杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ひなこまち

2016年03月13日 | 
畠中恵(著) 新潮文庫

長崎屋へ舞い込んだ謎の木札。『お願いです、助けて下さい』と書かれているが、誰が書いたか分からない。以来、若だんなの元には不思議な困りごとが次々と持ち込まれる。船箪笥に翻弄される商人、斬り殺されかけた噺家、売り物を盗まれた古着屋に、惚れ薬を所望する恋わずらいのお侍。さらに江戸一番の美女選びまで!? 一太郎は、みんなを助けることができるのか? シリーズ第11弾。

・ろくでなしの船箪笥
一太郎の数少ない同年代の友人である七之助&冬吉兄弟の頼み事は、祖父の形見の船箪笥を開けて欲しいということでした。
大阪の本家・伊勢屋の隠居である祖父が兄弟に遺したものですが、開かない引き出しにお宝が隠されているのではと疑った本家が、江戸の親戚筋である叶屋に預けたところ、怪異が起きたというのです。河童が欠けた甲羅を取り戻そうと騒ぎを起こしていたのですが、叶屋の大番頭と二番番頭の諍いは、商いのパッとしない本家が江戸でそこそこ成功している分家に対する嫉妬も遠因なんですよね。人間の欲深さもさり気なく盛り込まれていました。

・ばくのふだ
悪夢を食う獏・場久と若だんなとの出会いの話です。
人の悪い夢を食べ続けてきた獏が、話の下手な噺家の悪夢と出会い、自分ならもっと面白い話ができると思いついて、人の世に出てきたのです。
寄席で話すことで自分もストレス解消になっていたのですが、人に知られたくない悪夢を場久に語られた侍が、自分の悪事が露見したと勘違いして場久を襲いかかった折に、噺を聴きに来ていた若だんなたちと知り合ったのでした。

・ひなこまち
美しい娘を一人雛小町に選び、その顔を手本に雛人形を作る話で持ちきりの中、長崎屋を覗き込む怪しい娘を追いかけて屏風のぞきが受難に。当の娘に助けられたことから、仁吉を巻き込んでの着物詐欺の盗人たちの捕り物に化けていきます。屏風のぞきがメインって珍しいね

・さくらがり
広徳寺で花見をすることになった若だんな一行の下に、船箪笥の件で迷惑をかけたお礼にと河童の大親分の寧々子がやってきて、河童の秘薬を持って来たことから騒動が!
惚れた女房・雪柳のために惚れ薬の秘薬が欲しいという安居という侍も絡んでのドタバタが面白かったです。その惚れ薬が盗まれての大騒ぎが解決したお礼にと、安居は若だんなから秘薬の一つを貰いました。
花見のご馳走の描写が何とも豪勢かつ美味しそうです。

・河童の秘薬 
幸せになれるという秘薬を夫に貰って飲んだ雪柳の夢の中に若だんなたちも取り込まれます。身元不明の幼子が浚われ、その子を必死に探して守った雪柳とそれに力を貸した若だんな。謎の木札はこの夢の中で書かれたものでした。
安居と雪柳の素性とか、雪柳の願いの中身は簡単に推測できますが、この夫婦が幸せでありますようにとつい応援したくなるキャラです。

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ストロボ・エッジ

2016年03月13日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2015年3月14日公開 116分

高校1年生の木下仁菜子(有村架純)は、ある日帰る途中、女子に人気の同級生、一ノ瀬蓮(福士蒼汰)と出会う。それ以来二人は少しずつ話すようになり、仁菜子は一見クールな蓮の優しい面や彼の笑顔を見ているうちに、これまでに体験したことのない恋しい気持ちを抱くようになる。蓮が中学時代から年上の麻由香(佐藤ありさ)と付き合っていることを知ってもなお気持ちを止められず蓮に告白するが、フラれてしまう。彼とただの友達でいようとする一方で、好きという気持ちをますます募らせる仁菜子。まっすぐな彼女と過ごすうちに、蓮の中で少しずつ何かが変わっていく。仁菜子と蓮、仁菜子のことが好きな安堂(山田裕貴)と大樹(入江甚儀)、麻由香、安堂と付き合っていた真央(黒島結菜)、それぞれの思いが交差する。(Movie Walkerより)

咲坂伊緒のコミックが原作。
駅のホームでの告白シーンから始まる物語は、初めから青春の甘酸っぱさ満開です。
電車内でスマホに付けたアクセサリーを踏まれたことから始まった二人の出会いはその後で紹介されるため、最初は唐突な印象を受けました。
二年に進級して同じクラスになった二人。安堂の登場もあり、波乱の予感です

彼女がいると断られ、友人でいられることだけで満足しようとするけれど、気持ちはやっぱり揺れちゃう。
そんな仁菜子に関心を持った安堂は、いつしか彼女を本気で好きになってしまう。彼は中学時代につきあっていた真央が、本当は蓮目当てで近づいてきたことに深く傷つけられた過去がありました。それが原因で親友だった蓮と溝が出来てしまっています。

けれどね~~、このヒロインってばとっても素直で正直で優しいの。
こんな娘にまっすぐ接して来られたら、普通気持ちが動くよね
蓮が麻由香(大樹の姉という設定ですが、何歳違いなんだ?・・原作だと二歳年上のようですね。)と付き合い出したのは彼らの両親の離婚がきっかけのようです。傷付いた麻由香を自分が守るんだという意識と彼女を好きだという気持ちをいつしか混同してしまった蓮が、仁菜子に惹かれていくのに気付いたのは、麻由香の方が先でした。一緒に大人になりたかったねと蓮に別れを告げるシーンが印象的です。

フリーとなった蓮ですが、転校してきた真央が邪魔します。
でもその理由は蓮に未練があったからではなくて、本当に好きだったのは安堂だと気付いた真央が、彼のためにしたことだったのでした。
それを知った安堂は、仁菜子の背中を押してくれます。
もう、ほんと青春だ~~!!

登場人物は誰もが皆自分の気持ちに正直で熱い。
舞台となる高校もかなりスタイリッシュな建物で、文化祭などのイベントも懐かしさを感じさせます。最初と最後の告白場面である駅のホームも効果的に使われていました。

女子高出身なので、こういう「青春」は味わったことがありませんが、疑似体験の気分で楽しみました。

やっぱ、有村架純ちゃん、可愛いね~~。
可哀相なのは大樹で、出番も少なく完全脇役だったな
でも、今回のツボは安堂役の山田裕貴君ヒロインを傍で見守り最後は潔く身を引くという、もしかしたら蓮よりオイシイ役柄をきっちり演じていました。(この役、窪田君がやってもはまると思うな~~

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