畠中恵(著) 新潮文庫
長崎屋へ舞い込んだ謎の木札。『お願いです、助けて下さい』と書かれているが、誰が書いたか分からない。以来、若だんなの元には不思議な困りごとが次々と持ち込まれる。船箪笥に翻弄される商人、斬り殺されかけた噺家、売り物を盗まれた古着屋に、惚れ薬を所望する恋わずらいのお侍。さらに江戸一番の美女選びまで!? 一太郎は、みんなを助けることができるのか? シリーズ第11弾。
・ろくでなしの船箪笥
一太郎の数少ない同年代の友人である七之助&冬吉兄弟の頼み事は、祖父の形見の船箪笥を開けて欲しいということでした。
大阪の本家・伊勢屋の隠居である祖父が兄弟に遺したものですが、開かない引き出しにお宝が隠されているのではと疑った本家が、江戸の親戚筋である叶屋に預けたところ、怪異が起きたというのです。河童が欠けた甲羅を取り戻そうと騒ぎを起こしていたのですが、叶屋の大番頭と二番番頭の諍いは、商いのパッとしない本家が江戸でそこそこ成功している分家に対する嫉妬も遠因なんですよね。人間の欲深さもさり気なく盛り込まれていました。
・ばくのふだ
悪夢を食う獏・場久と若だんなとの出会いの話です。
人の悪い夢を食べ続けてきた獏が、話の下手な噺家の悪夢と出会い、自分ならもっと面白い話ができると思いついて、人の世に出てきたのです。
寄席で話すことで自分もストレス解消になっていたのですが、人に知られたくない悪夢を場久に語られた侍が、自分の悪事が露見したと勘違いして場久を襲いかかった折に、噺を聴きに来ていた若だんなたちと知り合ったのでした。
・ひなこまち
美しい娘を一人雛小町に選び、その顔を手本に雛人形を作る話で持ちきりの中、長崎屋を覗き込む怪しい娘を追いかけて屏風のぞきが受難に。当の娘に助けられたことから、仁吉を巻き込んでの着物詐欺の盗人たちの捕り物に化けていきます。屏風のぞきがメインって珍しいね
・さくらがり
広徳寺で花見をすることになった若だんな一行の下に、船箪笥の件で迷惑をかけたお礼にと河童の大親分の寧々子がやってきて、河童の秘薬を持って来たことから騒動が!
惚れた女房・雪柳のために惚れ薬の秘薬が欲しいという安居という侍も絡んでのドタバタが面白かったです。その惚れ薬が盗まれての大騒ぎが解決したお礼にと、安居は若だんなから秘薬の一つを貰いました。
花見のご馳走の描写が何とも豪勢かつ美味しそうです。
・河童の秘薬
幸せになれるという秘薬を夫に貰って飲んだ雪柳の夢の中に若だんなたちも取り込まれます。身元不明の幼子が浚われ、その子を必死に探して守った雪柳とそれに力を貸した若だんな。謎の木札はこの夢の中で書かれたものでした。
安居と雪柳の素性とか、雪柳の願いの中身は簡単に推測できますが、この夫婦が幸せでありますようにとつい応援したくなるキャラです。
長崎屋へ舞い込んだ謎の木札。『お願いです、助けて下さい』と書かれているが、誰が書いたか分からない。以来、若だんなの元には不思議な困りごとが次々と持ち込まれる。船箪笥に翻弄される商人、斬り殺されかけた噺家、売り物を盗まれた古着屋に、惚れ薬を所望する恋わずらいのお侍。さらに江戸一番の美女選びまで!? 一太郎は、みんなを助けることができるのか? シリーズ第11弾。
・ろくでなしの船箪笥
一太郎の数少ない同年代の友人である七之助&冬吉兄弟の頼み事は、祖父の形見の船箪笥を開けて欲しいということでした。
大阪の本家・伊勢屋の隠居である祖父が兄弟に遺したものですが、開かない引き出しにお宝が隠されているのではと疑った本家が、江戸の親戚筋である叶屋に預けたところ、怪異が起きたというのです。河童が欠けた甲羅を取り戻そうと騒ぎを起こしていたのですが、叶屋の大番頭と二番番頭の諍いは、商いのパッとしない本家が江戸でそこそこ成功している分家に対する嫉妬も遠因なんですよね。人間の欲深さもさり気なく盛り込まれていました。
・ばくのふだ
悪夢を食う獏・場久と若だんなとの出会いの話です。
人の悪い夢を食べ続けてきた獏が、話の下手な噺家の悪夢と出会い、自分ならもっと面白い話ができると思いついて、人の世に出てきたのです。
寄席で話すことで自分もストレス解消になっていたのですが、人に知られたくない悪夢を場久に語られた侍が、自分の悪事が露見したと勘違いして場久を襲いかかった折に、噺を聴きに来ていた若だんなたちと知り合ったのでした。
・ひなこまち
美しい娘を一人雛小町に選び、その顔を手本に雛人形を作る話で持ちきりの中、長崎屋を覗き込む怪しい娘を追いかけて屏風のぞきが受難に。当の娘に助けられたことから、仁吉を巻き込んでの着物詐欺の盗人たちの捕り物に化けていきます。屏風のぞきがメインって珍しいね
・さくらがり
広徳寺で花見をすることになった若だんな一行の下に、船箪笥の件で迷惑をかけたお礼にと河童の大親分の寧々子がやってきて、河童の秘薬を持って来たことから騒動が!
惚れた女房・雪柳のために惚れ薬の秘薬が欲しいという安居という侍も絡んでのドタバタが面白かったです。その惚れ薬が盗まれての大騒ぎが解決したお礼にと、安居は若だんなから秘薬の一つを貰いました。
花見のご馳走の描写が何とも豪勢かつ美味しそうです。
・河童の秘薬
幸せになれるという秘薬を夫に貰って飲んだ雪柳の夢の中に若だんなたちも取り込まれます。身元不明の幼子が浚われ、その子を必死に探して守った雪柳とそれに力を貸した若だんな。謎の木札はこの夢の中で書かれたものでした。
安居と雪柳の素性とか、雪柳の願いの中身は簡単に推測できますが、この夫婦が幸せでありますようにとつい応援したくなるキャラです。