人間は言葉を持たず、狼か犬程度の存在として描かれています。スポットの仕草はどう見てもわんこでしかないし新しい家族は目と髪の色が違い、さらに二足歩行をしている点でより進化した種族ってことなのかしらん?

特筆すべきは、実写と見紛うほどの自然描写です。津波のように押し寄せる増水した川の水、険しい山の景色、生命に溢れる森などなど・・・これはスクリーンで観て正解ね
逆に、恐竜たちは子供受けするいかにもアニメっぽい可愛らしさがあって、幼児でも怖がらずに楽しめるようになっていました。内容的にも大人も楽しめるという宣伝文句に嘘はなかったかな

本編の前に『ボクのスーパーチーム』という短編が上映されるのですが、全く世界観が異なる作品(仏教か密教の宣伝かよ?本編が短いからおまけなのか、スポンサーがそちら系だとかあるのかな?)なので、「あれ?スクリーンを間違ったかな?」と一瞬焦ってしまいました。

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